プロレス夢のオールスター戦は馬場と猪木のBI砲が7年8か月ぶりにタッグを結成することが決まり、ファン投票で選ばれた対戦相手チームは全日本と新日本を代表するトップヒール外国人チームとなるアブドーラ・ザ・ブッチャー、タイガー・ジェット・シン組が第1位で決定。
2位がザ・ファンクス、3位が鶴田、藤波辰巳組でしたが途中経過はファンクスがずっと首位にいました。
BI砲最後の対戦相手だったファンクス(71年12月7日、日本プロレス札幌中島スポーツセンター大会)は、分裂以来、失われた名勝負としてファンの間では猪木とドリーとの対戦を望む声は実に多かったです。
しかし4人中、3人が全日本ではさすがの猪木も危機感はあったかと思われ、おそらく、締切直前で主催者である東スポが1位と2位を入れ換えたものと推測します。
チケットは7月25日から全国プレイガイドにて一斉発売され飛ぶような売れ行きを見せました。
8月1日にはメインイベント以外の全カードが発表され、鶴田はミル・マスカラス、藤波と夢のトリオを結成、マサ斎藤(新日本系フリー)、高千穂明久、戸口正徳改めタイガー戸口(全日本)と対戦することになりました。
8月17日、後楽園ホールで行われたブラック・パワー・シリーズ開幕戦で鶴田はマスカラスと初タッグチームを組、ブッチャー、カルロス・コロン組と対戦し、1-1からマスカラスのマスクに手をかけたブッチャーが反則負け。
ファン投票によりリングネームをタイガー戸口とした戸口は馬場と組んでかつての師匠大木金太郎、ボボ・ブラジル組と両チームリングアウト。
新日本であれば裏切り者である戸口と大木の遺恨試合を何回かシングルで組んだかと思いますが、全日本ではそういうことはなく、大木からも特に何ら戸口に対して怒りのコメントもありませんでした。大木は黙々とブッチャー、ブラジル達と連日タッグを組んでヒールファイトに徹しています。
このシリーズ、アメリカから高千穂と佐藤昭夫(昭雄)が凱旋帰国しました。
このシリーズ最大のヤマ場はマスカラスvsブッチャーの対決で8月22日、札幌中島スポーツセンターにて両者はシングルで一騎討ち。
先シリーズ、ブッチャーがテリー・ファンクを相手にした時の残虐極まりないファイトからマスカラスも同様にされ、マスクも剥がされてしまうのでは?と話題を集め、観客は8800人(超満員)発表。
しかしテリーとは違って注文の多いマスカラス相手にはブッチャーは本領発揮といかず内容は凡戦となり、8分58秒両者リングアウトの引き分け。ブッチャーはマスカラスのマスクを額の部分を破いたにとどまりました。
プロレス夢のオールスター戦は8月26日、日本武道館にて開催されました。
メインの馬場、猪木組vsブッチャー、シン組は13分3秒、ブレーンバスターに来たシンを猪木が背後から滑り降りての逆さ押さえ込みに決めてカウント3が入り馬場、猪木組が勝利。
試合後、マイクを持った猪木は「馬場さん、今度2人が同じリングに上がる時は対戦する時です。やりましょう」とアピール。馬場も「よし、やろう」と答えました。
が、これは事前の取り決めのない猪木の一方的なスタンドプレーで、馬場はその場の雰囲気を壊さぬ為に「よし、やろう」と言ったものの、本意でなく「やっぱり猪木は信用出来ない」と試合後態度を硬化させています。
鶴田、マスカラス、藤波のトリオは3人がかりのドロップキックなど見せ場をふんだんに作ってファンを楽しませ、最後はマスカラスが斎藤をジャンピングしてのボディプレスでフォールしています。
肝心のテレビ中継問題は日本テレビ、テレビ朝日ともなく、各5分間のスポーツニュース枠での放送にとどまりました。
関東地区は当日午後11時10分からテレ朝がメインのみ放送、日テレは午後11時45分からメインと鶴田組の6人タッグを放送。時間差があった為、両方見ることが出来ました。
9月12日、鹿児島県立体育館では戸口が日本サイドとして初めてシングルでメインを勤めるブッチャー戦が行われていますがリングアウト負け。
ちなみにこの時戸口の入場に使用したのが後に三沢タイガーの入場テーマ曲となる寺内タケシの「タイガーマスクのテーマ」でした。
シリーズ最終戦は9月13日大分県立総合体育館で馬場、鶴田組はインターナショナル・タッグ王座の防衛戦をブッチャー、ブラジル組と行い2-1で勝利。55歳となっていたブラジルの衰えが目立ちました。この試合もノーテレビでありシリーズの主役はマスカラスとブッチャーでした。
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