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2020年10月08日21:15

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ありがとう!横浜文化体育館(30)

大仁田厚を退陣に追いやったことで99年に急展開で推し進められていったFMWのエンターテインメント路線は次々と新機軸を出していきました。

6月には冬木弘道コミッショナーの強権発動でハヤブサがマスクとリングネームを剥奪され、ハヤブサは素顔のH(エイチ)として8月から試合に参戦、また、チーム・ノーリスペクトのミスター雁之助がアイマスクを付け「ハヤブサ」を名乗る展開に。

AV女優の若菜瀬奈、荒井昌一社長の姪という設定の荒井薫子、演歌歌手の谷本知美らが出演、リング上のストーリーラインに絡んでいきました。

また、冬木は二冠王座を初め、世界ブラスナックル・タッグ、世界ストリートファイト6人タッグなど大仁田時代からの歴史のある既存のベルトを全て封印し新たにWEW認定のシングル、タッグ、ハードコアなどの王座を新設し、ベルトを一新。

99年11月23日、この年は横浜文化体育館大会は秋には開催せず、横浜アリーナに2度目の進出を果たし、特別レフェリーとしてショーン・マイケルズ、ドリー・ファンク・ジュニア&テリー・ファンク組のザ・ファンクスを単発招聘致しますが、満員には成らず。ショーンのギャラを考慮すると、赤字が推測されました。この日のメインでHがハヤブサ(雁之助)を破り抗争に終止符が打たれています。

00年9月、FMWと「推定3年間3億円」と言われた放映権料で契約を結んだディレクTVが、日本市場からの撤退を表明、事業をスカイパーフェクTVに譲渡し完全撤退。これがFMWにとっては大きな打撃を受けることになりました。FMW中継はスカパー傘下のファイティングTVサムライに戻りましたが、放映権料の大幅ダウンは避けられなかった模様です。

この年は11月12日に横浜文体大会(観衆5,400人満員発表)を開催。私はこの興行は生観戦しています。メインイベントは冬木の保持するWEWシングル王座にHから戻ったハヤブサが挑戦。21分29秒、冬木が地団駄ラリアットからの片エビ固めでハヤブサを降して7度目の王座防衛。

満身創痍のハヤブサは首、膝、肩、などの怪我の治療に専念する為、96年に手術した肘の再手術を決意、この日の横浜文体大会を最後に半年間の長期欠場に入りました。

セミファイナルは好敵手同士である金村キンタロー(ゆきひろ改め)のWEWハードコア王座に田中将斗が挑戦。金村はW☆INGの象徴とも言える有刺鉄線バットや大日本プロレスのリングでお馴染みの蛍光灯を使っての攻撃。田中もイスを何個も使っての反撃、最後は17分6秒、サンダーファイヤー・パワーボム4連発で金村が勝って王座防衛を果たしました。

雁之助と黒田哲広の「ミスター雁之助負けたら即引退スペシャル」というどこかで聞いたようなタイトルが付けられたスペシャルマッチは12分44秒、黒田が新技サドン・インパクトからの片エビ固めで勝っています。試合後、マイクを持った雁之助は「ありがとう、すいません」と引退を示唆するコメントを発しましたが、もちろんこれはストーリー上のお話…。

保坂秀樹&マンモス佐々木(佐々木嘉則)組がスプリーム&ホームレス・ジミー組の持つWEWハードコア・タッグ王座に挑戦した一戦はマンモスがトルネード・ボムでジミーを破って王座獲得しています。

01年5月5日、川崎球場でハヤブサが約半年ぶりに復帰を果たしましたが、それから5か月後の10月22日、後楽園ホールでのM佐々木とのシングルマッチでブファドーラ(リング内でのラ・ケブラーダ、月面宙返り)に失敗したハヤブサは頭からリングに墜落、失神したまま動けなくなり救急搬送されました。頚椎損傷により首から下の感覚がなくなるという大怪我を負ってしまいました。

田中、邪道、外道、中山香里のコンプリート・プレイヤーズは経営の苦しかったFMWのコストカットに遭い退団。邪道&外道は5月18日、新日本プロレス、後楽園ホールでの「ベストオブ・ザ・スーパージュニア」開幕戦に乱入し新日本プロレス殴りこみを宣言、田中は、フリーとして全日本プロレスに参加した後、この年の3月に新日本プロレスを解雇された橋本真也が旗揚げしたゼロワンに参戦、入団しました。

FMW最後の横浜文体大会(観衆4,900人発表)は01年11月23日。事故がなければハヤブサも当然出る予定でした。ハヤブサの代わりを務めたのはハヤブサの兄「大ハヤブサ」によく似た天龍。

前00年、全日本プロレスに復帰を果たした天龍はもはや過去の恩讐に囚われることはなくなったか、メインイベントでWARで袂を分かった冬木とタッグを結成、「天龍同盟」が復活。黒田&ガルーダ(森田友和)組と対戦し23分33秒、冬木がラリアットからの片エビ固めでガルーダをフォールしています。

セミファイナルは金村のWEWハードコア王座にザ・グレート・サスケが挑戦。15分48秒、サンダーファイヤー・パワーボムからのエビ固めで金村が防衛。 

雁之助&M佐々木組vsバイオモンスターDNA(五所川原吾作、工藤あずさ)&ドクター・ルーサー組は雁之助クラッチで雁之助がルーサーを破りました。

経営難が噂されていたFMWですが、02年2月15日、取引金融機関から不渡りを出して倒産。FMWが押さえてあった後楽園ホールは冬木軍の興行として開催され、冬木は後継団体であるWEW旗揚げに向けて動いていましたが、体調不良を訴え4月に横浜市内の病院を受診したところ大腸癌が見つかり、緊急手術が決定。4月14日にはノア、ディファ有明のリングで引退試合を行いました。

5月5日、川崎球場でのWEW旗揚げ興行には姿を現していますが翌03年3月19日、がん性腹膜炎の為42歳の若さで逝去。

荒井昌一社長も5月16日、自宅に近い東京・葛飾区の水元公園で首つり自殺をして自ら命を断ってしまいました。36歳の若さでした。こうしてFMWは哀しい終焉を迎えることになってしまいました。
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