小橋建太引退記念興行が行われた翌日の13年5月12日プロレスリング・ノア、後楽園ホール昼興行は「方舟新章」として開催され、前日からの遠征組も多数来場し2,200人超満員発表の観客を動員。
「心に残るプロレス」をキャッチコピーに新たな船出をしています。
メインイベントはGHCヘビー級王者KENTAに杉浦貴が挑戦、32分33秒の激闘の末、go2sleepからの片エビ固めでKENTAがフォール勝ちし、2度目のタイトル防衛に成功。
セミファイナルに行われたGHCタッグ選手権試合ですが、同王座は同13年3月10日横浜文化体育館で新日本プロレスのCHAOS、矢野通&飯塚高史組が丸藤正道&杉浦貴組を破りベルト移動、新日本プロレスに流失していました。
この日、矢野&飯塚組に挑戦したのはノアに留学生として参戦したマイキー・ニコルス&シェイン・ヘイストのTMDK。ノアファンの熱い声援に後押しされたTMDKでしたが王者組の老獪な反則を織り交ぜた試合運びに翻弄され、矢野がシェインを鬼殺しからの片エビ固めで降して、矢野&飯塚組が初防衛を果たしています。
7月7日には有明コロシアム(観衆5,400人発表)大会を開催、メインイベントはKENTAに丸藤が挑戦したGHCヘビー級選手権試合、互いの負傷欠場で久しぶりの一騎討ちとなったノアの黄金カード「丸KEN対決」でしたが、売り時を逸した感があり、観客動員には大きく影響せず。
しかし試合内容には外れなし、36分42秒の大死闘を展開しKENTAがgo2sleepからの片エビ固めで勝利、3度目の王座防衛。
セミファイナルのGHCタッグ選手権試合は5月12日後楽園ホールと同一カード。マイキー&シェイン組のTMDKが新日本プロレスのCHAOS、矢野&飯塚組に再挑戦、シェインが飯塚をサンダーバレーからの片エビ固めでフォールしTMDKが王座奪取、ベルトをノアに戻しました。
07年に引退したSUWAはマスクマンの「マイバッハ谷口Jr.」としてリングに復帰、マイバッハ谷口と共にKENTA率いる「NO MERCY」に参戦していましたが、さらに「マイバッハSUWAJr.」がこの年に出現、その正体は闘龍門出身でハッスル、SMASH、WNCと渡り歩いてきた大原はじめでした。大原はフリー期間を経てノア所属となります。またK−DOJO所属だったクワイエット・ストームがノアに参戦しています。
12月7日有明コロシアム(観衆6,500人発表)ではノアの社長に就任以来、第一線から退いていた田上明が引退試合を行っています。
田上引退試合は全9試合中第5試合に組まれ、かつての歴代付き人だった森嶋猛&杉浦貴&平柳玄藩と組んで天龍源一郎(天龍プロジェクト)&藤波辰爾(ドラディション)&井上雅央(フリー)&志賀賢太郎(フリー)組と8人タッグマッチ60分1本勝負で対戦。
田上が引退試合で最後の大噴火だ。付き人三人衆のアシストを得て、最後は「俺が田上」で井上から勝利し、有終の美。たくさんの先輩・後輩レスラー、四天王時代をともに作った川田や小橋、そして家族たちに見守られて、10カウントゴングを聞き、25年にわたるレスラー生活の幕を閉じた。
田上自身にとっても久しぶりの試合出場。田上が最初にリングに入ったのは中盤戦。ここで初対となる藤波と激突。田上はいきなりノド輪落としを狙うも、これをこらえた藤波はドラゴンスクリューからの足4の字固めに捕獲。対戦時間は僅かでしたが緊張感のある攻防を繰り広げました。藤波以上に先輩としてキツい「餞別」を見せたのは天龍。田上の胸板が真っ赤になるほど逆水平チョップを連発していった。
苦しい展開を変えたのが付き人たち。平柳が井上に昇龍玄藩を見舞うと、森嶋はバックドロップ、杉浦はオリンピック予選スラムで続き、完璧なお膳立てをする。勝負を託された田上は、豪快なのど輪落としから最後は「俺が田上」から10分40秒、井上を体固めで破り「最後の田上火山噴火」で有終の美を飾りました。
