今日の講義は『記憶の森の時間より』馬場あき子歌集。
沖ゆけば海の香それは遠流の香むつつりと佐渡は横たはるのみ
馬場さんの歌集は25冊になる、その外評論等いろいろ45冊ぐらいにも。
うーむ驚くべき多さ、とても余人には追いつけない。
巻頭歌、よく旅に出る、これは佐渡の歌。流され人の臭いがする。
「むつつり」馬場さんらしい言葉、ほのかなおかしみがある。
語りたき武川忠一は耳遠しわれも八十を過ぎしよと叫ぶ
斬られることわかってゐるが面白く武川忠一の隣に座る
武川さんは長年の付き合い。悲劇的状景だがユーモアが。
しんぱいごと何ひとつないといふ顔のキリンの冬の長き首あはれ
「しんぱい…といふ」おもしろい、口語的文体が増えてきた。
新しい境地の軽やかさ。
題詠 ・ 蠅
蝿帳と母衣蚊屋はおなじ原理にて大切のものを中にをさめる とうこ
小池 ・ 一読明快、物事の本質を的確に言えている。よい。
一読明快って単純てこと?いいんだいいんだ兎に角○だから。
蝿帳は折り畳み式で紐を引くとぱちりと開く。
母衣蚊屋(ほろがや)はやはり紐を引いて開く。
かたや食べ物を入れ、こなた赤ん坊や子供の昼寝につかう。
ふか〜いでしょ?(どこがあ)
昔の道具だと思っていたら今でも通販で売っているのですね!
みなさんいろいろで南十字星の近くに「蠅座」というのがあるのですね。
お二人の方が詠んでおられました。(物知り!)
ログインしてコメントを確認・投稿する