76年新日本プロレス「闘魂シリーズ」参加外国人レスラープロフィールの最終回。ブラックジャック・モースは本名ランディ・リー・モース。1952年5月13日、コロラド州デンバー出身の当時24歳の新鋭。
前歴は謎の部分が多いですが、身長198cm、体重130kgのバランスの取れた巨体を持ち、将来を嘱望されました。アメリカではオレゴン州、ハワイを中心に活躍。
初来日と思われましたが、何と前75年8月、全日本プロレスの「サマー・アクション・シリーズ」にマスクマンの「本物」のブラック・デビルとして初来日。Bデビルと名乗るマスクマンは5月の「ブラック・パワー・シリーズ」に来日し、5月27日、広島県立体育館でザ・デストロイヤーの覆面世界一決定戦十番勝負第7戦(PWF認定USヘビー級選手権試合)で対戦、2−1で敗れ試合後デストロイヤーにマスクを剥がされましたが、中身はプロフィール写真とは全然違う小柄なプエルトリカン、“サイクロン“マヌエル・ソト。
馬場はBデビルは「偽者」としてPWF本部に第7戦の無効を主張、デストロイヤーは次の「サマー・アクション・シリーズ」に来日したザ・スピリット(キラー・カール・コックス)と第7戦をやり直し、7月9日、大阪府立体育会館では1−1からの3本目、凶器入りの頭突きからエビ固めでフォールを奪われました。しかしフォールの際、スピリットは両足をロープに掛けて体重を乗せており明らかな反則。
リング下にいたサブレフェリーのジェリー・マードックがこれを見逃さず、フォールの無効を宣言。勝ち誇ったスピリットは本部席に置いてあったUSヘビー級のベルトを持って控室へ引き揚げようとしました。レフェリーがカウント10を数えましたがスピリットはこれを無視して控室に帰ってしまい、試合放棄でデストロイヤーがスッキリしない勝利となりました。
収まりのつかない両者は7月25日、日大講堂で再戦。1−1からの3本目、凶器入り頭突きを執拗に繰り出すスピリットにデストロイヤーのセコンドの鶴田がスピリットの足を引っ張ってこれを阻止。鶴田に気を取られていたスピリットの背後に廻ったデストロイヤーがエビ固めで押さえ込んでカウント3を奪って、快勝には程遠い勝利。デストロイヤーは第7戦を都合3回闘い、ようやくクリア。
その後第8戦の相手としてやって来たのが「本物」のBデビル。来日したBデビルは2mの巨人レスラー。(当初の全日本プロレスからのリリースではBデビルは187cm、112Kg)シリーズ開幕戦の8月16日、世田谷区総合体育館でまず両者は前哨戦としてシングルマッチ30分1本勝負で対戦。場外でデストロイヤーをネックハンギングに捕らえたBデビルはネックハンギングをかけたまま、デストロイヤーの後頭部を鉄柱に叩きつけ、40秒で両者リングアウトとなりました。
本番の覆面十番勝負第8戦は8月19 日、札幌中島スポーツセンターで行われ、1本目は9分46秒、デストロイヤーが体固め、2本目は5分46秒、Bデビルが体固め、決勝の3本目は1分57秒、デストロイヤーが体固めで取り2−1でデストロイヤーがあっさりと勝利を収めています。
その後は馬場、鶴田には負け、サンダー杉山には両者リングアウトと負け、グレート小鹿、サムソン・クツワダ、大熊元司ら中堅どころには勝ちという成績で帰国しました。Bデビルも本人が望んだキャラクターではなかったろうと思われ、心機一転素顔での日本再デビューとなり、大型だけに猪木、坂口征二、ストロング小林のビッグ3との対戦は大いに楽しみで、後半戦には「世界の大巨人」アンドレ・ザ・ジャイアントが来るだけに、アンドレとの巨人コンビでアンドレに引っ張ってもらって真価を発揮できるかも期待したいところです。
テリー・ルージは73年10〜12月の「闘魂シリーズ第2弾」以来約2年9か月ぶり2度目の来日。生年月日不詳、イギリス・ベッドフォードシャー出身。ウィガンのビリー・ライレー・ジムで鍛えたキャッチ・アズ・キャッチ・キャンのランカシャーレスリングの使い手でカール・ゴッチのブッキングで再来日。
前回、73年の「闘魂シリーズ第2弾」に一緒に来日したデーブ・モーガンの実弟とも言われています。地味ながら実力者であり、同タイプである木戸修、ヨーロッパスタイルにも対抗出来る星野勘太郎との対戦も楽しみ。
シリーズ日程も「アジア・リーグ戦」の不振を埋めようとするかのような大会場、地方主要会場が目白押し、9月3日、愛知県体育館では坂口&S小林組にスーパースター・ビリー・グラハム&イワン・コロフ組が挑戦する北米タッグ選手権試合を開催。9月10日はプロレス初使用の東京・品川スポーツランド(後の品川プリンスホテル・アイスアリーナ)、9月17日、盛岡・岩手県営体育館、9月24日、札幌中島スポーツセンター、10月6日、大阪府立体育会館、シリーズ最終戦、10月7日、蔵前国技館では猪木vsアンドレの「格闘技世界一決定戦」が行われます。
全日本プロレスとの興行戦争ですが、全日本プロレスは新日本プロレスより2週間早く8月14日、埼玉県熊谷市民体育館から「ブラック・パワー・シリーズ」が開幕、9月9日、大阪府立体育会館で閉幕。2週間のオフを経て9月24日、埼玉県大宮スケートセンター〜10月28日、蔵前国技館まで「ジャイアント・シリーズ」を開催。
盛岡・岩手県営体育館が新日本が9月17日、全日本が9月30日。大阪は新日本が10月6日府立、全日本は10月10日、千里中央万博記念公園お祭り広場。蔵前が新日本が10月7日、全日本が10月28日。全日本プロレスは「ブラック・パワー・シリーズ」がボボ・ブラジル、「ジャイアント・シリーズ」が興行の切り札アブドーラ・ザ・ブッチャー投入で真っ向勝負となります。
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