全日本プロレス86年シリーズ第2弾「エキサイティング・ウォーズ86」は2月22日、戸田市スポーツセンター(テレビ生中継、観衆3,200人発表)から開幕。台湾遠征から帰国したのが2月19日ですから中2日開幕というハードスケジュールとなりました。
ハーリー・レイス、タイガー・ジェット・シン、テリー・ゴディ、クラッシャー・ブラックウェル、ワンマン・ギャングの外国人選手が参加。86年に入り、ジャパンプロレス、国際血盟軍と大世帯になって1年以上経過し、外国人枠は5人に縮小せざるを得なくなりました。
外国人に「いい顔をしたい」馬場が外国人枠を削るのは断腸の思いでしょうが背に腹は変えられず。ただし実績のある大物、準大物に絞り、質は落とさなかったのは流石と言えました。
レイスは前85年11〜12月の「世界最強タッグ決定リーグ戦」以来2か月2シリーズぶりの来日。前回は初来日のジェシー・バーとのコンビで公式戦にエントリー、鶴田&天龍組、馬場&ドリー・ファンク・ジュニア組、長州力&谷津嘉章組と並んで6点の同点準優勝となりました。パートナーのバーがやや弱体だっただけにチームワークに懸念もありましたがバーを上手くリードして上位に残っています。今回はベルト挑戦はありませんが、外国人レスラーのボス的な存在感を発揮すると思います。
シンは前85年8〜9月の「決戦!ダイナマイト・ウォーズ」以来5か月ぶりの来日、前回は9月7日、流山市総合体育館で天龍のUNヘビー級王座に挑戦。両者リングアウトで引き分けた後、負傷を理由に残り大会をキャンセルして帰国。実は母国インドの著名スポーツマンを表彰する式典に参加する為でしたが、特にお咎めはなし。地方興行での会場におけるヒール人気は依然として高いものがあり、今シリーズも国際血盟軍と結託して悪の限りを尽くすか?
ゴディは前85年10月の「ワールド・チャンピオン・カーニバル」に参加外国人選手の中でただ1人フル参戦したのに続き、11月のジャパンプロレス自主興行シリーズ「ニューウェーブ・イン・ジャパン」にも残留。2か月半ぶりの来日となりました。
前回の来日ではNWA世界ヘビー級王者リック・フレアー、AWA世界ヘビー級王者リック・マーテル、ドリー&テリー・ファンクのザ・ファンクス、アニマル&ホークのザ・ロード・ウォリアーズ、ミル・マスカラス、ビル・ロビンソンら先輩の超大物が多数来日し、ベルト挑戦の機会はありませんでしたが、
今回は参加外国人の中で唯一、3月10日、仙台・宮城県スポーツセンターで鶴田のインターナショナル・ヘビー級王座に挑戦が決定しており、馬場の期待の高さが伺えます。前85年6月4日、大阪城ホールでは18分35秒、鶴田の場外でのバックドロップの前にリングアウト負け、その前の84年10月29日、大田区体育館での初挑戦は23分58秒に反則負け。フォール決着はついていません。鶴田も若いゴディをねじ伏せておきたいところで、ナチュラルに強い天才同士、怪物同士のタイトルマッチに注目です。
ブラックウェルは前85年6〜8月の「熱風!サマー・アクション・ウォーズ」以来約8か月ぶりの来日。前回の来日はベルト挑戦の機会もなく、今回もありませんが180kgの肥満体型ながらドロップキックを見せるなどレスリングはしっかりとした技術に裏付けられており、全日本プロレスの常連中堅外国人として安定した試合ぶりが期待出来ます。
ギャングは84年11〜12月の「世界最強タッグ決定リーグ戦」以来1年2か月ぶりの来日。85年は来日がなく、長州らジャパン勢とは未対戦です。前回は当初バズ・ソイヤーをパートナーにエントリーの予定でしたが、ソイヤーがパスポートを紛失して来日不能となりました。
そのため、タイガーマスク要員として来日したメキシコのピラタ・モルガンを一度はパートナーとして参戦しましたが、軽量のモルガンでは他のメンバーに歯が立たないと判断したか、パートナーを鶴見五郎に変更して再エントリーしています。
しかし、急造チームでは史上最高と言われた同年の最強タッグでは活躍出来るはずもなく、仲間割れして途中棄権したシン&マイク・ショー組に不戦勝しただけの2点に終わり、最下位を免れたに過ぎませんでした。今シリーズはゴディ、ブラックウェルと大型パワーファイターが揃っており、ギャングの真価が発揮しやすい環境かと思われます。
日本勢はジャパンプロレスにアメリカに戻っていたキラー・カーンが3シリーズぶりに参戦、ザ・グレート・カブキもフリー参戦。10月にゴディとの共闘を宣言しており、国際血盟軍以外にもゴディとのタッグで全日本本隊、ジャパン勢を振り回すか?
前85年8月、ジャパンプロレス入団を果たしたロス五輪アマレス日本代表、馳浩(当時24歳、専修大学卒業)は国内デビューはせずにプエルトリコへ海外武者修行へ出発。新倉史裕も一緒に出発し今シリーズは開幕戦から不参加となりました。
シリーズ中のタイトルマッチは先にあげた3月10日、仙台での鶴田vsゴディのインターナショナル・ヘビー級選手権試合の他、3月4日、大阪城ホールでは新インターナショナル・タッグ王者チームとなった長州&谷津組に前王者チームの鶴田&天龍組がリターンマッチを挑みます。
シリーズ天王山、3月13日、日本武道館では全日本対ジャパン、7対7シングル対抗戦が行われることが決定。天龍は2月5日、札幌中島体育センターで谷津のジャーマン・スープレックスホールドにフォール負けを喫し、インターナショナル・タッグ王座から転落したことで責任を感じ、UNヘビー級王座を返上。無冠でシリーズに臨みました。
日本武道館での7対7シングル対抗戦では、天龍のたっての希望で谷津とのシングルマッチを行うことだけは決定していましたが、他のメンバーと組み合わせはシリーズが開幕してから発表されることとなっています。
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