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2025年04月12日07:13

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【特別編】マイティ井上さん追悼(79)

本日4月12日はマイティ井上さんのご存命であれば76歳の誕生日でした。本日は東京は巣鴨・闘道館で、大阪ではロフトプラスワンウェストにてミック博士の「昭和プロレス復活祭」の中でそれぞれ故人を追悼したイベントが開催されます。参加される方々も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

86年全日本プロレス「エキサイティング・ウォーズ」第6戦、3月1日秋田県立体育館(テレビ生中継、観衆3,600人発表大会)。

井上はサムソン冬木組と組んで剛竜馬&アポロ菅原組の国際血盟軍と対戦、という4人全員が国際プロレス出身という興味深いカードが組まれ、9分4秒、冬木が国際プロレスでは先輩で、共に全日本プロレスに入団した菅原を逆さ押さえ込みでフォールしています。このタイミングでこの組み合わせが実現したのは、実は意味深でした。

秋田では市立体育館(約4,000人収容)と県立体育館(約8,000収容)の両方が主に使われて来ましたが、今回はテレビ生中継とあってキャパの大きい県立体育館で勝負に出ましたが満員とはならず。

メインイベントはインターナショナル・タッグ王者チームの長州力&谷津嘉章組とラッシャー木村&阿修羅・原組がノンタイトルで対戦。両チームは前85年10月8日、徳島市立体育館で初対戦し両チームリングアウトの引き分け、11月23日、後楽園ホールでの最強タッグ公式戦では長州&谷津組の反則勝ちとなっており、完全決着はついていません。

谷津が原をコーナーに振りましたが、原は振られながらもセカンドロープに登って着地し、振り向きざま突進して来た谷津にダイビング・ラリアット、これで谷津が場外に転落。すかさず入って来た長州が原にリキラリアット。

原も場外に転落しそのまま4者入り乱れての乱闘となり8分28秒に両チームリングアウトの引き分けで3度目の対戦でも完全決着はつかず。R木村&原組は王者チームの長州&谷津組と引き分けたことで、次期シリーズ以降、タイトル挑戦のチャンスが巡って来ました。

セミファイナルは鶴田とタイガー・ジェット・シンのシングルマッチ。シンが鶴田に急所打ち。ダウンした鶴田は場外に転落、これを追うシン。そこへシンのセコンドについていた謎のインド人が鶴田を押さえ、シンがイス攻撃。3分53秒、鶴田の反則勝ちに終わりました。

謎のインド人は全日本プロレス側から正体については何の発表もありませんでしたが、おそらく前85年5月の「激震!サンダー・ウォーズ」に急遽参戦したダシラン・シンと同じようにシンが全日本プロレスのリングに上げようとして連れて来たレスラーかと思います。

招聘外国人枠を削らなければならない状況の馬場にしょっぱいことは想像に難くないシンの子分を受け入れる余裕はなかったでしょう。

セミ前に組まれたのは天龍源一郎とテリー・ゴディのシングルマッチ。ゴディが初来日した83年8月26日、後楽園ホールでの鶴田&天龍組vsスタン・ハンセン&ゴディ組のタッグマッチでゴディのパワーボムの前にフォール負けを喫した天龍はその時の悔しさから意地でパワーボムをマスターし、自分の得意技にしており、因縁浅らかぬ相手。

ゴディも3月10日仙台・宮城県スポーツセンターでの鶴田のインターナショナル・ヘビー級王座挑戦を前に天龍に勝っておきたいところです。試合は場外でゴディがバックドロップにいきましたが天龍がコーナーの鉄柱を蹴って、両者共倒れとなり、6分15秒、両者リングアウトのドローとなりました。

天龍の試合の前に行われた3月13日、日本武道館での全日本vsジャパン、7対7シングル全面対抗戦の公開抽選会では、既に対戦が決まっていた天龍と谷津が、それぞれ残り6選手の名前の書いたカードを持ってリングに登場。

ジャンケンで勝った天龍が先にカードを裏返しにして並べ、次いで谷津がそこへ同じように並べました。 

結果、馬場vs寺西勇、鶴田vsアニマル浜口、タイガーマスクvs長州、石川敬士vs小林邦昭、井上vsキラー・カーン、冬木vs栗栖正伸の6試合に決定しました。

その他、テレビ中継に入らなかった試合は馬場&石川&大熊元司組とハーリー・レイス&クラッシャー・ブラックウェル&ワンマン・ギャング組は5分9秒、ブラックウェルが大熊をフライング・ボディプレスからの体固めでフォール。

