アンドレ・ザ・ジャイアントのグラウンドに引き込んでの攻めを一瞬の下からのヘッドシザースで鮮やかに切り返した猪木でしたが再びアンドレに捕まります。
猪木を正座のような感じでマットに座らせるとショートレンジから至近距離でのヘッドバット、ダウンした猪木に倒れ込むようにヘッドバットの連発。アンドレの動きはスピーディーかつパワフルであり身体能力の高さを見せつけました。
さらに猪木の頭と首を巨大な両手を使ってのチンロック。
舟橋慶一アナ「かつてジャイアントがモンスター・ロシモフを名乗っていた時、猪木の師匠であるカール・ゴッチはジャーマン・スープレックスホールドでジャイアントをフォールしています。ドリー・ファンク・ジュニアはジャイアントの足を引っ張りましたがフォールを奪うには至っておりません。4年間ノーフォールのアンドレ・ザ・ジャイアントを猪木はフォールすることが出来るのでありましょうか?!」
ゴッチに関しては、71年国際プロレスの第3回IWAワールド・シリーズでの4月30日、品川公会堂での「幻のジャーマンでのフォール」のことを指しているかと思われます。
全日本プロレスを代表する外国人レスラーであるドリー・ファンク・ジュニアの名前が出て来ましたが、これは別冊ゴング76年9月号の表紙と巻頭カラーグラビアを飾ったアメリカでの試合でドリーとアンドレが60分3本勝負で対戦したグラビアをおそらく舟橋アナが見ていたかと思われます。
アンドレに変身後、3本勝負でシングルマッチを行うのは非常に珍しいことです。1本目はアンドレが体固め、2本目はドリーがリングアウト勝ち。3本目はこの時は顎髭を貯えてヒールだったドリーが反則負けという結果になっています。
「ドリーでもアンドレをフォールすることは出来なかった」ということが言いたかったのでしょう。
アンドレは再びレッグブリーカーから猪木の足を攻撃。
桜井さん「猪木君がですねぇ、もう少しディフェンスに回るかと思ったんですが攻めのレスリングをやっていますね。試合が長期化してくると体力で優るジャイアントの方がですねぇ、ダメージが浅いですよ。」
アンドレはそこから弓矢固め(ボーアンド・アローバックブリーカー)に移行。ガッチリと決まりましたがロープに近かった為ブレーク。猪木は場外へエスケープ。
猪木はアンドレの巨体を苦戦しながらようやく対角線に飛ばす、一度は成功もコーナーに来たところをアンドレに蹴られ、今度は逆に軽々とコーナーに飛ばされてしまいました。
コーナーの猪木にショルダータックル、猪木は寸前でこれを交わし、アンドレは肩を鉄柱へぶつけてしまいました。
ここから猪木が反撃、至近距離からチョップの連発、袈裟斬り、逆水平、鬼気迫る表情でアンドレを追い詰めていきます。
試合は20分経過。アンドレが猪木の腕をも同時に固めてのコブラクラッチ式スリーパー、猪木はかけられながらロープの反動を利用してエプロンへ脱出しました。
しかし、アンドレはエプロンの猪木を強引に力でリング内に引きずり込みました。この強さに観客席からは驚きとも言えるどよめきが…。
猪木はもう一度ロープの反動を利してアンドレの身体を外そうとトライ、今度は成功、両者もつれて場外へ。
鉄柱を背にした猪木にアンドレはヘッドバット、しかしこれは猪木が交わしてアンドレのヘッドバットは鉄柱に誤爆。
頭部にダメージを負ったアンドレは額から一筋の鮮血が…。リングに上がる両者。流血で手負いとなったアンドレに猪木はチョップ、ナックルパンチ、ミドルキックと打撃技で攻め立てました。
アンドレは猪木をカナディアン・バックブリーカーに担ぎ上げましたが猪木は背筋を利してコーナーポストを蹴って反転。アンドレの巨体をリバーススープレックスで投げて見せました。館内は大興奮。
舟橋アナ「返したぁ〜、返したぁ〜!」
ここでアンドレのマネージャーであるフランク・バロアがリングに入って来てレフェリーのミスター高橋に何やらアピール。
出血多量(?)に付試合を止めて欲しいという意思表示、ゴングが要請され23分44秒、猪木のレフェリーストップによる勝利が宣告されました。
ですが、アンドレが試合が出来ないほどの流血だったかと言えばそんなことはなく、試合を止められて負けにされた腹いせに猪木にジャイアント・プレスをお見舞している「余力」がありましたので、このストップは早計でした。
しかし、ビンス・マクマホン・シニアの面前でもありバロアが今後のアンドレの商品価値や体調面を考慮し早めに試合を止めたかと思われます。
アンドレとの試合を制したことで猪木は「格闘技世界一」の座に輝いた訳です。
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