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2024年12月24日11:27

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【特別編】マイティ井上さん追悼(26)

マイティ井上入団3年目となった83年の全日本プロレスは1月2日後楽園ホールで開幕の「新春ジャイアント・シリーズ」からスタート。

開幕戦では井上は石川敬士(隆士)と組んでミル・マスカラス&ウルトラセブン組と対戦、15分1秒、マスカラスが石川をエビ固めで降しています。他、メインイベントのスーパーヘビー級バトルロイヤルにも2年連続の出場。

第2戦の1月3日後楽園ホールではセミ前でマスカラスとシングルマッチ45分1本勝負で対戦、9分3秒、マスカラスのロープ越しの前方回転エビ固めで敗れました。

第3戦1月4日埼玉県本庄市民体育館で興味深い組み合わせが。前82年11月4日後楽園ホールでチャボ・ゲレロとのNWAインターナショナル・ジュニア・ヘビー級王座決定戦三番勝負を2勝1敗で勝ち越し王座に返り咲いた大仁田厚とタッグを組み、国際プロレス時代に激闘を展開したジプシー・ジョー&かつての後輩ウルトラセブン組とタッグマッチ30分1本勝負で対戦。

NWAインターナショナル・ジュニア・ヘビー級王座はタイトルの所管がNWAからPWFに委任され、ベルトもチャボ・ゲレロが新日本プロレスから持ってきたものは封印され、新たにPWFが所管するインターナショナル・ヘビー級、同タッグ王座と同じデザインのものに新調されています。

11分2秒、井上がセブンから片エビ固めで初の直接フォールを奪いました。

第6戦、1月9日大分県津久見市総合体育館では初来日のヘラクレス・ヘルナンデスと対戦。Hヘルナンデスは90年代前半にスコット・ノートンとの「ジュラシック・パワーズ」で新日本プロレスで活躍、WWFでもハーキュリーズとしてスーパースターとして出世します。7分48秒、片エビ固めで井上がフォール負けしています。

第13戦の1月17日愛知県半田市民ホールでは国際プロレス時代から因縁が深くIWA世界タッグ王座を争ったキラー・トーア・カマタと移籍後初対戦、カマタは全日本プロレスの外国人レスラーの中ではシリーズの2〜4番手位の扱いであり、6分44秒、体固めであっさりフォール負けを献上、これは残念でした。

シリーズ最終戦は1月22日後楽園ホールで井上は越中詩郎とシングルマッチで対戦、10分38秒、片エビ固めでフォール勝ち。最終戦を白星で飾りました。

最終戦のメインイベントは馬場&鶴田組にタイガー・ジェット・シン&上田馬之助組が挑戦したインターナショナル・タッグ選手権試合60分1本勝負で、僅か7分18秒で鶴田と上田が両者リングアウトとなり、馬場&鶴田組が17度目のタイトル防衛を果たしましたが内容的には凡戦でした。

続く「エキサイト・シリーズ」は2月11日後楽園ホールで開幕。馬場は同日(日本時間12日)ミズーリ州セントルイス・チェッカードームで、前82年10月26日帯広市総合体育館でハーリー・レイスに奪われたPWFヘビー級王座に挑む為に渡米(13分4秒、ランニング・ネックブリーカードロップからの体固めでフォール勝ちに王座奪還に成功)、その後もアメリカに残った為、最終戦の3月3日後楽園ホールのみ出場、全日本プロレス旗揚げ以来初の「馬場抜きシリーズ」となっています。

シリーズの主役となったのは凱旋帰国の「東洋の神秘」ザ・グレート・カブキ。81年1月、「高千穂明久はミズーリ川に身を投げて死んだ」とペイントレスラー・カブキに変身、テキサス州ダラスのフリッツ・フォン・エリックのテリトリーでトップヒールとして活躍。

