84年12月4日は高松市民文化センターにおいて、長州力のジャパンプロレスがチャリティー興行として旗揚げ戦を行っています。
何故高松か?昭和新日本プロレスファンの方であれば高松市民文化センターがかなりの高確率でMSGシリーズやIWGPリーグ戦の日程に組み込まれ、且つ豪華カードが組まれて「ワールドプロレスリング」の中継も頻繁に行われていたのはご存知かと思います。
高松のプロモーターである瀬戸内プロ企画(植田巌代表)はジャパンプロレスの代表である大塚直樹が新日本プロレスの営業部長をしていた時に懇意だった先で、大塚が新日本プロレスから独立し、全日本プロレスと提携した際、ジャパンプロレスの前身である新日本プロレス興行設立の発起人の一人になっていたこともあり、瀬戸内プロ企画は全日本プロレスへと鞍替えをすることになります。
会場を押さえるのは通常半年位前であり、おそらく新日本プロレスの「第5回MSGタッグ・リーグ戦」用に借りていたかと思われます。
旗揚げ戦はチャリティー興行「〜プロローグ〜維新の夜明け」と題して行われ、3,500人(満員発表)の観客を動員しています。ジャパン所属選手は新日本プロレスの9月20日大阪府立体育会館以来75日ぶりの試合でした。
同日に全日本プロレスは福岡国際センターで「世界最強タッグ決定リーグ戦」の興行があり全日本プロレス勢は不参加。
試合数が少ない分、ファンの子供をリングに上げての騎馬戦などアトラクションが行われています。
第1試合は新倉史裕が若手の笹崎伸司を9分31秒、逆さ押さえ込みで破り、第2試合は寺西勇が仲野信市に6分22秒、ジャーマン・スープレックスホールドで勝利。
第3試合は小林邦昭が保永昇男を8分1秒、フィッシャーマンズ・スープレックスホールド(網打ち式原爆固め)で撃破。
セミファイナルは谷津嘉章、アニマル浜口組が永源遥、栗栖正伸組と対戦。谷津が栗栖を片エビ固め。
メインイベントは長州が謎の怪覆面Xとのシングルマッチ。長州は当初第1試合に出場した新倉と対戦すると発表されていましたが、カード変更されています。Xは赤のストロング・マシンマスクに赤のTシャツの下にプロテクターを装着。
タイツとシューズも赤で統一したまさにマシンのパロディーというか、マシンを小馬鹿にしたようなマスクマン。試合は僅か1分35秒で長州がサソリ固めによりレフェリーストップ勝ち。
Xはプロテクターで体型を誤魔化していましたがジャパンの所属選手にはいない体型で、その正体が取り沙汰されましたが、この日の全日本プロレスの福岡国際センター大会を欠場した渕正伸(正信)の変身であると言われています。
高松大会試合時間は第1〜セミファイナルまでが15分1本勝負、メインイベントは30分1本勝負でした。
渕は馬場から「行って来い」とマシンマスクとコスチューム一式を渡され、自分の地元である福岡大会を欠場させられて当日高松入りしたらしいです。
全日本プロレスのリングでは「世界最強タッグ決定リーグ戦」も終盤戦に向かうところ。第14戦、12月6日大分県立荷揚町体育館(観衆3,000人発表)大会ではマイティ井上はマジック・ドラゴンと組んでドリー・ファンク・ジュニア&テリー・ファンク組のザ・ファンクスと対戦。
1年3か月前に「涙の引退」をしたテリーの復帰にはファンは反対と歓迎ムードが交錯するかと思われましたが、そのどちらでもなく反応が薄かったです。試合は16分20秒、ドリーがMドラゴンをエビ固めで降しています。
第15戦の12月8日愛知県体育館(テレビ生中継、観衆9,000人満員発表)大会。この日は午後7時30分から日本テレビ「土曜トップスペシャル」の90分枠特番生中継されました。
新日本プロレスから移籍してきたダイナマイト・キッド&デイビーボーイ・スミス組は新日本プロレス及びテレビ朝日との契約関係がクリアされておらず、日本テレビへの登場は叶わず。
番組の冒頭はグレート小鹿とタイガー・ジェット・シンのシングルマッチから始まり、井上も生中継に登場、石川敬士と組んでハーリー・レイス&ニック・ボックウィンクル組と対戦、7分42秒、レイスが石川をブレーンバスター(バーティカル・スープレックス)からの体固めで破りました。
「全日本プロレス中継」がゴールデンタイムを外れてからの入団になりますので井上の試合が日本テレビで生中継されたのは78年11月25日蔵前国技館での国際プロレス「日本リーグ争覇戦」以来6年ぶりのことです。
セミ前でタイガーマスクがピラタ・モルガンを7分22秒タイガー・スープレックス'84で撃破するとセミとメインは公式戦です。
セミファイナルでは鶴田&天龍源一郎組と馬場&ラッシャー木村組の日本人対決、鶴田とR木村は78年11月の国際プロレスの「日本リーグ争覇戦」で6人タッグで3回対戦して以来6年ぶり。天龍とは77年12月の「世界オープン・タッグ選手権」以来7年ぶりとなります。
リング下には10月にR木村と共にUWFを退団した剛竜馬と外国人ヒールサイドで闘っている鶴見五郎が座りました。
R木村は天龍にラッシング・ラリアット2連発を決めたもののフォールせず鶴田と場外乱闘に。馬場がR木村を強引にリングへ戻したが、R木村はエプロンに上がってきた剛へ何やら耳打ちした後、馬場ヘ裏切りのラリアット。そこへ鶴見、剛が乱入R木村は試合を放棄して控え室へ帰ってしまい8分20秒に試合放棄で馬場&R木村組の負けとなりました。仲間割れした馬場とR木村は、残りのリーグ戦を棄権しています。
メインイベントはドリー&テリーのザ・ファンクスとスタン・ハンセン&ブルーザー・ブロディ組の公式戦。ハンセンのタックルでテリーがレフェリーのジョー樋口と共に場外に転落、その間にドリーへ2人がかりで攻撃を加える超獣コンビに対し、リング下からブロディのチェーンを持ち出したテリーはチェーンで超獣コンビを攻撃。制止に入った樋口、サブレフェリーのミスター林にも攻撃を加え18分42秒、ファンクスの反則負けが取られました。
全試合修了後、会場で観戦していた長州以下ジャパンプロレス勢が大挙してリングに上がり、全日本プロレス側も馬場、鶴田、天龍らがリングに再登場してジャパンプロレス軍と対峙。ジャパンプロレス軍はキッド&スミス同様、新日本プロレス、テレビ朝日との契約関係がクリアになっておらず、このシーンはCMが入り、番組のエンディングではカメラ思い切り引いた状態で一瞬だけ映されています。
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