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2015年12月04日16:26

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新たなる闘い(F-4)/SS

唯一とも思える道をミランダは馬を走らせてしばらく進むと、開けた場所に白い建物があった。これがその鍛冶場なのだろうか。鍛冶場にしてはその白い建物はとても白く、特にスス汚れた場所は見当たらない。鍛冶場というよりは・・・・研究所。そんな印象の建物だ。ミランダは馬から降り、正門っぽいドアをノックしてみた。それに呼応して出てきたのは・・・・白衣姿の男だった。髪は少々手入れされていなくボサボサ髪。徹夜で研究に明け暮れたような風貌の男が現れた。


「何だい?まだ依頼の防具は出来ちゃいないぞ。・・・・ん?あんたは?城のモンじゃないのか?」


ミランダ「あ、えっと・・・・城の者といえばそうなのですが・・・・」


どうやらミランダを誰かが依頼した武器防具を受け取りに来た者と思ったらしい。ミランダは自己紹介をして、今回はその用事で来たわけではないのを説明した。


「へぇ。姫さんがなんの用だい?」


その男は頭を掻きながらそう言った。神王女を前にして、特に敬意をはらっている様子はない。まぁ部下ではないので別にいいのだが・・・・。


ミランダ「ちょっと・・・・この字が読めますか?」


「・・・・ああ?字?」


ミランダは金色の箱を男に見せた。すると男はすぐにそれが古代文字だという事がわかったらしく、「入ってきな」と建物に入っていったので、ミランダも続く。


建物内は外観同様で白く、とくにやはり鍛冶場という雰囲気ではなく、やはり研究所っぽい。机の上には何かの図面のような紙が乱雑に積まれている。本棚にはこれまた乱雑に鉱物の本と魔法に関しての本が未整理でバラバラに押し込まれている。テーブルには・・・・食事っぽい、パンの袋とコーヒーのはいったマグカップが。床にも何かの設計図があちらこちらに落ちている。簡単にいうと、とても散らかっている。親切心で床の設計図をまとめてあげようと手を伸ばすと男に怒鳴られた。勝手な事をするなと。何か意味があってそのへんに置いているのだろうか。とりあえずまた怒鳴られないように、余計な事は止めておこう。


ミランダ「えっと・・・・それでその文字は・・・・」


「ん・・・・。古代文字なのはわかるが・・・・ヤツを呼ぶか。オオオオィ!!トリスぅぅぅぅ!!」


男は入口とは逆にあるドアに向かって怒鳴った。すると奥から今度は妙な前掛けにお面、足は何かの厚手の皮カバーのついた靴を履いた人が現れた。男はお面をとって「どうしたヘル」と男に聞いた。


ミランダ「トリス・・・・ヘル・・・・。あなた方の名前ですか?」


「ん?ああ。俺はヘルメス23世。主に魔法的処理と武器防具の設計を担当している。で、コイツはトリスメギストス23世。こいつは武器防具を造る担当。長いからトリス」


白衣の男がヘルメス、妙な前掛けとお面をかぶった男がトリスメギストス。トリスメギストスが着用している妙な前掛けとお面と足カバーは鉄を打ったり溶接するときの防護服的なものらしい。


そしてそのトリスメギストス・・・・トリスは箱の表面の文字をみて、ヘルメスと同じ答えを口にした。古代文字というものらしい。その文字は神々の黄昏・・・・ラグナロクの時あたりまで使われた文字で、ラグナロク以降は今の文字に変わったらしい。


ミランダ「お2人には読めますか?」

トリス「ああ。一応な。しかも文字からして、中身も骨董品だな」


ミランダ「何と書いてあるのですか?」

ヘルメス「神々の神威、『創生器』と書いてある」


ミランダ「そー・・・・せーき・・・・?」


ミランダは聞いた事がない。ヘルメスは「こういう字だ」と紙に書いて見せた。


創生。何かを創り、生み出すのだろうか?


ミランダ「器というからには・・・・神星器や転生器と同じようなものですか?」


トリス「ああそうだ。だが、これは神星器のカバー的な代物だったと聞く」


ミランダ「カバー?」


ヘルメス「そのままの意味だ。神星器は強力だが、代わりに人を選ぶ。かのラグナロクの時、適合できなかったヤツらがつかっていたらしいな」


トリス「カ的には転生器以上神星器未満といったところだな」


転生器以上神星器未満の神器。これはかなりの掘り出し物だ。


ミランダ「使い方はどうすれば?」

ヘルメス「待っていろ。今調べてやる」

そう言うと先ほどの鉱石や魔法関連の本がただ押し込まれたという乱雑な本棚を漁り始めた。アレでもないコレでもないと捜索し、30分前後で目当ての本を見つけてきた。

それによると、この創生器は身に着けてキーワードを口にすれば変身出来るらしい。転生器のキーワードが「リィンカネーション」だったように。ただ、この4つの創生器は転生器と違ってキーワードは別個になっており、それぞれキーワードが違うようだ。


キーワードを聞いてみたが、創生器の事が記されている本によると、人によってキーワードが違うらしい。適合した者の頭の中に直接キーワードが浮かんできて、それを誰かに教えない限りは他の人には使えない仕様になっている。そのキーワードは一定期間使われないと破棄になる。適合者が死んでもそのキーワードは有効であり、死んだり譲り渡したりしてもそのパスワードは有効。使われず一定期間が過ぎればリセットされ、次の使用者のキーワードが再発行される、という事らしい。

とりあえず負けてケイオス達に奪われても悪用される心配はなさそうだ。一定期間、だけだが。

一定期間はいかほどの間かだが、それは書かれていなかった。数日なのか・・・・数ヶ月なのか・・・・数年なのか・・・・わからない。


ミランダ「ところでこれは・・・・人間でも使えるのですか?」

ヘルメス「この本によると問題ないようだ。ただコイツは神星器や転生器と違って善人悪人無関係で使えるようだ。人間に託すなら、信用のおけるヤツにするんだな」


ミランダ「わかりました。ありがとうございます」


ミランダは2人お礼を言い、施設を後にした。神星器に適合しなくても、神星器より敷居の低そうなコレなら使える人がいるかもしれない。王宮に戻ったミランダは、両親に人間界へおりる許可をとりつけ、近衛兵に神星器の運搬をもう1度頼み、創生器を伴って人間界へ向かった。



ミランダが向かうは・・・・日本の東京。


ミランダの御三家と三種の神器の者達探しが始まった---------------


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