96年3月31日、全日本女子プロレス横浜アリーナ大会で「咲ちゃん」としてファンに愛された長谷川咲恵が引退、代表一族である松永兄弟は「夢よ再び」とばかり豊田真奈美、吉田万里子、伊藤薫、玉田りえ、府川由美の「d−POWER」というユニットによる「LEGEND OF GOLD」、井上京子&井上貴子のW井上の「PASSION ROUGE 」による「ワン・ウェイ・ドリーム」のCD同時発売を横浜アリーナ大会に合わせて行い、芸能活動に力を入れ始めましたが、既に多団体時代で女子プロレスラーのCD発売ももはや珍しいことではなくなっており、起死回生には至らず。
96年5月11日の横浜文化体育館大会「レッスル・マリンピアード96 」(観衆5,100人満員発表)では、1週間後の5月18日、大田区体育館でデビュー5年以内の各団体選手参戦による「第1回ジュニア・オールスター戦」が行われることになっており、主催団体且つ老舗の面目にかけて結果でも内容でも負けることは許されないとあって「ジュニア・オールスター・トライアルロード」としてジュニア・オールスター戦全女選抜チームとベテランのシングルマッチが多数組まれました。私はこの興行は生観戦しています。
メインイベントは本隊とラス・カチョーラス・オリエンタレスで敵対関係にある豊田と下田美馬がタッグを結成、WWWA世界タッグ王者チームの京子&貴子のW井上とノンタイトルで対戦。白熱した攻防で60分時間切れかと思われましたが、52分14秒、京子がラリアットからの片エビ固めで下田を破り王者組の勝利。敗れた下田はライバル関係にある同期の豊田と組んでWWWA世界タッグ王座への挑戦をアピールしています。
セミファイナルはジュニア・オールスター・トライアルロード、玉田がアジャ・コングの暑い壁に挑みましたが14分19秒、裏拳からの体固めに沈みました。
95年12月に大阪・ベイサイド・ジェニーでプレ旗揚げ戦、この年の4月14日、六本木ベルファーレで正式な旗揚げ戦を行った吉本女子プロレスJd’の所属となったバイソン木村がチキータ・アステカとのコンビで山田敏代&チャパリータASARI組と対戦、バイソンがノド輪落としからの片エビ固めでASARIをフォールし完勝。
ジュニア・オールスター・トライアルロード、吉田と府川の対戦は6分25秒、吉田が雪崩式DDTからの片エビ固めで勝利を収めました。
全女vsJd’、前川久美子&タニー・マウス組vs白鳥智香子&フロール・メタリカ組はタニーがメタリカをダイビング・ヘッドバットの2連発からの片エビ固めで破りこの日の全女とJd’の対抗戦は1勝1敗のドロー。
第1〜第4試合は全てジュニア・オールスター・トライアルロードで堀田祐美子とサヤ・エンドーは3分21秒、ニールキックからの体固めで堀田が勝ち、渡辺智子と田村欣子は1分33秒、ラリアットからの体固めで渡辺の秒殺勝利。伊藤と椎名由香は3分52秒、ダイビング・フットスタンプからの体固めで伊藤の勝ち。三田英津子vs元気美佐恵は5分15秒、三田がデスバレー・ボムからの体固めで勝っています。
結局、91年デビューで出場資格ギリギリの玉田がアジャに15分近く粘った以外はジュニア・オールスター戦出場メンバーはベテラン勢にことごとく短時間で玉砕しました。
96年8月12、13日の2日間にかけて日本武道館で行われたベースボール・マガジン社主催の「ディスカバー・ニューヒロイン 真夏の夜の武道館」が不入りとなり大コケ、97年8月20日、日本武道館大会を最後にアジャ、京子が全女での処遇に不満を持ち退団。前後して選手が大量離脱。全女は経営者一族の松永兄弟が不動産投資、株式投資に失敗、取引先金融機関から2度の不渡りを出し銀行取引停止処分を受け事実上の倒産となりましたが、約束手形、小切手が振り出せない状況で現金商売にて興行は継続。
98年には1月9日、後楽園ホールで京子、下田、三田、ASARI、田村、元気、椎名、エンドーらのメンバーで「ネオ・レディース」が旗揚げ、次いで2月18日には全女を退職したロッシー小川が代表を務める「アルシオン」が後楽園ホールで旗揚げ。アジャ(ファイティング・プロデューサー)、吉田、玉田、府川、らのメンバーが参加(他にLLPWから二上美紀子、大向美智子、外国人としてレジー・ベネットが参戦)
フジテレビが放送を継続したのが救いで、深夜番組「格闘女神ATHENA」で新たなファン層を獲得、中西百重、高橋奈苗、脇澤美穂、能見佳容の4人のユニット「キッスの世界」の「バクバクKISS」でCDデビュー(能見の離脱後は西尾美香が加入)、お台場のフジテレビ新社屋でのイベント開催など盛り返しました。
しかし02年7月、長年全女を牽引してきた豊田が退団しガイアジャパンに移籍、05年4月17日、後楽園ホール大会を最後に興行活動を停止しました。創業一族の松永兄弟も全員鬼籍に入りましたが、現在は全女イズムを継承したロッシー小川がスターダムGMとして業界をリードしています。
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