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日記一覧

チュルリョーニス
2015年12月22日14:06

先週、映画「杉原千畝」を見たので、リトアニアつながりで、ひさかたぶりにチュルリョーニスの交響曲のCDを聴いてみた。演奏はリトアニア国立交響楽団である。チュルリョーニス、といっても知名度は低いだろう。1875年生まれのリトアニア人だ。わたしが

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映画「杉原千畝」
2015年12月18日15:59

わたしが「杉原千畝(すぎはらちうね)」の名前を知ったのは1990年、NHKで放送されたBBCの「日本への旅路」というドキュメンタリーだった。杉原が発行したヴィザによってナチスから逃れた、幾人もの生存者たちが当時のことを語るものだったが、戦時

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(その1より続く)翻訳についても、創作に対しセカンドリーな、二次の仕事であると思われている。ひところまでは大学でも翻訳は権威主義的な、上から目線の(外国語が分からない連中のために)仕方ないから訳してやる、という態度だった。しかし翻訳して読む

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池澤夏樹ファンのmixiコミュニティサイトの情報で、関西大学文学部での講演を知りました。現在、池澤氏は関大文学部の「客員教授」に就任、ときおり大学で「客員教授講演会」がおこなわれているようです。関大は、わたしの現在の住まいからもほど近く、関大の

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(その1から続く)休憩後、質問に答えるコーナーへ。(白井)「今の日本は受難の時代と言われた19世紀のロシアと似ていると思うのですが・・」という質問です。同様の質問も別にいただきましたので、このテーマから。19世紀のロシアの小説がなぜ面白いか

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政治学者・白井聡氏をホストに、毎回ゲストを迎えて語り合う、朝日新聞社のイベントに行ってきました。今回ゲストはロシア文学者・亀山郁夫氏。テーマは「ロシア人の心とは?」。白井さんはこげ茶のスーツ姿、対して亀山さんはノータイで、セーターの上にグレ

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映画「恋人たち」
2015年12月07日12:15

橋梁点検の仕事をしているアツシ(篠原篤)は3年前、妻を通り魔事件で殺され、持って行き場のない怒りと悲しみの感情を抱えたまま、日々を過ごしていた。愛する者を奪われた絶望感から、しばらく働くこともできなかったアツシは生活に窮しており、健康保険料

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マリア・アルトマン(ヘレン・ミレン)はロスアンジェルスで夫亡き後、ブティックを経営して暮していた。1998年、姉のルイーゼの葬儀の後、彼女がナチスに奪われた美術品の返還を求めた手紙を残していたことを知る。マリアは姉の意志を継ぐため、友人の息

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映画「明日へ」
2015年11月27日09:57

スーパーでレジ係として働くソニ(ヨム・ジョンア)。残業もいとわず、会社からは「そのうち正社員にしてやる」と言われ、息子のテヨン(ド・ギョンス)にスマホを買ってあげられるかも、と声を弾ませる。夫は出稼ぎ中で家計は苦しく、高校のクラスで「ガラケ

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“絵なんて絵空事ですから、そこには物語が必要なのです。しかし、いい作品は物語を越えて残ります”1920年代、画家・藤田嗣治(オダギリジョー)はパリの寵児だった。人気画家となって絵が売れ、スーティン、モディリアーニ、ピカソ、キスリング、ヴァン

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異論、暴論
2015年11月15日22:47

来週はもう府知事選の投票日だ。さかんに「二重行政の解消」と言われてて、カブってしまう事業、たとえば「大阪市立大学と大阪府立大学」を統合するべき、なのだそうだ。それを聞いていたウチの毒舌男(つまりはわたしの配偶者)が、「ふ〜ん。カブってるもの

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映画「火葬」
2015年11月14日18:23

「第一回大阪韓国映画祭」というイベントにて見に行ってきました。主演が韓国の名優・安聖基(アン・ソンギ)、監督がこれまた韓国を代表する監督の林權澤(イム・グォンテク)となれば、見逃せない。オ・サンム(アン・ソンギ)は大手化粧品会社の常務。脳腫

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国際日本文化研究センター教授の井上章一氏の「京都ぎらい」(朝日新書)が、話題になっているらしい。わたしはまだ読んでいないけれど、井上氏は京都生まれながら「洛外」の嵯峨であるため、「洛中」の人から「嵯峨は京都ではない」と蔑まれたんだという。京

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今週の京都の文化財の特別公開では、信行寺にある伊藤若冲の「天井花卉図」が見られるという。しかも今回限り、というではないか。これはどうしても見逃せない。天井に描かれているので、細かい部分は接近して見るわけにはいかないので、美術鑑賞用のオペラグ

