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2026年08月19日07:14

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【配信連動企画】昭和プロレス年史外伝�ゾ赦卒猯�島の決闘、アントニオ猪木vsストロング小林(8)

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74年3月19日新日本プロレス蔵前国技館大会。都営地下鉄蔵前駅、国鉄総武線浅草橋駅から人の波が続いていました。外は冷たい雨、3月中旬にしては2月並みの寒さでした。

1954年12月22日、同じ蔵前国技館での力道山vs木村政彦戦から20年、アントニオ猪木とストロング小林による日本人トップレスラー同士の世紀の大一番を見ようと会場には超満員の観客が集結しました。

館内は16,500人という立錐の余地もないほどの観客でぎっしりと埋め尽くされました。この日のダブル・メインイベント第1試合、坂口征二とアンドレ・ザ・ジャイアントの60分1本勝負は、16分45秒、両者リングアウトの引き分け。

NETのインタビュー、まずは小林から。イヤホンを装着した小林。

三浦智和アナウンサー「小林さん、山籠り特訓の成果はいかがでしたか?」

小林「そうですね、今日の日の為に頑張って来ました。口で言うよりはね、リングの上でお見せします。」三浦アナ「猪木のウィークポイントを貴方は見つけたということですけれども、それはどうですか?」小林「うーん、それはもう自信持ってね、僕の胸の中にあります。」

三浦アナ「今日はですね、お母さん、そして応援の方々もこうしていらっしゃってますけれども、貴方にとって猪木がですね、とにかく『死ぬ覚悟でマットに上がってこい』と言っていましたが、それに対して貴方の覚悟はいかがですか?」小林「その言葉はこっちが言いたい位の言葉でね、リングでね、それをお見せしますよ。」

三浦アナ「全てリング上でと言うことですね。」小林「そうですね。」と温和な口調の中にも秘めたる闘志を感じさせています。

一方の猪木はオレンジ色のジャージを着て縄跳びをしてからリラックス状態でインタビューに答える。

三浦アナ「猪木さん、先週左足の踵を対ジャイアント(アンドレ)戦で痛めていた様子ですけどどうでしょう?」

猪木「コンディションは上々、リングを見て下さい。」

三浦アナ「小林選手は猪木さんが『死ぬ覚悟でマットに上がってがってこい』と言ったことに対して『その言葉をそのまま返す』と言っていましたがいかがでしょうか?」

猪木「まぁ、口で言うより闘って結果を出す以外にはないでしょう。とにかくリングを見て下さい!」と満面の笑みで応えました。

小林はガウンを着けずに入場、「必勝」と書いた日の丸の鉢巻を巻いた小林の私設応援団に先導されてリングへ。私設応援団の人達も紺色の「ワールドプロレスリング NET」の刺繍がされたジャージが支給されており、新日本プロレスとNETが公認したということでしょう。私設応援団の中には後に全日本女子プロレスで悪役レフェリーを務める阿部四郎の姿も確認出来ます。

この当時は入場テーマ曲をかける習慣がまだ日本プロレス界にはありませんでしたが、この日の為に登場した駒澤大学吹奏楽部の演奏する「聖者の行進」のマーチに乗って入場、さっそうとリングイン。物凄い歓声。

続いて王者の猪木が入場、猪木は焦げ茶色の地に富士山の刺繍、背中に金色で「闘魂」の二文字が描かれたガウンでやはり駒澤大学吹奏楽部演奏によるマーチ「大空」に乗って入場、リングインするやクルッと回転して右拳を突きだすポーズ、やはりカッコいい。

この一戦に限り、両選手をコールする倍賞鉄夫リングアナウンサーの他にNETの三浦アナウンサーが進行を手伝いました。主催者である東京スポーツ新聞社、井上博社長の挨拶、国歌「君が代」の吹奏。NWF会長デビット・ヘルマン氏代行として参議院議員、安井謙氏によるタイトルマッチ宣言、チャンピオンベルトの返還とセレモニーは進み、両選手のコールへ、小林は水色のタイツ、コールされると両手を広げました。猪木は海老茶色のタイツ、コールされた後観客に一礼。凄まじい大歓声に包まれました。

レフェリーはこの年の1月に国際プロレスの「新春パイオニア・シリーズ」に現役レスラーとして参戦した清美川、サブレフェリーは国際プロレス、新日本プロレスで活躍、猪木、小林両方とタッグを組んでいた豊登。  

NETの放送が始まる前までは新日本プロレスのリングに上がっており、猪木とは縁の深い豊登はともかく、主審を務める清美川はこれまで新日本プロレスとはビジネス上の接点がなかったですが、小林とは国際プロレス時代に西ドイツ・ハノーバーで一緒だった仲、国際プロレスを離れるにあたり、所属選手には言えない相談をフリーランスの大先輩である清美川にしていたと思われ、清美川が黒幕として動いていたことはほぼ確実でしょう。

前回書きましたが試合時間は90分1本勝負、90分で決着がつかない場合は10分間の延長戦を3回行い、最大120分まで闘う、それでも決着がつかない場合は後日再戦となるというルール、事実上の時間無制限、デスマッチです。フォール、ギブアップ、リングアウト(20カウント)、場内カウントアウト(10カウント)、レフェリー&ドクターストップによる勝敗でベルトが移動、反則勝ちではベルト移動なし。

午後9時28分、決戦のゴング。猪木は下から構える独特のクラウチングスタイル、小林はやはり硬くなっているか表情はこわばっています。猪木の首を取りにいく小林、しかし猪木はその手を振り払って組ませようとしない。首の取り合い、もつれて両者ロープへ。猪木は離れ際、小林のアゴを引いて倒しました。

猪木がヘッドロック、小林は猪木をロープに飛ばすと見せかけてアームホイップ、マットに倒れ込む猪木、館内からは歓声、猪木の表情から余裕が消えました。猪木は小林のバックを取るとグラウンド・コブラツイスト狙い、しかしこれは小林も読んでいたか腰を落として外しロープへエスケープ。

小林は怪力を利してサーフボードホールドに行こうとしますが猪木は逃げながら後ろ向きで右肘でのバックエルボーで脱出、今度は猪木がアームホイップ、グラウンドに引き込んで小林の顔面を肘と前腕部を使ってゴリゴリと擦る荒技、片足タックルから足を取りに行くも、小林はサッとかわして足を取らせない、10分経過。

小林は猪木の左腕を掴んでから怪力でグイッとひしいでのアームブリーカーからハンマーロック、猪木立ち上がる、小林は背中にストンピングを見舞ってから猪木はロープに逃げる。離れ際猪木は小林にまた張り手、怒った小林は張り手のお返し、16,500人超満員の観客はエキサイト。

ボディビルダー出身のパワーファイターである小林にはグラウンドに引き込めばこちらのものと、猪木は卍固め狙いのような体勢から前に小林を倒すと、両足を畳んで右足へのシングル・レッグロックからダブル・レッグロックへと移行、そこから得意のリバース・インディアンデスロックに入ろうとしますが、小林は懸命にこれを外してからベアハッグ、そのまま上体を起こしてスタンドでのベアハッグ、猪木の身体を宙に持ち上げて揺さぶりをかけていきました。ここで15分経過のアナウンス。一進一退の攻防が続いています。
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