76年に入ると鶴田試練の十番勝負がスタート、第1戦は3月10日、日大講堂で全日本プロレス初参戦となるAWAの帝王バーン・ガニアと対戦。
1本目はガニアが裸絞めで先制、2本目は鶴田がジャーマンで取り返し3本目はガニアのバックドロップで両者後頭部を強打してダウン。両者カウントアウトの引き分けとなりました。
ガニアの「バックドロップによる両者KO」というフィニッシュは対戦相手にとっては最大級の賛辞であり、日本ではビル・ロビンソンとの試合(74年11月20日国際プロレス蔵前国技館)の1度しか見せておらず、自らも48年ロンドン五輪アマレス米国代表に選ばれたガニアが鶴田を認めたからに他ならなかったと思います。
続く第2戦は3月28日、蔵前国技館での国際プロレスとの全面対抗戦でのラッシャー木村戦で1本目は木村がブレーンバスター、2本目は鶴田がダブルアーム・スープレックスで取り、3本目は鶴田のジャーマンのブリッジが崩れ両者ダブルフォールの引き分け。
第3戦は6月11日蔵前国技館でNWA世界ヘビー級王者テリー・ファンクに挑戦。
1本目を回転エビ固めで先制も2本目テリーの必殺技ローリング・クレイドルで返され、3本目はテリーが鶴田の首をトップロープに打ちつける反則技でカウント3を奪われて2-1で黒星を喫しています。
7月になると前年12月に新日本プロレスに来日したロビンソンが全日本にやって来ました。
ロビンソンは新日本に来日する前、約3年間に亘り試合をしていたAWAを離れています。
次期AWA世界ヘビー級王者の最有力候補と言われながら、オーナーであるガニアが自分の後釜にニック・ボックウィンクルを選んだことが原因とされています。
猪木と1-1から60分時間切れ引き分けという、日本プロレス史上に残る名勝負をやってのけたロビンソンは帰国後フロリダのリングに上がっていましたが、新日本に次回も参戦する意思はあったものの、
「新間がギャラを値切って来た、もう二度と行きたくない」とフロリダでブッカーをしていたドリーに相談、全日本への参加が決まりました。
馬場からすれば棚ぼた式に美味しい話が向こうからやって来たようなものでした。
鶴田十番勝負第4戦は7月17日、北九州市小倉区三萩野体育館のテレビ生中継でロビンソンとの対戦。
1本目はロビンソンがヨーロピアン・クラッチ、2本目は鶴田がエビ固め、3本目は60分時間切れ。さらに5分間の延長戦が行われましたがこれも時間切れ。
前年12月11日蔵前国技館での猪木戦では試合前に「ロビンソンをスープレックスで投げる」と豪語していた猪木に対し、これを徹底的にブロックして見せ、試合終盤に猪木はようやくロビンソンをダブルアーム・スープレックスで投げたものの腰砕けとなり決して成功したとは言えませんでした。
しかし、この日の鶴田戦ではロビンソンは鶴田の孤の大きな「ドリー式ダブルアーム・スープレックス」であっさり投げられていました。
馬場とロビンソンのPWFヘビー級選手権試合は翌週の7月24日、蔵前国技館でのテレビ生中継で行われることになっていましたが、この日の鶴田戦の結果でおおよそ勝敗の予想はついてしまいました。
野球シーズンながら日本テレビは2週連続生中継を敢行。7月24日の蔵前は午後8時からの放送開始と同時に馬場vsロビンソン戦がスタートしています。
1本目は9分24秒、馬場がバックドロップから片エビ固め、2本目は5分45秒にロビンソンが逆片エビ固めでギブアップ勝ち。
3本目、6分8秒ランニング・ネックブリーカードロップから体固めで馬場が2-1で勝利。
3本合わせて20分ちょっとで馬場は「猪木が勝てなかった」ロビンソンに2フォールを奪っての勝利、前年10月の大木金太郎戦に次いで間接的に自分が猪木より強いことを世間に向けてアピールしています。
8月28日、日大講堂で鶴田は復活したUNヘビー級王座決定戦を前NWA世界ヘビー級王者ジャック・ブリスコと行っています。
1本目は11分9秒に鶴田がフロント・スープレックスから片エビ固め、2本目は6分19秒にブリスコが足4の字固め。3本目は5分34秒、鶴田が足4の字狙いにきたブリスコを首固めに丸め込んで2-1で勝利。
日本プロレス時代、猪木、坂口、高千穂明久が巻いたUNのベルトを手にし、インターナショナル・タッグ王座と合わせて「若き2冠王」としてナンバー2の座を盤石なものとしました。
この年十番勝負は第5戦9月9日、大阪府立体育会館でボボ・ブラジルに2-1で初白星を挙げ、(2本目はリングアウト勝ち)第6戦は10月22日、愛知県体育館でアブドーラ・ザ・ブッチャーに2-1(3本目は反則勝ち)で勝ち。12月2日、川崎市体育館では初来日のミュンヘン五輪アマレス130kg級銅メダリスト、200kgの巨漢レスラー、クリス・テーラーに2-1(3本目リングアウト勝ち)に勝利と3連勝を記録しています。
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