顔一面に施した不気味なペイント、試合中に吹き出す毒霧(グリーンミスト)で全米で大きな話題を集め、その試合ぶりは「ゴング」、「月刊プロレス」など専門誌で報じられ、ファンの間でも「カブキ待望論」が起きていました。 

日本人レスラーが凱旋帰国する時、海外でのギミックそのままでシリーズに出ることは極めて稀でした。

カブキに変身しての第1戦はジム・デュランとのシングルマッチ45分1本勝負で入場時から場内暗転「ヤンキーステーション」のテーマ曲で入場、忍者コスチュームでヌンチャク廻しを披露し、忍者マスクを外すと黒を基調としたペイント。館内からは大歓声。試合はトラースキックからカブキがロープづたいに歩いて、倒れているデュランに正拳突き、5分58秒、片エビ固めでフォール勝ちしました。

井上は阿修羅・原と組んでグレート小鹿&大熊元司組の極道コンビと対戦し20分時間切れ引き分け。

井上の試合の一つ後の試合に出た佐藤昭雄は天龍源一郎と組んで上田馬之助&鶴見五郎組と対戦しましたが、この試合でコーナーポストからリングに落ちた際に頚椎を痛め、翌2月12日茨城県境町民体育館大会から欠場。

2月23日大阪・高石市臨海スポーツセンターで原&井上組との間で予定されていたアジア・タッグ防衛戦に出場できなくなった為、石川&佐藤組は王座を返上しています。

佐藤の返上で空位になったアジア・タッグ王座は高石大会で挑戦者に予定されていた原&井上組と元王者チームである小鹿&大熊組との間で王座決定戦が行われました。

ロープに振られた井上に対し、コーナーから小鹿が塩を顔面に投げつけ、倒れたところを大熊がフォール。しかしセコンドのアピールにより、判定が覆って極道コンビの反則が取られ17分12秒、原&井上組がタイトルを獲得。

国際プロレス最後のIWA世界タッグ王者チームだった原&井上組は全日本プロレス入団1年4か月で移籍後初タイトルホルダーとなっています。

2月25日愛知県体育館では3大スペシャルマッチが開催されました。鶴田は初来日の「野生の炎」トミー・リッチを15分41秒、バックドロップからの体固めで破り、UNヘビー級王座を初防衛。鶴田は前82年8月1日後楽園ホールでレイスに敗れ王座転落しましたが10月24日北海道立北見体育センターでレイスを打ち破り王座奪回を果たしていました。 

カブキはタイガー・ジェット・シンとシングルマッチで対戦し8分33秒、両者反則の引き分け。大仁田はドスカラスと10分15秒、両者リングアウトの引き分けでNWAインターナショナル・ジュニア・ヘビー級王座3度目の防衛に成功。

こちらの名古屋3大スペシャルマッチと2月11日セントルイスでのレイスvs馬場のPWFヘビー級選手権試合、リック・フレアーにブルーザー・ブロディが挑戦したNWA世界ヘビー級選手権試合が2月26日午後7時30分から日本テレビ「土曜トップスペシャル」で90分枠で放送され、79年4月のゴールデンタイム撤退以来、約4年ぶりに「全日本プロレス中継」のネット局から外れた地方の視聴者も見ることが出来、ファンを歓喜させました。

井上は名古屋大会では天龍とタッグを組み上田&鶴見組と対戦し7分35秒に反則勝ち。

3月1日秋田市立体育館で井上はリッチと初シングル対決、12分9秒、フライング・ボディシザースドロップからの体固めでフォール負け。

3月2日山形県体育館では2月23日大阪・高石大会での王座決定戦で勝敗を覆された小鹿&大熊組が判定を不服として原&井上組のアジア・タッグ王座に挑戦。16分10秒、井上が大熊を前方回転エビ固めに丸め込んでカウント3を奪い、原&井上組が初防衛。

シリーズ最終戦の3月3日後楽園ホールのみ馬場が出場、上田とシングルマッチ60分1本勝負で対戦、ジャンピング・アームブリーカーを6連発見舞い、16分3秒、レフェリーストップ勝ち。

