ライオネス飛鳥とのクラッシュ・ギャルズで一世を風靡したカリスマ、長与千種が94年8月25日に設立記者会見を行ったのが新団体「GAEA JAPAN」(以下ガイアジャパン表記)。
長与は89年5月6日、全日本女子プロレス横浜アリーナ大会で引退試合を行い、その後は女優業をしていましたが、リングへの情熱は捨てきれず93年4月2日、全女横浜アリーナでのオールスター戦でデビル雅美とのエキシビションマッチで復帰。94年からはJWPのリングにフリー参戦していました。
JWPの項でも書きましたが、ガイアジャパン旗揚げに際し、参加した既存の選手はKAORU、ボンバー光の3人のみ。後は一般募集にて新人の入門を募り、時間をかけてじっくり育成し95年4月15日、後楽園ホールにて旗揚げ。ガイア一期生は「驚異の一期生」と呼ばれ、ポテンシャルの高さとハイレベルな試合でファンを驚かせています。
旗揚げ時デビューは植松寿絵、里村明衣子、佐藤季恵(シュガー)、永島千佳世、加藤園子、成田舞子の6人。うちビジュアルも良く男性ファンが多かった成田は早々に退団してしまいました。二期生と言われたのが松本麻依子、沼尾マキエ、中野知陽呂らになりますが、一期生とのレベルの差があり過ぎて追いつくことが出来ず。
旗揚げ戦のメインイベントは協力関係にあったJWPから選手を借り長与&ダイナマイト関西組とデビル雅美&尾崎魔弓組の対戦となり、29分9秒、長与が尾崎の回転エビ固めの前にフォール負け、エース敗戦で終わりました。
ガイアは代表に長与が所属していた芸能事務所「ファッズ」の代表の杉山有果が就任、統括は木村一廊が務め、旗揚げ当初から安定した経営ぶりを見せました。また他団体との交流に関しては基本的に全方位外交で、長与の古巣全日本女子プロレスを始めJWPと犬猿の仲であったLLPW、FMWからも選手を借り受けて興行を開催、バーターとして長与も他団体に積極参戦、カリスマ長与の出場でチケットの売上が伸びましたから他団体にとってもメリットある交流でした。
翌96年11月には自前のベルト、AAAW(オールアジア・アスリートウーマン)シングル王座、同ジュニア・タッグ王座を設立。11月2日、シンガポールで初代王座決定戦が行われ、シングル王座は長与がデビルを破り、ジュニア・タッグ王座は里村&加藤園組がシュガー佐藤&永島組を破ってそれぞれ初代王者となっています。
また、同年前95年に新日本プロレスの佐々木健介と結婚した北斗晶がガイアに入団しファンを驚かせた他、97年には山田敏代が全女からガイアに移籍しています。
ガイアは興行形態はきわめて堅実路線を歩み、月1回の後楽園ホールはほぼ毎回満員にし、大阪府立体育会館第二競技場での開催など無理をしない団体で、神奈川県ではクラブチッタ川崎(300人程度収容)を常打ち会場にしていました。
そのような状況でガイア初の横浜文化体育館開催は97年7月19日、単独興行ではなく、他団体選手出場によるデビュー5年以内の選手による「第2回ジュニア・オールスター戦」でした。(観衆4,000人発表)第1回は前96年5月18日、全女大田区体育館で開催、1年後にガイア主催で第2回大会開催となりました。私はこの興行は会場で観戦しました。
JWP、LLPWという先発2団体をおいてガイア主催になったのは旗揚げ当初から他団体との交流を全方位外交で行って来た点とレベルの高い生え抜き新人が多数いたからでしょう。
メインイベントはAAAWジュニア・タッグ選手権試合、王者チーム里村&加藤園組に宮口知子(JWP)&サヤ・エンドー(全女)組が挑戦、18分1秒、加藤園がコーナーポスト最上段からのダイビング・ニールキックによる片エビ固めでサヤをフォール。2度目の防衛に成功しています。
セミファイナルは北斗経由で新日本プロレス、WCWのラインから新設されたWCW世界女子クルーザー級選手権試合、初代王者植松に全女、田村欣子が挑み、20分9秒、田村がダブルリスト・アームサルトで植松をフォール。ベルト移動となり田村が第2代王者になりました。
セミ前に組まれたS佐藤&永島&天野理恵子(JWP)組のOZアカデミーと椎名由香(全女)&本谷香名子(JWP)&小杉夕子(Jd’)組の6人タッグマッチは30分時間切れ引き分け。
松本麻&沼尾組と沖野小百合(LLPW)&ザ・ブラディー(Jd’)組は16分27秒、沖野が旋回式ボディプレスからの体固めで松本からフォールを奪いました。
全日本ジュニア選手権試合、王者中西百重(全女)vs挑戦者坂井澄江(Jd’)は6分59秒、全女伝統の押さえ込みによる体固めで中西の完勝。96年7月デビューの中西とこの年の4月にデビューしたばかりの坂井との地力の差が出ました。
久住智子(JWP)は女子高校生レスラーとしてデビューした千春(SPWF)をジャーマン・スープレックスホールドで降し、元気美佐恵&タニー・マウス(全女)組と青野敬子&和田部美穂(LLPW)組の一戦は12分26秒、巨体の元気が「日本一小さい女子プロレスラー」と言われた145cmの和田部をアルゼンチン・バックブリーカーでギブアップさせました。
高橋奈苗&脇澤美穂(全女)組vs曽我部美幸(Jd’)&大隅沙理(JWP)組は12分35秒、高橋がブロックバスターホールドで曽我部をフォール。
阿部幸江(Jd’)と藤井巳幸(サソリ、全女)は13分18秒、押さえ込みで阿部がフォール勝ち。
第1試合のガイアvs大日本プロレス女子部、ガイア石井里奈&広田紗久良&加藤天美組と大日本藤村奈々&小山亜矢(亜莉弥)&川崎美穂組は川崎がデビュー戦。9分38秒、石井が小山をウラカン・ラナで破りガイアの勝利に。
全体的には当時年間試合数200前後をこなしていた全女とガイア勢の強さが目立ちました。
ログインしてコメントを確認・投稿する