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2022年03月26日07:09

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ストロング小林さん追悼(79)

73年国際プロレス「ビッグ・サマー・シリーズ」7月9日、大阪府立体育会館(テレビ収録、観衆4,500人発表)大会で初の日本人同門対決によるIWA世界ヘビー級選手権試合、ストロング小林とラッシャー木村の一戦が行われています。

当時のタブー的な日本人同門対決を持ってきても満員にはならず。通常は3,000人発表が多い国際の府立ですが切り札を使って1.5倍の4,500人は厳しい数字。4月よりNETの放映が始まった新日本プロレスが6月14日に同所で猪木と初来日のタイガー・ジェット・シンのシングルマッチ時間無制限1本勝負(猪木の反則勝ち)で7,900人(超満員発表)の観客を動員していることを考えれば、前回書いたように因縁作りや宣伝が下手だなぁと思わざるを得ません。

先に挑戦者の木村が入場、水色に唐獅子の絵が描かれたガウン、次いで王者小林が入場、薄いオレンジに波が描かれたガウン。立会人は吉原功社長。小林のセコンドは田中忠治、稲妻二郎、木村のセコンドには寺西勇、大磯武、栄勇。レフェリーは阿部脩、試合は61分3本勝負。

両者ガッチリ握手をかわし1本目のゴング。静かなスタート、お互いにロープに飛ぶ。ロックアップするもすぐに離れます。木村が先手を取ってのヘッドロック、これを力で外そうとする小林。小林は木村をロープに飛ばしてタックル、木村は再びヘッドロックから首投げでグラウンドへ。立ち上がってのヘッドロック。小林は切り返してのサーフボードホールド。木村を倒してグラウンドでもサーフボードを決めていきます。

小林はこの体勢から頭をつけてのマンチュリアンホールド、木村のバックを取って倒し、バーン・ガニアばりのクルスフィックス。両足で木村の腕と肩を固定し、腕で木村の右腕を固めてのチキンウィング。うつ伏せになっている木村の顔面を、両足でマットに擦りつけ、左足で木村の後頭部を攻撃。

徐々に体勢を起こして立ち上がる木村。小林も足に力を入れて返していく、再びグラウンドへ。木村の頭部を足で固定して再度チキンウィングで腕を固めに。今度は木村が仰向けになって立ち上がりますが小林は木村のバックからグラウンドコブラツイスト。グラウンドでは小林が優勢ですが両者力強い見応えのある攻防です。

ようやく木村はロープエスケープ、小林は再度木村のバックに回るとフルネルソンから引き倒してまたもグラウンドでボディシザース、ボディシザースドロップで木村の臀部をマットに叩きつけていきました。

木村はボディシザースを掛けられながら体勢を入れ換えて上になり小林の胸板にバックハンドチョップを連打、これを小林は下になりながら足に力を入れてシザースでお返し。木村は小林にチョップを叩き込んでボディシザースを外しました。チョップの連打。

木村はクロスチョップからフォールヘ、小林はカウント1で返す。木村は首投げから首4の字固め。小林は上体を起こして裏返しに。木村は首4の字を掛けながら小林の前頭部をマットに打ち付けていきます。再び仰向けに。小林は木村の足が強くないと知っており、身体を回転させて木村をうつ伏せにし、木村の背中の上でクルッと前方回転して脱出に成功しました。

両者リング中央でスタンドの状態で睨み合い、木村はナックルパンチの構え、小林は「木村はパンチを使おうとしている」と安倍レフェリーにアピール、次の瞬間、激しい殴り合い。木村は張り手、小林はパンチ攻撃、木村は小林の顔面を両手で掻きむしるサミング攻撃。小林はダウン。木村はロープに飛ばしてのクロスチョップから欧州遠征で習得したダブルアーム・スープレックス、フォールの体勢へ。カウント3が入り、18分11秒、木村が体固めで1本目を先制しました。

2本目のゴング。小林は1本目の木村のサミングを反則だとアピールします。しばしリング中央で睨み合い、小林、木村共にスロースターターだけに両者仕掛けは遅い。手四つの体勢から小林は木村のボディにトーキック、木村ダウン。小林はニードロップ、エルボードロップを叩き込んでからのネックブリーカードロップ、フォールにいくもカウント2で木村は返す。

