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2017年04月09日14:29

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猪木とビンス(423)

猪木は常日頃から「対戦するもの同士がやりたくないカードこそ、見ている方が面白いんだ」と言っており、馬場のような配慮はありませんでした。

個人的な因縁や遺恨をリング上のマッチメークに反映させることは普通にあり、代表的なところでは75年4月の第2回ワールド・リーグ戦における坂口vs大木金太郎の遺恨試合等がいい例です。

それがリアリティーを生み出し、観客動員につながる訳ですから、どちらがいいか悪いかの話ではないと思います。

話を元へ戻し、81年11月5日、蔵前国技館のリングでアブドーラ・ザ・ブッチャーが選んだのはディック・マードックではなくディノ・ブラボーでした。

観客からは不満の声が上がりましたが試合は強行され、ブッチャーはブラボーの額をフォークで刺して流血させ4分3秒、反則負け。自分の仕事はやり遂げましたが、誰の目から見てもマードックの方が強敵だったのは明らか。

ブッチャーとマードックの犬猿の仲は知らない人の方が大多数で、それを抜きにしても、「ブッチャーはマードックが怖くて逃げた臆病者」とその商品価値を著しく下げてしまいました。

82年1月の新春黄金シリーズでブッチャーはバッドニュース・アレンに加え、SDジョーンズとの黒い軍団を結成して来襲。

新日本初参戦から7か月、ようやく猪木とのシングルマッチが実現(1月28日、東京体育館)。猪木の延髄斬りの連発をブッチャーは堪えましたが、配色濃厚と見たセコンドのアレン、さらに猪木に挑戦を表明していた士道館空手のハシム・モハメドまで乱入し14分52秒、猪木の反則勝ち。

1週間後の2月4日、同じ東京体育館では馬場が新日本から引き抜いたばかりのスタン・ハンセンとの一騎討ちが行われ、(PWFヘビー級選手権試合)こちらは移籍即シングル戦という絶妙なマッチメークで試合内容でも観客動員でも猪木vsブッチャーを上回って見せました。

この段階で猪木はブッチャーとの対戦に見切りをつけたかと思います。

82年4月のビッグ・ファイト・シリーズにもブッチャーはアレン、ジョーンズを率いて参加していますが、この時は猪木が左膝半月板損傷によりシリーズ序盤戦で欠場。

猪木欠場でハルク・ホーガンが日本側に組み入れられ、5月26日、大阪府立体育会館でブッチャーとホーガンの一騎討ちが実現。ノーコンテストとなりました。

猪木は6月18日、蔵前国技館で開幕したサマー・ファイト・シリーズで復帰しましたが、7月16日、中間市体育文化センターで開幕のサマー・ファイト・シリーズ第2弾を内臓疾患(後に糖尿病だったことを公表)で全休。

8月27日、後楽園ホールで開幕のブラディ・ファイト・シリーズで再復帰。体力低下を補う為かホーガンを猪木のタッグパートナーに起用しています。

ブッチャーは10月8日、後楽園ホールで開幕の闘魂シリーズに3度びアレン、ジョーンズと参戦しました。

開幕戦のメインのカードは猪木、藤波、長州組vsブッチャー、アレン、ジョーンズ組の6人タッグマッチ。

何の変哲もない組み合わせでしたがメキシコから凱旋帰国した長州が藤波に牙を向き反逆。両者は仲間割れ、試合は藤波がジョーンズを前方回転エビ固めで丸め込んでカウント3を奪いましたが、藤波と長州は試合そっちのけで乱闘を展開。

俗に言う「噛ませ犬」事件が起き、ブッチャーはまたもマッチメークの中心から外されました。

新日本は反体制となった長州、同じくメキシコからこのシリーズ凱旋帰国しタイガーマスクにターゲットを絞った小林邦昭、国際軍団を中心とした日本人同士のマッチメークにシフトしていきました。

シリーズ最終戦の11月4日、蔵前国技館大会で当初発表されていたカードは猪木、坂口組vsブッチャー、ラッシャー木村組。藤波vsカウボーイ・ボブ・オートンのWWFインターナショナル・ヘビー級選手権試合、タイガーマスクvsマーティン・ジョーンズのNWA世界ジュニア・ヘビー級選手権試合でした。

しかし、対戦カードは全部変更され、猪木vsR木村、アニマル浜口、寺西勇の1対3変則タッグマッチ。藤波vs長州のWWFインター戦。タイガーマスクvs小林邦のNWA世界、WWF両ジュニア戦となり、12000人(超満員発表)の観客を集めました。

ブッチャーはこの日、アレン、ジョーンズと組んで坂口、木村健吾、藤原喜明組と対戦。当時中堅に過ぎなかった藤原はブッチャーを怒らせて本気を出させようとブッチャーの耳めがけヘッドバットを連発しましたが、ブッチャーは全く乗って来ようとはせず。

覇気のなさが目立ちました。(試合はブッチャーが藤原をジャンピング・エルボードロップから体固め)
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