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2016年04月03日14:37

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ジャンボ鶴田怪物伝説(255)

82年エキサイト・シリーズは5月14日、後楽園ホールで開幕。例年同シリーズは2月〜3月にかけて開催されますがこの年は馬場、鶴田、天龍のアメリカ遠征があった為、繰り下げ。本来のスーパー・パワー・シリーズを8月下旬からに変更しています。

スタン・ハンセン、タイガー・ジェット・シン、リッキー・スティムボート、ディック・スレーター、ジェイ・ヤングブラッド、ロン・ミラーの外国人選手がシリーズ全戦参加。

5月28日、旭川市総合体育館常盤分館から最終戦までAWA世界タッグ王者チームであるグレッグ・ガニア、ジム・ブランゼルのザ・ハイフライヤーズが、6月4日、長岡市厚生会館から8日蔵前国技館までNWA世界ヘビー級王者リック・フレアーが特別参加。

また日本側はNWAインターナショナル・ジュニア・ヘビー級王座を獲得した大仁田厚が1年9か月ぶりに凱旋帰国が決定。

ハンセン、シンという新日本からの移籍組2人が外国人サイドのツートップとして来襲。

ハンセンは2シリーズ連続の参戦、シンは前年の世界最強タッグ決定リーグ戦以来5か月ぶりの来日。

リッキーは前年8月のスーパー・アイドル・シリーズ以来9か月ぶりの来日、スレーターは前年7月のサマー・アクション・シリーズに来日しながらも、同年2月に起きた交通事故の後遺症で途中帰国しており、10か月ぶりの来日。

ヤングブラッドは77年10月ジャイアント・シリーズに初来日して以来4年半ぶりの2度目の来日で今回はノースカロライナでタッグを組んでいたリッキーとのコンビでの来日と大仁田のNWAインターナショナル・ジュニア・ヘビー級王座への挑戦が決まっていました。

ミラーは72年6月日本プロレス第2次ゴールデン・シリーズ以来実に約10年ぶりの来日。オーストラリアで活躍していた中堅レスラーで前回はラリー・オーディ(73年10月創立1周年記念ジャイアント・シリーズに来日)とのオーストラリアコンビでの来日でしたが今回は単独での来日、レスラーとしてはピークを過ぎた感はありました。

NWA世界ヘビー級王者フレアーは前年10月以来8か月ぶりの来日、前回は王座に就いたばかりであり新王者御披露目的要素が強かったですが今回は王者としての真価発揮が求められるところです。

AWA世界タッグ王者チーム、ハイフライヤーズはチームとしては初参戦となります。

グレッグは言わずと知れたバーン・ガニアの息子で73年9月に国際プロレスの第5回IWAワールド・シリーズに来日して以来約9年ぶり、ブランゼルは80年11月の最強タッグにニック・ボックウィンクルのパートナーとして来日して以来1年半ぶりの来日となりました。

ハイフライヤーズは日本では国際時代のマイティ井上、アニマル浜口組が和製ハイフライヤーズを名乗っおり、スピードと細かいタッチワークが売りでしたが、本家がついに日本登場。

グレッグに関しては前回の来日ではまだ若手の域を出ていなかっただけにどのように変わったかが大いに注目されています。

AWA世界タッグ王者チームが日本に来たのはこれが3回目、過去2回はいずれも国際プロレスで71年3月のマッドドッグとブッチャーのバション兄弟、74年11月のニック、レイ・スチーブンス組でした。

厳密に言うと76年1月の全日本に来たディック・ザ・ブルーザー、クラッシャー・リソワスキー組のブル・クラ最後の来日の時はAWA世界タッグ王者チームでしたが日本で防衛戦を行っておりません。

ハイフライヤーズは前年6月14日、ウィスコンシン州グリーンベイ・ブラウン・カウンティアリーナでジェシー・ベンチュラ、アドリアン・アドニス組を破って同王座2度目の戴冠を果たしており、長期政権を築いていました。

シリーズ天王山は6月8日蔵前国技館大会でフレアーvs鶴田のNWA世界ヘビー級選手権試合、馬場vsシンのPWFヘビー級選手権試合、ハイフライヤーズvsリッキー、大仁田組のAWA世界タッグ選手権試合の3大タイトルマッチが組まれました。

82年に入って以来、これで3シリーズ連続で東京都心の1万人収容規模の大会場で興行を開催、前年を入れると5シリーズ連続開催となり、新日本プロレスの牙城に迫りました。

このシリーズは画期的な出来事が開幕戦からありました。それは「3本勝負の原則撤廃」です。

今シリーズからはメインが全て60分1本勝負となりました。

実は3本勝負撤廃は全日本の方が早く、新日本はテレビマッチ等で1本勝負にすることは多々あったものの、地方等では3本勝負を行っていました。

力道山時代から日本プロレス界のメインイベントはシングル、タッグとも60分(61分)3本勝負が主体でした。

たまに時間無制限1本勝負が行われると「完全決着戦」の意味合いを持ち重みが感じられたものでした。

3本あれば、お互いのフェイバレットホールドで1本ずつ取り合い、3本のうち1本は反則による勝敗を入れる等レスラーの商品価値を下げずに済みます。

またテレビでのプロレス中継もセミ45分(30分)1本、メイン60分3本がちょうどよく、長年の「ルール」として定着していました。

それがついに日本プロレス28年の歴史(54年2月19日蔵前国技館のプロレス国際試合から起算)で3本勝負が原則撤廃というエポックメイキングな出来事が起きています。

一番の要因はハンセンの登場にあったと思われます。
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