75年新日本プロレス「第2回ワールド・リーグ戦」第10戦は4月15日、富山県高岡市民体育館(観衆5,500人満員発表)大会。
公式戦は坂口征二と山本小鉄が一度きりの対戦。新日本プロレスの社内では犬猿の仲と言われる両者ですが、9分52秒、坂口が片エビ固めでフォール勝ちし5戦3勝1敗1分。ストロング小林小林はジョン・ガニアと対戦し、6分28秒、逆エビ固めでギブアップ勝ちを収め、4勝1分。
スーパー・デストロイヤーは木戸修を3分44秒、カナディアン・バックブリーカーでギブアップさせ、永源遙と柴田勝久の同門対決は10分35秒、片エビ固めで永源のフォール勝ちとなりました。
メインイベントはアントニオ猪木&マサ齋藤組vsキラー・カール・クラップ&ファザール・シン組のタッグマッチ60分3本勝負。1本目は20分47秒、猪木とクラップが両者リングアウトとなり1−1、決勝の2本目は7分39秒、猪木がFシンをアバラ折り(コブラツイスト)で破り2−1で猪木&M齋藤組の勝利。
第11戦の4月17日三重県四日市市体育館(観衆5,200人超満員発表)大会ではフリー同士のS小林vsM齋藤という好カード組まれ、M齋藤が切れ味鋭いバックドロップを出すも、S小林はこれをカウント2で返し、ハイアングルのシュミット式バックブリーカー、アトミック・ドロップからの体固めで11分32秒、強敵M齋藤からフォール勝ち。5勝1分と快進撃を見せました。
大木金太郎は木戸を9分1秒、体固めで破り6戦全勝と首位を走り、星野はJガニアを11分23秒、体固めで降しました。マンマウンテン・マイクは柴田を6分28秒、体固めで圧殺。
メインイベントは猪木&坂口組の黄金コンビが登場、クラップ&Sデストロイヤー組と対戦したタッグマッチ60分3本勝負。1本目は17分16秒、坂口とクラップが両者リングアウトとなり1−1、決勝の2本目は5分14秒、猪木がSデストロイヤーを弓矢固め(ボーアンドアロー・バックブリーカー)でギブアップさせて2−1で猪木&坂口組の快勝に終わりました。
第12戦、4月18日、S小林の地元・青梅に近い福生市民体育館(テレビ生中継、観衆3,000人満員発表)大会。
生中継の冒頭で、S小林は外国人側のエース格であるクラップとの公式戦。S小林の地元応援団も多数会場に駆けつけており、大歓声が飛んでいます。S小林は地元の声援に気を良くしたか、パワーでクラップを圧倒。
場外乱闘でも試合を有利に進め、先にリングイン、エプロンに上がってきたクラップにロープ越しのブレーンバスター。これで決まったかに見えましたが、クラップは担ぎ上げられながらもタイツから凶器を取り出してS小林の喉を一突き。
クラップを持ち上げた状態で昏倒したS小林をすかさずフォール。13分38秒、体固めでクラップの勝利に終わりました。S小林は地元で悔しい初黒星で5勝1敗1分。クラップは4戦4勝。
セミファイナルは坂口とSデストロイヤーの公式戦。この試合、NET「ワールドプロレスリング」の放送席に翌週の4月25日、広島県福山市体育館で坂口と対戦する大木が放送席にゲストとして座りました。
坂口と大木は、これより2年前の73年、大木がNET主導により、日本プロレスとノーテレビで苦戦が続いていた新日本プロレスを合併させようとした「新・日本プロレス」計画に反対し計画は頓挫、この件で坂口、小沢正志(キラー・カーン)、木村聖裔(たかし、健吾)、大城勤(大五郎)は日本プロレスを離脱して新日本プロレスへと移籍。
猪木&坂口の二枚看板が揃ったことでNETは日本プロレスの放送を打ち切り、新日本プロレスに鞍替え。テレビ局を失った日本プロレスは4月20日の群馬県吉井町体育館大会を最後に興行活動を停止。大木ら日本プロレスの残党9人は百田家の仲介で馬場の全日本プロレスに移籍するも、大木は73年一杯全日本プロレスに出場した後韓国に帰っており、その大木に新日本プロレスが声をかけた訳です。
放送席で大木は山崎正アナウンサーから「来週、福山での坂口選手との試合の意気込みはいかがですか?」と聞かれ、「坂口なんか頭突き6発で倒す。」と豪語しました。
リング上の坂口とSデストロイヤーの公式戦は大型パワーファイター同士の迫力ある攻防となりましたが8分22秒、坂口がカウンターの逆水平チョップからアトミック・ドロップを決めて片エビ固めで勝利。6戦4勝1敗1分。リングの上に銅谷志朗アナウンサーが上がり、坂口に勝利者インタビューを行いました。
銅谷アナが「さぁ、来週は福山で大木金太郎選手と対戦する訳ですが、大木選手は坂口さんを『頭突き6発で倒す』と言っていますが…」と振ったところで、それまで普通にインタビューを受けていた坂口の表情が一変、血相を変えて「誰がそんなことを言ってるんだ!」とエキサイト。
狼狽えた銅谷アナは「あそこで大木さんが…」と放送席の大木を指さしました。坂口は凄まじい勢いでリングを降りて行き、放送席の大木に襲いかかっていき、大木も坂口に頭突きを見舞って大乱闘となり、若手が必死に止めに入って収束。
坂口と大木はプロレスの「アングル」に個人の感情が複雑に入り乱れた真の遺恨試合として注目を集めることとなりました。
メインイベントは猪木とM齋藤の公式戦、東京プロレス時代の先輩後輩対決、M齋藤は猪木をアルゼンチン・バックブリーカーに担ぎ上げて揺さぶり、ブルドッキング・ヘッドロック、バックドロップと攻め立てました。テレビ生中継は試合途中で終了。試合は14分13秒、猪木が弓矢固め(ボーアンドアロー・バックブリーカー)でM齋藤からギブアップ勝ちを奪い、5戦4勝1敗と2連覇に向けて徐々に調子を上げてきています。
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