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映画「新幹線大爆破」
2015年11月03日17:09

高校生の頃、「好きな俳優は?」という話になったとき、「高倉健」と言ったクラスメートがいた。たしかに“健さん”は大スターではあったが、我々からすると「お父さん」の世代。わたしより2歳下の薬師丸ひろ子だって、「野性の証明」では健さんとは「父と娘

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今回、秋の褒章で、作家の桐野夏生さんの紫綬褒章受章が報じられていた。わたしは桐野さんの長年の大ファン。小説は全部読んでいるし、それぞれ二度、三度も読み返している。東京ではサイン会やトークショーなどに何度も足を運んだ。新聞記事には、彼女の本名

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6月に東京国立近代美術館(以下、近美と略す)へ、藤田嗣治の「哈爾哈(ハルハ)河畔之戦闘」を見に行った際、9月からフジタの全所蔵作品の展示があると知り、年内に絶対見に行こう、と決めていた。今回、ヤクルト対ソフトバンクの日本シリーズ観戦のために

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前半の白井聡氏と松島泰勝氏の対論の続きです。会場からのいくつかの質問に答えました。<白井>「独立琉球」の位置取りについての質問が多くありました。<松島>私は非武装中立の国を考えています。バルト海のオーランド諸島は、ロシアが近くにあって紛争が

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朝日新聞社主催、政治学者の白井聡さんをホストにしたトークイベント。今回のゲストは「琉球独立論」の著書のある松島泰勝氏(沖縄県石垣島出身、龍谷大学教授)。おりしも数日前に、沖縄県の翁長知事が、「辺野古埋め立て承認取り消し」を出したばかり。白井

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CSで巨人にも勝ち抜け、ようやく、日本シリーズ出場が決まったスワローズ。やれやれ、ほっとしました。思えば今をさかのぼること30年、当時、ヤクルトスワローズは低迷期、あまっさえ「お荷物球団」などと揶揄されるありさま。なのになぜか、この弱小球団

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昨日、NHKで放映されたドキュメンタリー。医師・満屋裕明氏は「世界初のエイズ治療薬の発見・開発者」だ。1980年代はじめ、エイズは「現代の黒死病」とか「不治の病」と言われ、エイズにかかれば、遠からず死が待っている、と言われていた。そんな中、

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檸檬
2015年08月21日21:44

先日、NHKの関西ローカルニュースで、「丸善京都店が10年ぶりに再オープン」とのトピックが。京都の丸善と言えば、梶井基次郎の「檸檬」に登場することで有名。2005年に閉店したが、今度再び阪急河原町駅近くにオープンが決まったらしい。そうなのか

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ジョーズとヒロシマ
2015年08月07日17:40

映画「ジョーズ」は、スティーヴン・スピルバーグの出世作としてとみに有名だが、わたしが見たのは日本での封切から10年近くたったころ、TVでの放映でだった。パニック映画としてともすればB級映画扱いされているが、わたしはけっこう好きな映画だ。海水

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マイ・ベスト・ゲーム
2015年08月06日11:45

王貞治さんの投じたボールが、きれいにキャッチャーのミットに収まった瞬間、思わずテレビの前のわたしは拍手した。投手・王貞治としての甲子園のマウンドは57年ぶりだという。始球式が終わり、第一試合が始まる。TVに審判名が映し出された。球審は堅田。

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映画「野火」
2015年08月04日23:16

日本軍の敗色濃い、フィリピン・レイテ島。田村上等兵(塚本晋也)は肺を病み、野戦病院へ行くよう上官に命令されるが、病院とは名ばかりの粗末な掘立小屋には重傷の虫の息の兵士ばかり。軍医からは追い返され、部隊に戻ると「何としても病院に置いてもらえ、

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映画「セシボン」
2015年07月13日00:36

マイミクさんが今年2月にソウルの映画館でご覧になり、内容を聞いて「日本でも上映されないかなあ」と公開を心待ちにしていた韓国映画だ。1968年、ソウルの音楽鑑賞室「セシボン」では、ギターを奏でてフォークソングを歌う大学生が人気を集め、毎週投票

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1972年、20歳の女子大生・直子は自分の居場所のなさにいらだっていた。大学の授業にはほとんど顔を出さず、吉祥寺界隈の雀荘やジャズ喫茶で時間をつぶし、男友達と次々に身体の関係を結ぶものの満たされない。あさま山荘事件のあと、学生運動は陰湿な内

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社会学者の小熊英二氏はわたしと同い年。彼の親も教師とか学者とかでインテリ家庭に育ったんだろうな、と勝手に思っていた。しかし、彼の父謙二は1925年(大正14年)、現在の北海道佐呂間町生まれ。一家はもともと新潟に居たが零落し、北海道へ渡ってく

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