84年全日本プロレス「スーパー・パワー・シリーズ」後半戦に行われた「世界最強ジュニア・タッグ決定リーグ戦」、マイティ井上はグラン浜田との全日本プロレス&UWA連合軍で参加しています。
第14戦の9月6日大阪府立体育会館(テレビ収録、観衆7,400人満員発表)では井上&浜田組は公式戦でベビー・フェイス&フィッシュマン組のメキシコUWA代表チームと対戦、10分9秒に浜田がフィッシュマンをウラカン・ラナ(前方高角度回転エビ固め)で破り、2戦2勝の4点。
この日は他に2大タイトルマッチが組まれています。メインイベントは鶴田のインターナショナル・ヘビー級王座に前王者ブルーザー・ブロディが挑戦、ブロディがキックで鶴田を場外に落とし手刀を連発、鶴田も反撃し場外での殴り合いが続き20分20秒、両者リングアウトの引き分けとなり、鶴田が9度目の王座防衛を果たしています。
セミファイナルは天龍源一郎にジム・ガービンが挑戦したUNヘビー級選手権試合、ガービンは80年10月新日本プロレスの「闘魂シリーズ」に初来日。その時は目立つ存在ではありませんでしたが女性マネージャー、プレシャスを伴っての来日で派手なパフォーマンスで注目を集めました。
試合は17分49秒、天龍がテキサス・クローバーホールドでガービンをギブアップさせ、6度目の防衛に成功しています。
伝説の名勝負として後世まで語り継がれている90年4月13日東京ドーム「日米レスリングサミット」でのランディ・サベージとの激闘はこのガービン戦での経験が大きくモノを言ったかと思います。
第15戦9月8日後楽園ホール(観衆2,500人発表)では優勝候補チーム同士の井上&浜田組vsチャボ&ヘクターのゲレロ兄弟の公式戦が組まれて30分時間切れ引き分け、井上&浜田組は3戦2勝1時間切れ引き分け5点。ゲレロ兄弟は4戦2勝1時間切れ引き分け1両リンで同じく5点で公式戦を終了。
第17戦9月10日埼玉県川越市初雁市民グラウンド特設リング(観衆3,700人満員発表)では公式戦最終試合となる井上&浜田組と大仁田厚&渕正伸(正信)組の一戦が行われました。
野外会場で試合中から雨が強くなり、両チームともレフェリーの制止を振り切って乱闘を続けた為、9分23秒、ノーコンテストの無得点試合となりました。
この結果により9月12日茨城県水戸市民体育館(テレビ収録、観衆4,000人満員発表)での優勝決定戦は5点同士の井上&浜田組とチャボ&ヘクターのゲレロ兄弟の対戦となりました。(60分1本勝負)
試合はゲレロ兄弟のラフ殺法の前に井上が額から流血、荒れた展開に。4選手入り乱れての乱闘になり、場外の浜田めがけてチャボがトペ、続いてへクターも攻撃しようとコーナーに上がりかけたところで、井上がヘクターのバックを取ってそのままジャーマン・スープレックスホールドを決め9分49秒、カウント3が入りました。
井上&浜田組が優勝し賞金500万円を獲得しています。
水戸大会のみNWA世界ヘビー級王者のリック・フレアーがワンマッチ参戦、挑戦者に選ばれたのはUNヘビー級王者の天龍。試合は60分3本勝負で行われ、1本目は13分44秒、天龍がパワーボム気味のドリルアホール・パイルドライバーから片エビ固め、2本目は8分6秒にフレアーが足4の字固め、決勝の3本目は5分38秒、フレアーがレフェリーのジョー樋口に手を出して反則負けとなり、2−1で天龍が勝ちましたがベルトの移動はなし。
「スーパー・パワー・シリーズ」は水戸が最終戦でしたがシリーズオフに日本プロレス界を揺るがす大事件が発生しました。
6月22日に全日本プロレスと元新日本プロレス営業部長だった大塚直樹が代表を務める新日本プロレス興行が業務提携。その提携興行第1弾が前回書いた8月26日田園コロシアム大会ということは前回書いた通りです。
全日本プロレスと新日本プロレス興行の提携を知った新日本プロレスの坂口征二副社長は7月8日「サマー・ファイト・シリーズ」後楽園ホールの控室で会見行い、怒りをあらわにし大塚社長に対し「ウチを取るか全日本を取るかはっきりしろ」と通告していました。
大塚は「ウチは新日本プロレスの子会社ではない。独立した会社だ。全日本さんだけではなく全日本女子プロレスさんの興行も買っている(84年4月1日後楽園ホールでのミミ萩原の引退興行を主催)、話があればどこの会社の興行でも買う。」と態度を硬化させています。
8月24日新日本プロレスの「ブラディ・ファイト・シリーズ」開幕戦の後楽園ホールで、新日本プロレスは新日本プロレス興行の大塚代表に対し、「全日本プロレスとの提携を解消しなければ、新日本プロレスは9月末日をもって新日本プロレス興行との契約を打ち切る。」という通告書を手渡しました。(この日は新日本プロレス興行の主催興行だった)
8月27日新日本プロレス興行代表の大塚は、東京・恵比寿の新日本プロレス興行本社事務所で記者会見を行い、「新日本プロレスとは絶縁し、今後は全日本プロレスに全面協力していく。レスラープロダクションを作り新たな方式の興行を考えているので、新日本プロレスの猪木以外の全選手に声をかける。」と引き抜き宣言。
折しも新日本プロレスのリングでは長州力率いる維新軍の解体が進められており、9月18日愛知県江南市民体育会館では正規軍対維新軍最終決戦として猪木&藤波辰巳&木村健吾組と長州&アニマル浜口&谷津嘉章組の6人タッグマッチが行われ、13分13秒、長州が木村健を首固めでフォール勝ちを収めました。
シリーズ最終戦の9月20日大阪府立体育会館では長州&谷津組はロジャー・スミス&トニー・セントクレアー組と対戦、7分51秒、長州がリキラリアートからの体固めでセントクレアーを破っています。
同日夜に新日本プロレスの大阪での常宿である「ホテル南海」でマスコミ非公開で正規軍、維新軍合同での打ち上げが行われ、シリーズ終了後、長州と谷津はアメリカのWWFのサーキットに入ることになっていました。
しかし翌9月21日長州、浜口、谷津、小林邦昭、寺西勇の5選手は新日本プロレス本隊とは別行動を取り、新幹線で東京へ移動。
東京・永田町のキャピタル東急ホテルで記者会見が行われ、5選手の新日本プロレス興行の役員就任と新日本プロレス退団を発表しました。
続いて9月25日新日本プロレス興行は同じキャピタル東急ホテルで記者会見を行い、永源遥、栗栖正伸、保永昇男、新倉史祐、仲野信市の5選手の新日本プロレス興行入りを発表。27日にはキラー・カーンの新日興行入りを発表しています。
これにより井上は国際プロレス崩壊後、袂を分かった浜口、寺西とリングで相対することになる訳です。
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