Kカーン&浜口組vsザ・グレート・カブキ&鶴見五郎組は僅か1分38秒、Kカーンが鶴見を「アルバトロス殺法」ダイビング・ダブルニードロップからの体固めに決めてジャパン軍団の勝利。このあたりは生中継ならではのやっつけ仕事な感じがしました。

タイガーマスク&ハル薗田組と小林邦&保永昇男組は11分39秒、両チームリングアウトの引き分けとなっております。

全日本対ジャパン、渕正信&百田義浩組と寺西&栗栖組は7分11秒、寺西がストマック・ブロック(相手を持ち上げて前向きに膝を胃袋に叩きつける大技、シュミット式バックブリーカーの『裏』のような感じ。同じ国際プロレス出身の井上も好んで使用)から百田義を体固めに決めてジャパン軍団に凱歌が上がっています。

第7戦、3月2日岩手県陸前高田市民体育館(観衆3,100人超満員発表)大会。

井上は前日と同じく冬木とタッグを組み、鶴見&菅原組という、4人共に国際プロレス出身というタッグマッチが組まれ、10分6秒、井上が国際プロレス崩壊後、一緒に全日本プロレスに連れてきた菅原をフォールしました。

前日の3月1日、秋田大会でも井上&冬木組vs剛&菅原組という国際プロレス出身者同士のタッグマッチが組まれ、2日連続国際プロレス出身者だけのタッグマッチが実現し、前段で「意味深」と書きましたが、この大会を以て国際血盟軍の剛、菅原、高杉正彦は全日本プロレスとの契約を解除され、この日が3選手のラスト全日本プロレスマッチとなった訳です。2日間連続の国際プロレス出身者同士のタッグマッチは惜別マッチでした。

ジャパンプロレス、国際血盟軍をレギュラーで抱え、大世帯に膨れ上がったものの、観客動員が倍増する訳でもなく、人件費削減からリストラされてしまいました。

3月31日で新日本プロレスとテレビ朝日の契約が満了になって4月から全日本プロレス参戦が解禁となるスーパー・ストロング・マシン、ヒロ斉藤、高野俊二のカルガリー・ハリケーンズが来ることも決まっており、馬場は苦渋の決断かと思われます。

国際プロレス出身者で全日本プロレス本隊に残り、ジャパンプロレス、国際血盟軍とは一線を画していた井上はかつて同じ釜の飯を食ったかつての同僚達をどんな思いで見送ったのでしょうか…。

メインイベントは久しぶりに馬場&鶴田&天龍組の全日本プロレス最強トリオが実現、レイス&ブラックウェル&ギャング組と対戦。シンがレイスと組むことはまずないので、このトリオが今シリーズ最強の外国人トリオと言えます。

試合は場外戦となり、鶴田がギャングを本部席の机に叩きつけて一足早くリングに上がり、10分3秒、鶴田がギャングにリングアウト勝ちで馬場&鶴田&天龍組がメインを勝利で飾っています。長州力らジャパン勢にメインを譲ることもしばしばありましたが、久々に全日本らしいメインイベントだったと言えるでしょう。 

セミファイナルは長州&浜口&寺西組とシン&R木村&原組の対戦。6人中4人が国際プロレス出身で長州とシンは新日本プロレスからの移籍組。純血のメインとは対象的。軽量の寺西が捕まり、6分21秒、シンがコブラクローで寺西を破っています。

セミ前に組まれたのは共闘戦線を張るゴディ&カブキ組がジャパンのKカーン&栗栖組と対戦。5分39秒、ゴディが栗栖をラリアットからの体固めに降しゴディ&カブキ組が完勝しています。

タイガーマスク&薗田組vs谷津&小林邦組の一戦は12分36秒、天龍戦が決まって意気上がる谷津が薗田をワンダー・スープレックス(フロント・スープレックス)からの片エビ固めでフォールしジャパン軍団の勝利。

