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2021年01月17日21:23

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週プロ流智美あの日あの時予想2020年総括(11)

第127戦 3月18日発売号○NWF世界ヘビー級選手権試合、猪木vsジョニー・パワーズ(76年新日本プロレス蔵前国技館)【参考】2015年3月18日発売号は坂口征二、2年に及ぶアメリカ修行から帰国(69年日本プロレス)

【解説】1か月ぶりの白星。パワーズは66年10月、猪木、豊登が旗揚げした東京プロレスに初来日、70年に元WWWF地区のプロモーター、ペトロ・マルチネスと共同オーナーとなり新団体「NWF」をニューヨーク州バファローで旗揚げ。オーナー兼トップレスラーとして活躍していましたが、73年9月、旗揚げ2年目の新日本プロレスに来日。

73年12月10日には、東京体育館で猪木に敗れ、NWF世界ヘビー級王座を明け渡しました。カール・ゴッチが保持していた認定団体のない「実力世界一」の世界ヘビー級選手権を除き、新日本プロレスに初めて国際タイトルをもたらしたある意味「功労者」的存在でした。 

パワーズは「猪木と東京プロレス以来の7年間の遺恨を決着させる為にやって来た」と当時言っていましたが、パワーズが主宰していたNWFはバファローの他にオハイオ州クリーブランド、ミシガン州デトロイトでザ・シークの「ビッグタイムレスリング」と協力関係にあり、五大湖地区とカナダをテリトリーとしていました。

坂口が日本プロレス時代、デトロイトを中心とした五大湖地区で修行をしており、坂口のマネージャーをしていたジョージ・カノンを通してパワーズのNWFと繋がったものでした。

ミスター高橋レフェリーによる「流血の魔術、最強の演技」(講談社01年刊)によれば、経営不振に陥っていたNWFをクローズさせるべく、パワーズが新日本プロレスにNWFのベルトを売却を打診、タイトルが欲しかった新日本プロレスと利害関係が一致しベルト売却の話が成立、猪木が王者となったとありますが、話の真偽はともかくとしてNWF世界ヘビー級王座獲得が翌74年からの新日本プロレスの大躍進に繋がったのは間違いないところです。

74年3月19日、蔵前国技館で元国際プロレスのエース、ストロング小林を退けて初防衛に成功した猪木は、アーニー・ラッド、タイガー・ジェット・シン(2回)、パワーズ、大木金太郎、ラッド、S小林、アンドレ・ザ・ジャイアントと9度の防衛に成功。

75年2月にはNWF本部のシン挑戦者指名に抗議してベルトを返上、シンとの王座決定戦に敗れ(このあたりは本連載の4、1月29日発売号をご参照頂けると幸甚です)、6月26日、蔵前国技館でシンを3度目の挑戦で破り王座奪回、ルー・テーズ、ビル・ロビンソンと75年中に2度の防衛戦を行いました。

明けて76年、猪木は「格闘技世界一決定戦」路線を邁進、2月6日、日本武道館ではミュンヘン五輪柔道重量級、無差別級金メダリスト、オランダのウィリエム・ルスカと対戦、20分35秒、バックドロップ3連発でTKO勝ちを収めました。

また、猪木は前75年からプロボクシングWBA、WBC統一世界ヘビー級王者、モハメド・アリとの対戦を交渉しており、76年2月24日付の「ロサンゼルス・ヘラルド・エグザミナー」紙に6月26日に東京でアリと猪木が闘うと報じられ、「世紀の一戦」の実現が決まったとの外電が入りました。唐突感はありましたが、新日本プロレス側はアリ側と水面下で継続的に折衝を続けていたものでした。

猪木はこれを受けて2月27日、「ビッグ・ファイト・シリーズ」後楽園ホールでのテレビ生中継で番組の冒頭、NETのインタビューに答えアリvs猪木戦は本決まりであると発表しています。

パワーズはこの日からシリーズに特別参加する予定でしたが飛行機トラブルで来日が1日遅れ、2月28日、愛知県体育館より特別参加。来日第1戦では猪木とタイトルマッチ前哨戦を行い、12分45秒に猪木の反則負けとなりました。

3月12日、高崎市体育館でのテレビ生中継で前哨戦第2ラウンドが行われ、16分47秒、パワーズは足8の字固め(パワーズロック)を決めたまま猪木がロープエスケープしても離さず、今度はパワーズの反則負け。

前哨戦は1反則勝ち1反則負けと五分だった両者のタイトルマッチはシリーズ最終戦の3月18日、蔵前国技館で実現。(60分3本勝負)この試合、猪木がパワーズに足4の字固めをかける奇襲を見せましたが、1本目は18分23秒、両者リングアウトで1−1。

決勝の3本目は5分3秒、猪木が卍固めでパワーズをギブアップさせて3度目の防衛を果たしています。

この試合がアリ戦前最後の防衛戦となり、猪木は次の「第3回ワールド・リーグ戦」はシード出場でしたが優勝決定戦を棄権、「ゴールデン・ファイト・シリーズ」はアリ戦に向けた特訓の為に序盤戦で欠場しており、アリとの対戦に全力を傾けることになりました。

※対戦成績は127戦26勝101敗、勝率205。
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