輝莉が帰宅すると既に怪我の連絡が入っているらしく両親にリビングに呼ばれた。
出ると一点張りの輝莉に両親が説得を試みるも・・・・全く辞退の2文字はその口から出てこない。
軽い捻挫だからと逆に両親を説得して部屋へと戻る。そして・・・・ベッドの上で靴下を脱いでみる。
包帯が巻かれている・・・・右足。湿布は取り替えなさいと言われているので包帯を解く。そこには赤く腫れている箇所があった。
正直・・・・湿布と包帯だけでは・・・・痛い。痛いが・・・・出たい。優勝したい。先日、燿に優勝する為にとか言っていたような気がするが、今は自分の夢の為でもある。
輝莉「優勝して・・・・アイドルに・・・・なる・・・・!!」
そう独り言を呟きつつ湿布を取り換えて包帯を再度巻こうとして・・・・まずはお風呂にしようと部屋を出た。
戻ってきたころには時計はもう22時を過ぎていた。夕食があったにせよ、長風呂をしてしまった。入浴しようと部屋をでて2時間が経っていた。
長風呂が好きという訳ではない。ただ・・・・捻挫が痛くてなかなか髪を洗ったり身体を洗ったりがし難かったのだ。
ここまで痛いと・・・・明日大丈夫なのか多大に不安だ。痛み止めを打つにせよ。
さて、寝不足もいけない。寝ようと布団にはいったところで携帯に着信が入る。電話ではなくてメールだ。差出人は・・・・神凪律音・・・・。
『足、捻ったんだって?痛み止めを打って出るってアイリちゃんから聞いたんだけど大丈夫?明日は私も決勝会場にいるから控室にお見舞いにいくね』
どうやらお見舞いに来てくれるっぽい。明日。なんで日本にいるのかはわからないが、『ありがとうございます。待ってます』と返信すると、家のインターホンが鳴って・・・・次に両親の驚きの声が聞こえてきた。
・・・・まさか--------------
「こんばんわ〜☆」と部屋へ入ってきたのは予想通り、律音だった。どうしてここに・・・・??
律音「お見舞いに行くね、ってメールしたと思うけど」
来るの、明日だと思ってました。そしてスポーツバッグを肩から下げてご登場の律音、どうやら来たついでにお泊りしていくらしい。パジャマに着替えておしゃべりタイム。
律音「大丈夫なの?その腫れ」
右足をみた律音が心配そうに聞く。正直不安しかないと今の気持ちを素直に答える。
律音「無茶はよくないよ無茶は。って、私もフリステスで歌唱学科でトップになるのに無茶したから偉そうな事は言えないけど☆」
輝莉「エトワールになる努力って想像つかないんですけど、やっぱり大変でした?」
律音「今でもね。トップの座を奪おうとしてる2番手3番手が強敵でね〜☆」
そうか。トップになって終了ではないのか。そこからエトワールをとられないようにさらに努力を積まないといけないようだ。
律音「だから喉を傷めて声が出なかった時もあったし、・・・・うん。輝莉ちゃんみたいにケガもしたよ」
輝莉「怪我ですか・・・・もし、今の私みたいに大事な時に怪我しちゃったら・・・・??」
律音「そうだねぇ〜・・・・夏のツアー選抜でちょっと転んでケガしちゃったんだけど、・・・・うん。無茶して選抜戦に出たよ」
もしも、で聞いたのに実話が出た。
輝莉「たしか・・・・日本公演の時にセンターにいたし、トリもVRANO=METRIAでしたよね。って事は・・・・」
律音「うん。なんとかね☆。だから今晩は棄権の説得に来たんじゃなくて、応援に来たの。迷惑だったかな」
迷惑なんてとんでもない。フリステス音楽学院のエトワール様に応援してもらえてうれしい限りだ。
律音「私もね、2人に励まされてここまできた。3人で頑張ってこれた。輝莉ちゃんにもそんな仲間がいるよね」
輝莉「はい」
輝莉にも大切な友達の仲間がいる。乃愛と星名。今頃まだ心配してくれているだろう。
律音「さ、明日に差し支えるからもう寝ておこっか。私は輝莉ちゃんのご両親に挨拶してくるね」
輝莉「はい」
律音が部屋から出て行く直前、「まっててね」と言って出て行った。
待ってて??
まさか、一緒に寝るつもりだろうか。
まさかのフリステスのエトワール様と一緒に・・・・??
輝莉「・・・・緊張して寝られない・・・・かも・・・・」
苦笑するしかなかった・・・・。
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