石川と剛のシングルマッチは10分4秒、首固めで石川が丸め込んでのフォール勝ち。剛もこの試合が全日本プロレスラストマッチに。

保永と高杉のシングルマッチは7分51秒、回転エビ固めで保永の勝利。高杉はウルトラセブンとして82年7月に全日本プロレスへ外国人枠で初参戦。その後所属となりましたがメキシコ遠征から帰国した後は素顔で国際血盟軍としてファイト。これが全日本プロレスラストマッチになりました

セブンとしては82年7月9日熊本市体育館で大仁田厚のNWAインターナショナル・ジュニア・ヘビー級王座に挑戦したのと、翌83年5月26日静岡県天竜市(現在の浜松市天竜区)総合体育館で大仁田の負傷返上による同王座決定リーグ戦で優勝決定戦に進出、チャボ・ゲレロと対戦した(いずれも敗退)あたりがピークでした。

ジャパンプロレス期待の新星、馳浩は日本でデビュー戦を行うことなく2月24日新倉史裕と共にプエルトリコへ海外武者修行に出発しましたが、3月1日(現地時間)現地のカグアス・シティアリーナで前85年8月に全日本プロレスに初来日を果たしたミグエル(ミゲル)・ペレス・ジュニアとデビュー戦を行い、サイド・スープレックスからの体固めで勝利を飾りました。

シリーズ中盤戦最大のヤマ場、第8戦3月4日大阪城ホール(テレビ収録、観衆8,800人発表)大会。満員マークはつかず。16,000人収容の会場に半数に近い発表は厳しいものがありました。

井上は冬木とのタッグで小林邦&寺西組と対戦、10分42秒に両チームリングアウトの引き分け。

メインイベントは全日本対ジャパンタッグ頂上決戦第3ラウンド、新インターナショナル・タッグ王者チーム、長州&谷津組に前王者チーム、鶴田&天龍組が挑むリターンマッチが行われました。

谷津が鶴田の巨体をジャーマン・スープレックスホールド狙い。リフトアップを狙うも鶴田は腰を落として堪えます。そこへ天龍がカットに入って谷津に延髄斬り。谷津がこの一撃で場外に転落。すかさず長州が入って来て鶴田にリキラリアット。鶴田も場外に落ちて4人入り乱れての乱闘。24分27秒、試合権利のある谷津と鶴田が両者リングアウトの引き分けとなり、長州&谷津組が初防衛に成功しています。

鶴田&天龍組はリターンマッチに失敗。両チームの対戦成績は3戦1勝1敗1分となりました。

メインとセミファイナルは1月28日東京体育館大会と同一カード。セミはタイガーマスクとカブキによるシングルマッチの再戦。初戦ではタイガーマスクがカブキをジャーマン・スープレックスホールドでフォールの体勢に入るもサムソン冬木の乱入によりノーコンテストとなっています。

タイガーマスクはバックドロップでカブキを投げ、場外に落ちたカブキにハル薗田ばりのスライディング・キック。さらにエプロンからプランチャでダイブしましたが、リング下からカブキが待ち受けていたように毒霧を噴射。17分30秒、カブキの反則負けが取られています。

セミ前に組まれたのはKカーンとシンのシングルマッチ。両者は新日本プロレス時代の81年4月3日後楽園ホールで対戦、3分36秒、Kカーンが反則勝ちとなって以来約5年ぶりのシングルマッチ。Kカーンのロープに飛ばしてのクロスチョップがレフェリーに誤爆。5分57秒、Kカーンの反則負けで呆気ない幕切れとなりました。

馬場&大熊組とレイス&ギャング組は7分47秒、レイスがフライング・ラリアットから大熊を片エビ固めで降し、レイス&ギャング組の勝利。

石川&グレート小鹿組とゴディ&ブラックウェル組は5分13秒、ブラックウェルが180kgの体重を利したフライング・ボディプレスからの体固めで小鹿を圧殺し、ゴディ&ブラックウェル組の完勝に終わりました。このチームも本格的に組めばインターナショナル・タッグ王座への挑戦資格は十分にあるチームでした。

浜口&栗栖&仲野信市組のジャパン軍団と純血が3人だけになってしまった国際血盟軍のR木村&原&鶴見組の一戦は8分52秒、R木村が仲野をラッシング・ラリアットからの片エビ固め。人数が減少した国際血盟軍は生き残りを賭けた必死の闘いを展開していました。

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