76年6月26日、日本武道館で行われたモハメド・アリvsアントニオ猪木の格闘技世界一決定戦。
猪木はグラウンドのポジションで下からのローキック狙いに終始、当初は猪木のキック攻撃に対し何やらわめき散らしながらリング中央をグルグルと回っているアリ、という展開が続きました。
しかし、試合の中盤以降は猪木のキックが徐々に当たり始め、アリの「蝶のように舞う」軽快なフットワークが落ちて来ました。
アリ側のセコンドが「猪木は靴に何か仕込んであるのではないか!?」とクレームを付け時間稼ぎに出ます。
アリ側のセコンドからは猪木のリングシューズの爪先にテープを貼るよう要求。実際にテープを貼ったからと言ってキックのダメージを軽減させることは不可能でした。
しかし、猪木側はこれを受けてテープを貼りました。が、当たり前のようにすぐに剥がれてしまいました。
アリの軽いジャブがスタンディング状態の猪木の顔面を捉えました。アリのグローブは4オンス、拳の威力は通常のプロボクシング世界戦よりも上回りました。
猪木もまた、スタンディングでのアリのパンチはよけることが出来なかったのです。
この後も試合は膠着し、6ラウンドに猪木がアリからテイクダウンを奪い、軽く肘を入れた以外は大きな見せ場はなく、アリの両足は猪木の蹴りによって赤く腫れ上がりましたが試合を棄権することはせず。
試合はあっという間に最終15ラウンドに突入しました。
舟橋慶一アナ「試合の結果ではない、内容である、そう言った気持ちで一杯でしたが、ついに誰も予想し得なかった15ラウンドに突入致しました」
この実況からして舟橋アナもこの時は試合の展開に苛立ちを感じていたのは理解出来ます。
舟橋アナ「接近するか!?接近しない!」
石坂浩二(ゲスト解説)「アリの方もジャブを使って(猪木の距離に)入って行こうとはしませんね」
最終回も猪木のローキック、リングを回るアリという展開は変わらず。
舟橋アナ「残り10秒、格闘技世界一決定戦、3秒!2秒!1秒…鐘っ、ゴングですっ!」
アリと猪木は3分15ラウンドを戦い抜きました。試合は判定に入りました。
レフェリーのジン・ラーベルは引き分け、ジャッジの遠藤幸吉はアリの勝ち、同じくジャッジの遠山甲は猪木の勝ちで1-1の引き分けとなりました。
14500人発表(超満員)の館内の観客の様子は静まり返ってしまい、テレビからでは納得しているのか、そうでないのかは判別出来ませんでした。
アリと猪木はリング上で抱き合ってお互いの健闘を称え合いました。
東スポは夕刊紙の利点を生かし、通常版以外に26日の夕方から「速報版」を駅売限定にて緊急発売。
テレビ中継を見終わった私は最寄り駅はまだ発売時間が遅かった為、錦糸町駅の売店まで速報号を買いに行きましたがまだ到着しておらず秋葉原駅の売店で購入しました。(当時はまだキオスクにはなっていなかったような気が…)
駅売りの東スポは当時本社のあった営団地下鉄(東京メトロ)日比谷線の築地駅近隣が最も早く、国鉄(JR)では秋葉原周辺が最速でした。
ログインしてコメントを確認・投稿する