小林はフロントヘッドロックから立ち上がっての首投げ、ニードロップ。そして木村の125kgの巨体を一気に持ち上げてのブレーンバスターから体固め。カウントはやや微妙で木村が2で返したようにも見えましたが、阿部レフェリーは「3つ入った」と小林の手を上げて2分6秒、小林が2本目を返して1−1のイーブンとなりました。

決勝の3本目、小林が木村をコーナーに詰めてのショルダータックルの連発。エルボーをボディに入れてからボディスラム、ロープに飛んでのジャンピング・エルボードロップにいきましたが、これは目測を大きく誤って自爆。

立ち上がった木村は小林の髪の毛を掴んで引き起こします。小林は下から木村のボディにパンチを入れますが効果なく木村は小林の頭部を両の太腿に挟んでのドリルアホール・パイルドライバーからフォール。小林はカウント2で返す。木村はビル・ロビンソン式のショルダー・ネックブリーカードロップ、これもカウント2で返す小林、小林は強引に逆さ押さえ込みにいきましたが木村もカウント2でクリア。

小林は木村の首筋にニー、背中にパンチそしてこの日2度目のブレーンバスターからフォールヘ。これは木村も意地で返します。木村も反撃、キック、バックハンドチョップ、小林もパンチで返し打撃の応酬、小林は自らロープに飛んでのタックル、両者ダウン、冷房のない昔の府立はテレビライトで40℃近い暑さで両者共スタミナはかなり消耗しています。

ロープ際で小林は木村を担ぎ上げてバックドロップ、しかしこれは投げられる時に木村がロープを蹴って共倒れ。一足早く立った木村がロープに飛んでのフライング・ボディプレス、これは小林がかわし、エルボードロップからもう一度木村を抱え上げてリング中央でバックドロップ、すかさず押さえ込んで6分12秒、カウント3が入り、体固めで小林が勝利。2−1で24度目の王座防衛に成功しています。

両者ガッチリ握手、負けた木村は小林の手を上げて互いに健闘を讃え、初の日本人同門同士のIWA世界戦は清々しく終わりました。

試合終了後、放送席に小林が座り、実況の新村尚久アナウンサーのインタビューを受けました。新村アナ「24回目の防衛おめでとうございます。今の心境はどんなもんでしょうか?」小林「耳がガンガンしてね、(木村の)最初の張り手で頭が変なんですよね。」新村アナ「今日のタイトルマッチなんですが、試合前は『今日の試合はやりにくい』と言われていましたが、まぁ、それが実感なんでしょうけれども、試合前はどんな心境でしたか?」小林「はい、試合前はですね、今日試合が来ちゃったら別に変わりなかったですよ。」

新村アナ「試合前にね、小林さんが今日はリラックスしているように見えたんですが、今回はむしろ(先輩である)『木村選手とやるんじゃない』と自分に言い聞かせているように思えたんですよ。」小林「いや、そんなことはないです。やっぱりね、自分の胸の中ではね、リラックス出来た、というのとは違うんですよ。」

新村アナ「表面と内心とでは違った訳ですね。さて、リングに上がった時に木村選手が向こうにいました。その時の小林選手の心境はいかがなものでしたでしょうか?」小林「そうですね。これはもう何ていうかね、ちょっと口では言い表せない気持ちでしたね。」

新村アナ「やはり、まぁ簡単に言ってしまえば複雑だったということですね。」小林「そうですね。」新村アナ「さあ、そして試合中なんですけれどもね、最初はグラウンドレスリングが多かったですね。」小林「はいはいはい。」

新村アナ「小林さんがね、最初クルスフィックスとかボディシザースで攻めていったのは木村選手のスタミナを奪ってという作戦だったと思いますが、そのへんはどうですか?」小林「はいはい、そうですね。」

新村アナ「特別に対木村作戦というのは考えましたですか?」小林「はい、特別にこれといったのはないですね。僕は木村さんの試合を普段、控室で見ていますしね、木村さんのいいところ、悪いところを見てますしね。」

新村アナ「特別に対木村戦ということは考えてなかった?」小林「いや、自分では考えてましたけどね。ただそれを自分の口から言ったらね、変なアレになるのでね…。」

小林は放送席に解説者として座っていた吉原社長に気を使って、余計なことは言わないようにしていたと思います。(勝利者インタビューの続きは次回お送り致します。)
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