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2023年01月26日22:20

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週プロ流智美あの日あの時予想2021年総括(18)

第184戦、5月7日発売号●【予想】アブドーラ・ザ・ブッチャー、新日本プロレス移籍発表(81年新日本プロレス新宿・京王プラザホテル)【正解】猪木、左肩負傷により第3回ワールド・リーグ戦優勝決定戦出場を辞退。

GW編成でこの週の水曜日は5月5日のこどもの日に当たり、発売は5月7日の金曜日に変更されました。

【予想解説】81年「第4回MSGシリーズ」開幕戦である5月8日、川崎市体育館に全日本プロレスのトップヒール外国人レスラーだったブッチャーが白いジャケット、黒のズボンにサングラス姿で登場、新日本プロレスへの殴り込みを宣言しIWGP参加(結局実現はせず)を表明したのは有名な名シーンで、「あの日あの時」でも採り上げられています。

しかし、ブッチャーの新日本プロレスへの移籍は、全日本プロレスに移籍したタイガー・ジェット・シン、スタン・ハンセンとは違い、何の前触れもなく突然乱入したのとは違い、開幕戦の前日、新宿・京王プラザホテルのコンコルドボールルームで行われた「第4回MSGシリーズ」前夜祭レセプションの席上で新間寿営業本部長から発表されました。

「第4回MSGシリーズ」はアンドレ・ザ・ジャイアントが来日直前のニューヨーク州ロチェスターでのキラー・カーンとの試合で右足を骨折し来日不能になりましたが、ハンセン、ハルク・ホーガン、ボビー・ダンカン、サージェント・スローター、クリス・アダムス、マイク・マスターズ(ロッキー・ジョーンズ)の外国人レスラーが参戦しレセプションに参加。

当初来日が発表されていたトニー・アトラスは来日前に引退を表明(すぐに復帰)し来日キャンセルとなり、アンドレの代打としてシンが5月12日の名取市民体育館より参加が決定しましたが、レセプションには間に合っていません。

新間は「全日本プロレスのトップ外国人レスラーであるアブドーラ・ザ・ブッチャー選手がIWGPの趣旨に共鳴し、新日本プロレスのリングに登場することになりました」とマイクで意気軒昴にアピールしています。

翌5月8日発行の朝刊「デイリースポーツ」で「ブッチャー、新日本プロレスヘ移籍、IWGPに参加」と報じられました。

ブッチャーに去られた馬場の談話も掲載されています。「行くと言っているものは仕方がない。だがこのような形で業界のルール平然と破られるのは良くないこと」とコメントしています。

5月9日付(8日発行)の「東京スポーツ」ではさらに詳しく書かれており、レセプションの模様と併せて報じられています。

ブッチャーは4月30日、全日本プロレス「インター・チャンピオン・シリーズ」最終戦、松戸市運動公園体育館大会に参加後、飛行機で一旦ロサンゼルスヘ立ち寄り、契約の為に渡米した新間と通訳のケン田島と合流してサインに応じ、その後自宅のあるジョージア州アトランタに戻り、再来日、5月8日、新日本プロレスの川崎市体育館に登場、テレビ生中継の中、「吹けよ風、呼べよ嵐」のお馴染みの入場テーマ曲に乗って登場、猪木に宣戦布告を果たします。

【正解解説】76年新日本プロレス「第3回ワールド・リーグ戦」は新日本プロレス初参加となるペドロ・モラレスを初め、キラー・カール・クラップ、ビクター・リベラ、タワーリング・インフェルノ(スーパー・デストロイヤー、ザ・ハングマンのネイル・グアイ)、ブッチャー・バション、ケン・マンテル、ラウル・マタという外国人レスラーが参加。

「東高西低」と言われ、外国人レスラーが弱いと指摘されていた新日本プロレス版ワールド・リーグ戦ですが、この年は元WWWFヘビー級王者モラレスの初参加とあって日本プロレス時代のワールド・リーグ戦と比べて遜色ないメンバーが揃いました。

日本側は第1、2回優勝の猪木がシードされ、優勝決定戦のみ出場、坂口征二、ストロング小林、星野勘太郎、山本小鉄、木戸修、永源遙にフリーのマサ齋藤がエントリー。前年、坂口との遺恨試合でリーグ戦を盛り上げた大木金太郎は前75年10月に全日本プロレスに引き抜かれてしまい不参加。

6月26日、日本武道館でモハメド・アリとの「格闘技世界一決定戦」が控えていたので仕方ない部分はありましたが、猪木が公式戦に参加しないことでリーグ戦の優勝争いへの興味は激減してしまいました。

