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2020年10月02日11:25

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9月のBS視聴映画「道」「レイジング・ブル」「若い人」

9月はどうしても見たい映画がわりに少なくて、BSで映画を見ることが多かったです。
その中から3本。

「道」(フェデリコ・フェリーニ監督、1954年)

言うまでもないイタリア映画の名作。
20代半ば、「道」を見たことがない、というわたしに、ぜひ見るように友人から勧められ、ビデオを借りて最初に見た記憶がある。
粗暴な旅芸人のザンパノ(アンソニー・クイン)が、知的障害のあるジェルソミーナ(ジュリエッタ・マシーナ)と旅をする物語。
ジェルソミーナは、お金で売られたような形でザンパノのもとに行かされ、必死にトランペットを覚え、ザンパノの「怪力芸」のアシスタントをする。
ぞんざいにジェルソミーナを扱うザンパノだが、彼女は彼と一緒にさすらいの日々を送るしかない。
ある日、なにかとザンパノをからかう芸人仲間の男を、ザンパノが激しく殴打したところ、男は死んでしまう。遺体を隠すが、それを見たジェルソミーナはショックで精神的に不安定になり、ザンパノは彼女を残してひとり行ってしまう。
何年か経ち、ザンパノが立ち寄った海辺の町で、女性が歌う歌に聞き覚えが。ジェルソミーナがよく歌っていたメロディーだ。女性に尋ねると、ある日やってきた女の子を保護し、その子がいつも歌っていたと。
そして女の子はまもなく熱を出して亡くなったと言うのだ。ザンパノはジェルソミーナの死にショックを受け、浜辺で慟哭。彼女の存在がどんなに大事なものだったのか、初めて知るのだった。

旅芸人という、その日暮らしの寄る辺ない者に仮託した、人生の哀愁。
ニーノ・ロータの音楽も切なく耳に残る。
(9月17日)


「レイジング・ブル」(マーティン・スコセッシ監督、1980年)

コメディアンとして活動するジェイク(ロバート・デ・ニーロ)。しかし彼はかつてはミドル級のボクサーでもチャンピオンにもなった。
そんな昔を回想、一転、でっぷり太った男から、精悍な体格のボクサーの姿にシーンは変わる。

1941年、ジェイクは納得できない判定で負けてしまう。
怒りが収まらない彼が、偶然プールサイドで見かけたのが15歳のビッキー。
彼女に惹かれたジェイクは、妻子持ちにもかかわらず交際を始め、やがてビッキーと結婚。
あるとき、マフィアから八百長を持ちかけられ、不本意ながら格下の相手に試合で負ける。しかし、そのことでタイトルマッチへの挑戦が認められる。
1949年、タイトルを手にしてチャンピオンとなったジェイクだったが、猜疑心、嫉妬心の強い彼は、ビッキーの浮気を疑い、周囲の人も巻き込んで、ビッキーは離婚を決意する。

ロバート・デニーロの体重の増減の役作りが凄い、と当時話題になった映画である。
公開時は受験真っ盛りなので、見てなかったな。
冒頭、いきなり、わたしの好きなピエトロ・マスカーニの「カヴァレリア・ルスティカーナ」の間奏曲が流れてくる。「わたしの葬式でかけてほしい」と常々思っている曲である。
主人公も演じるデニーロもイタリア系だからだろうか。
今回、初めてこの映画を観て意外だったのは、モノクロ画面だったこと。
ジェイクにとっての古き良き時代の思い出だかこそ、モノクロの色調がよかったのかも。
ボクシングの試合のシーンは、かなりの迫力で、いや〜、デニーロ、マジで殴ってんのか?と思ってしまいました。
(9月29日)


「若い人」(西河克己監督、1962年)

坂が多い、南国の港町のミッション女子高。
そこに通う恵子(吉永小百合)は、父親がだれかわからない婚外子。そのため父性に過剰なあこがれと反発があり、数学教師の間崎(石原裕次郎)に恋をしていた。
しかし間崎は同僚の橋本先生(浅丘ルリ子)に惹かれている。
恵子は間崎の気を引こうと、目立つ振る舞いをしたり、間崎の下宿に押しかけたり、はたまた東京への修学旅行中に、泣いて困らせたりもする。
そのくせ、面と向かって「間崎先生は橋本先生が好きでしょ?」と言ったりもする恵子。
橋本先生も間崎に対して憎からず思っているのを感じ取っている恵子は、「橋本先生は、だからわたしのことが嫌いなのだ」と思う。

恵子の母親は小料理屋を営んでいるが、ちょうど間崎が訪ねたとき、したたかに酒に酔って醜態をさらしていた。
恵子は、そんな母親の娘であることを情けなく思いながらも、母親の介抱をするのだった。

わたしが生まれた年の製作ですね。
当時、吉永小百合は人気絶頂、同じ年には「キューポラのある街」にも出演していて、そのせいか、わたしと同年代女子には「小百合」という名の女性がけっこういる。
わたしも生まれた当初は「小百合」になる予定だったが、ご近所にも「小百合ちゃん」がいたため、変更したそうだ。後年、「名前負け」とからかわれること必至なので、変えてくれて本当に良かった(;´∀`)。

映画は、思春期の自意識過剰な女の子が、学校の独身男性教師にあこがれて、すったもんだする、というまあ他愛ないっちゃあ、他愛ないんですけど、教え子と教師の恋愛って、昔からひとつのテーマ(タブー?)ですからね。
石原裕次郎見ながら「教え子なんだから、ピシッと境界引けよ! むやみに下宿なんかに上げるなよ!」とイラっとしてしまう。
美少女の教え子にも、美人の同僚にもいい顔するなんて、なんちゅーいい加減な男だ!としか思わないんですけど、石坂洋次郎の原作もこの映画も、当時は大ヒットした模様。
まあ、このテーマなら、設定を少し変えて、今でもドラマが作れそう。

とはいえ、わたしがこの映画で驚いたのは、

「浅丘ルリ子ってこんなにキレイだったんだ!」ということ(;゚Д゚)。

厚化粧過ぎて、素顔が全く想像つかない浅丘ルリ子しか知らないもんだから・・この頃の彼女はナチュラルメイクなのに、ほんとうに美人ですよ。吉永小百合も可愛いけど、見ながら「こりゃ、だんぜん浅丘ルリ子だろ、裕次郎!」と言いたくなった(#^^#)

そしてミッションスクール等、学校付近のロケ地は長崎なんですね。
オランダ坂や長崎港や1982年の大水害で被災する前の眼鏡橋が出てきて、「ご当地映画」の様相。これは九州人のわたしには嬉しかった。
修学旅行のシーンでは、東京タワーやニコライ堂が登場します。
この頃の修学旅行は、もちろん新幹線は開通していないから、夜行列車です。
(9月30日)
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