最終戦は井上は原と組んでリッチ&ドスカラス組と対戦、11分1秒、リッチのフライング・ボディシザースドロップからの体固めで原がフォール負け。

3月25日埼玉県熊谷市民体育館で「グランド・チャンピオン・カーニバルPART�機廚�開幕。従来のリーグ戦形式の「チャンピオン・カーニバル」をリニューアル、タイトルマッチを中心とした構成に変更されました。

開幕戦で井上は日本陣営入りしたセブンとシングルマッチを行い12分28秒、ドリルアホール・パイルドライバーからの片エビ固めで快勝しています。

第6戦の3月30日千葉県松戸市運動公園体育館では前アジア・タッグ王者だった石川が欠場の佐藤に代わりロッキー羽田をパートナーに原&井上組のアジア・タッグ王座に挑戦。20分58秒、原が羽田を首固めでフォールし、2度目の防衛。

第8戦4月1日千葉県市原市臨海体育館では初来日のミズーリ州ヘビー級王者ケリー・フォン・エリックとの一騎討ち。11分40秒、タイガークローからの体固めでフォール負けしました。

第20戦、井上の地元、4月14日大阪府立体育会館では復帰した佐藤が石川とのタッグで原&井上組のアジア・タッグ王座に挑戦。21分3秒、原と佐藤が両者リングアウトとなりましたが、両チームとも納得がいかず10分間の延長戦を敢行、5分57秒、井上が佐藤のロープ越しのブレーンバスターを空中でかわしてバックに廻り鮮やかな後方回転エビに決めフォール勝ち。原&井上組が3度目の防衛を果たしました。

第25戦の4月20日東京体育館でこの日は4大決戦が組まれ、メインイベントはドリー・ファンク・ジュニア&テリー・ファンク組とスタン・ハンセン&ブロディ組による世界最強タッグ戦リマッチ公式戦1回戦45分1本勝負。この2チームに馬場&鶴田組を加えた3チームによる2回総当たりリーグ戦で、13分55秒、ブロディがテリーにリングアウト勝ち。

馬場はレイスと11分24秒、両者リングアウトの引き分けでPWFヘビー級王座を初防衛。

大仁田はヘクター・ゲレロとNWAインターナショナル・ジュニア・ヘビー級王座防衛戦を行い、8分45秒、ジャーマン・スープレックスホールドで6度目の防衛をしましたが、試合後にリングから飛び降りようとした大仁田は着地を誤り左膝膝蓋骨骨折という重傷を負ってしまいました。

鶴田と天龍がエキシビションマッチ30分1本勝負で対戦し時間切れ引き分け。

井上は石川と組んでセブン&三沢光晴組と対戦して15分12秒、石川が三沢を体固めで降しています。

第27戦の4月22日札幌中島体育センターでは特別レフェリーとして来日したルー・テーズの冠をつけた「ルー・テーズ杯争奪リーグ戦」の優勝決定戦が行われ、13分36秒、越中が三沢を回転エビ固めで破り優勝。海外武者修行の切符を手にしました。

国際プロレスでも同じ名前のリーグ戦がありましたが、全日本プロレスの方は若手の登竜門のリーグ戦でした。

第29戦、4月24日国際プロレスとも縁の深い埼玉県大宮スケートセンターで井上は因縁のジョーと移籍後初のシングル対決。75年9月7日国際プロレス後楽園ホールでのジョーの初来日の相手が井上でした。試合は11分12秒、井上の反則勝ちに終わっています。

シリーズ最終戦4月28日京都府立体育館ではハンセン&ブロディ組vs馬場&鶴田組による世界最強タッグ戦リマッチ最終公式戦が行われ、13分9秒、ハンセンがウェスタンラリアットからの体固めで鶴田をフォールし最多得点で超獣コンビが優勝しています。

井上は越中を10分50秒、回転エビ固めで降し最終戦を勝利で飾りました。
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