試合後、付き人3人は田上と握手。田上は天龍と藤波を呼び止め、握手を交わした。田上ひとりがリングに残り、引退セレモニーへ移りました。
まずはビジョンに田上のこれまでの足跡が映し出される。故・ジャンボ鶴田とのタッグや川田との抗争、四天王時代の激闘、ノアで実現した対抗戦、歓喜のGHCヘビー級王座戴冠などの勇姿が場内に流された。
映像が終わると、花束・記念品の贈呈へ。GHCタイトル管理委員長のハーリー・レイス、田上にプロレスのコーチをしたザ・グレート・カブキ、ノア代表として丸藤がそれぞれ花束を渡す。その他、マスコミや関係者から記念品を贈呈すると、場内は大きな拍手に包まれました。
続いて「Holy War」が鳴り響くと、実況席で引退試合を見守っていた川田利明があえて花道を通らずリングイン。世界タッグ王座を獲得した時の写真パネルを田上に渡し、かつての名タッグがリングに並ぶ。さらに、「GRAND SWORD」のテーマ曲に乗って小橋建太が登場。幾度となく名勝負を繰り広げた小橋の手から花束が贈呈されでいます。
故・三沢光晴の写真パネルも持ち込まれ、一時代を築いた四天王がリング上で最後の揃い踏みを果たす。場内には「全日本プロレス中継」のテーマ曲だった「日本テレビスポーツのテーマ」が流されました
ここで場内暗転すると、ビジョンには95年6月9日全日本プロレスの日本武道館大会で行われた三沢&小橋組vs川田&田上組(世界タッグ選手権試合。この試合で、川田が三沢から初ピンフォール勝ちを挙げた)の激闘が映し出される。この試合を実況席で見守っていた解説の故・ジャイアント馬場の「試合そのものは素晴らしかったと思います。こんな試合見たことない。言葉になりませんよ」という賛辞が改めてフィーチャーされました。
小橋と川田がリングを降りると、続いて娘の菊乃さんと息子の豊さんがリングイン。菊乃さんが父に向けた手紙を朗読する。「リングに上がるお父さんを見られるのが最後になると思うと正直少し寂しいと思います」と素直な心境を語ると、父が試合や仕事で悩む姿をこれまで見つめてきたことを開かし、「たまには少しでもいいので、仕事の話をしてくださいね。こんな私でもお父さんの力になれると思います」とコメント。最後に「25年間、お疲れ様でした」といたわりの言葉をかけました。
最後に田上が挨拶。「私は本日をもって現役を引退します。ここまでこれたのも、皆さんのおかげだと思っております。今までご声援ありがとうございました」とファンにメッセージを送った。四方に深々と礼をすると、「タウエ」コールがこだまする。引退を告げるテンカウントゴングが打ち鳴らされると、大川リングアナが最後の選手コール。コールとともに、赤い紙テープがリングに投げ入れられました。
ノア所属選手や高山善廣がリングに入り記念撮影をすると、最後は胴上げで大円団。不器用ながらも、時代を生き抜いた田上は、大歓声を受けながら、笑顔でリングを後にしています。
試合後、バックステージで付き人たちや川田&小橋とともにコメントを出したが、ここでも「もう無理です(笑)」と田上節が飛び出し、周りを笑顔にした田上。最後に「今、一番やりたいこと」を問われると、「いや、別にあんまりしたいことはないね。家に帰って、横になりながら、酒でも飲みたいよ」と笑いを誘い、最後まで田上らしく飄々とした表情で引退試合を締めくくっています。
有明コロシアム大会メインイベントはKENTAのGHCヘビー級王座に新日本プロレスからの刺客・永田裕志が挑戦、KENTAがgo2sleepからの片エビ固めで9度目の防衛を果たしました。
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