翌日の練習は歌と振付練習で、スタミナトレーニングはなかった。ただやはり、アイリーンは元気がなかった。昨夜、本人から事情を聞いて知っている征刃は心配そうにしばらく練習風景をみていたが、やがて自分のトレーニングに出かけて行った。
元気がないと言えば、燿もだ。音源編曲はちゃんとやっているのだが、編曲ミスが目立つ。曲がブツ切りになったり音と音の間に謎の無音があったり。振付練習をしているメンバーも「なにこれ?」と練習をやめてしまった。「すぐ修正するから」と自室に籠ってしまった。今はその編曲作業中で、今日編曲を加える前のデータで練習している。
歌と踊りの練習はみっちり夕方まで続けられ、夕食へ。
翼「明日はとうとう合宿最終日だね」
夕食の時の話題は明日の最終日についてだった。最終日は休みにしているので、観光気分満々だ。
夕食後、ののかは響介を誘い、なぜかミルフィーは征刃を観光に誘った。戸惑った征刃だが、結局OKした。
ののかの誘いに舞い上がっている響介。面白くない感じの表情の鳴鈴。
征刃のミルフィーの高校生と小学生女子のデート。これは意外な組み合わせか。萌音はとりあえず翼達にまざって観光に。気を利かせたつもりのようだ。
問題は・・・・アイリーンだ。
意を決して編曲作業している燿の部屋へ。まずは頭を下げて(しかも直角90度で)謝った。世界最強財閥でツンデレのお嬢様が頭を下げる。その行動が・・・・燿を狼狽させた。
素直になるのはまだできない。しかしここで謝らないと、この先2人の道は交わらない。そんな気がして。
アイリーンは明日のオフ兼旅行最終日に燿を観光に誘った。燿はしばらく渋い顔をしながらも・・・・首を縦に振った。とりあえずは胸をなでおろす。
しかしこれで安心はできない。明日はなんとか素直にならなければ。ここでやらかしてしまえば・・・・本当に終わる。夕べ征刃に応援してもらったのだ。頑張らなければ。
アイリーンは明日9時にリビングでという約束をとりつけ、部屋をでた。と、そこに征刃がいた。壁に背をつけて腕組をしている。
征刃「とりあえずは第一歩、といったところかな?」
アイリーン「ええ。少し迷った様子でしたが・・・・。明日は失敗しないように努めなければ」
征刃「頑張れよ」
アイリーン「ええ。征刃さんも。妹をお願いしますわよ」
征刃「ありゃビックリしたぜ」
アイリーン「ミルフィーは昔から姉もいいけど兄もほしい。征刃さんみたいな・・・・と言ってましたもの」
征刃「お兄ちゃんか。3人目の妹、かな?ははは」
アイリーン「3人目の妹にするか・・・・それとも・・・・いえ、その先の判断は貴方にお任せしますけど」
征刃「その先って?」
アイリーン「みなまでいわせるのですか?ミルフィーはまだ小学生。貴方は高校生。歳の差、学年の差をどう解釈するか、という事ですわ。ではわたくしは明日の準備がありますので」
征刃「ああ。気合いいれた恰好していけよ」
アイリーン「ええ」
そんな会話をして、アイリーンは自室へ戻った。明日着ていく服を吟味するために---------
そして部屋の中では燿がまだ戸惑っていた。
燿「なんでだ?どうして僕を誘うんだ?征刃さんじゃないのか・・・・?まぁここにきて2日の分のお詫びとか謝ってたけど・・・・」
お詫びのデートと解釈しているようだ。まぁアイリーンもそういう言い方をしたので誤解されても仕方ないが、ただのお詫びでデートに誘うわけもないだろう燿。
全ては明日。明日で決まるだろう。
------------------------------SCENE11へ---------------------------
ログインしてコメントを確認・投稿する