前々回の本連載(16)で書いた通り、第1、2回ともに不本意な結末で優勝決定戦進出成らなかった坂口は、今年は何としてもリーグ戦を1位通過で抜けて猪木と対戦したかったところでしたが、開幕戦の4月2日、川崎市体育館で苦手のクラップにフォール負け、4月6日、新潟県五泉市民会館では安全パイと思われたBバションにクラップの乱入はあったものの、リングアウト負けと連敗でリーグ戦をスタート。

その後持ち直したものの、4月23日、岡山武道館でモラレスのコーナーポスト最上段からのダイビング・ローリングクラッチホールドに敗れ絶望の3敗目を記録。

「打倒・猪木を諦めず、猪木を内側から研究するために」新日本プロレスに入団したS小林は入団した1年目の75年は鳴かず飛ばずでしたが、優勝決定戦に出られれば待望の猪木戦が実現します。

6連勝までは快調に来ましたが4月26日、大分県営体育館でクラップ、4月30日北九州市小倉区三萩野体育館では伏兵リベラの後方回転エビ固めに敗れ、5月1日、熊本市体育館でモラレスにも敗れこちらも3敗。

過去2回準優勝のクラップですが、3年連続参加で手の内を読まれて来たか、坂口、S小林には勝ったものの、4月29日、佐賀スポーツセンターでは星野勘太郎の回転エビ固めに敗れ金星を献上、5月5日、福岡スポーツセンターでM齋藤にリングアウト負けを喫して2敗と微妙なライン。

予想以上に健闘しているのがリベラで、坂口、クラップ、モラレスに敗れた3敗でした。

ただ1人全勝だったのがモラレスで、3連敗でもしない限りは優勝決定戦で猪木と対戦するのは確実でしたが、5月7日、高松市民文化センターのテレビ生中継で優勝の行方を覆す異変が起きています。

猪木はセミ前で星野と組んでリベラ&マタ組と対戦、試合中にクラップが角材の棒状の凶器を持って乱入、猪木を襲撃、以前より痛めていた左肩を攻撃されて猪木は場外でダウン、試合は12分21秒、日本組の反則勝ちとなりました。

若手に担がれて退場した猪木は控室で左肩のダメージが強く、ワールド・リーグ戦の優勝決定戦出場を辞退すると発表。控室からレポートが入り、テレビ生中継で全国の視聴者に伝わりました。

これにより、優勝決定戦はリーグ戦得点上位2名による争いとなりました。

高松大会セミファイナルはモラレスとクラップの外国人頂上対決、激情型のモラレスは猪木との対戦をぶち壊された怒りからクラップの額を鉄柱に叩きつけて流血させ、6分49秒、後方回転エビ固めでモラレスが勝ち全勝、クラップは3敗。

メインイベントは坂口とS小林の1年1か月ぶりの公式戦対決、猪木の棄権で坂口にも優勝のチャンスが到来、11分4秒、ブレーンバスターからの体固めでS小林を破って3敗をキープ、S小林は4敗となり脱落しました。

結局、リーグ戦は1位が13戦全勝のモラレス、2位には10勝3敗で坂口、クラップ、リベラの3選手が並びました。

5月10日、仙台・宮城県スポーツセンターで2位の3選手による巴戦(先に2勝した選手の勝ち)で決勝進出者決定戦が行われることになりました。

第1試合はクラップがリベラを12分6秒、ブレーンクローで破り、第2試合の坂口とリベラは8分57秒、逆片エビ固めで坂口がギブアップ勝ちし、リベラがまず脱落。

リベラが逆片エビ固めでギブアップしたその瞬間、クラップが技を解いていない状態の坂口を襲撃、鉄柱攻撃で坂口は左眼の上あたりから大流血。流血した頭部にクラップのブレーンクローが食い込んで坂口の出血の量が酷くなりましたが、坂口は気力を振り絞って6分12秒、ロープ越しのブレーンバスターからの体固めで難敵クラップからフォール勝ち、2勝を挙げて優勝決定戦進出の権利を手に入れました。

翌5月11日、東京体育館での優勝決定戦は1位モラレスvs2位坂口の一戦、前夜のクラップ戦で負傷した頭部の傷口が開いて坂口は連日の流血戦。25分38秒、コーナーポスト最上段からの攻撃を狙うモラレスをエプロンから場外めがけデッドリードライブで投げ捨て、モラレスは腰を場外マットに強く打ち付けて立てず、リングアウト勝ちで坂口が初優勝を果たしています。

※対戦成績は184戦36勝148敗、勝率196。
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