お盆の前日・・・・つまり発声のテストが行われる日。3人はコッソリ練習をする事無く喉を休めた。その甲斐あって回復はできた。
しかし・・・・練習しなかった事で不安だ。律音達審査員を前にして怯える小動物状態の輝莉達に「緊張しないでやってみよう」と声をかけた律音。テストと言っても別に音程さげた版になるだけで楽曲を取り上げるような事ではないのだが・・・・緊張しておびえまくっていた。
テストは10時から。今は集まったばかりの9時。あと1時間で決まる。普通に喋るくらいには喉は痛くないくらいには回復したのだが・・・・テストの時が不安だ。
乃愛「不安でしかたありません先生・・・・」
ミーナ「別にキンチョーしなくてイーデースヨー?ダメでもあっしらが創りなおした方になるだけデース」
リルム「あっしらって・・・・。言葉はともかくその通りなので、気楽にやってくださいね?」
星名「そうは言いますけどー・・・・」
出来れば原曲版でやりたい。3人の気持ちは一緒だった。
さて。そんなやりとりで1時間を過ごし、いざテスト。
全力をもって臨んだ。やれるだけの事はやった。
その結果は・・・・
不可だった。結局ダメだった。リルムとミーナが不可を言い渡した。しかし律音だけが合格を言った。
ミーナ「なんでオッケーデース?」
ここ最近ずっとフリステス式の発声練習をしてきた。たった数日では喉の回復はそこそこ効果はあっただろうが、それでこれなら喉をいたわりながらなら原曲をやれるだろうという判断だった。
リルム「確かにそうですね。連日ずっとしていましたものね」
ミーナ「ワカリマーシタデース。者共、ココロシテカカレー」
なぜか輝莉達、土下座で「はは!!」と頭を下げる。命令を下した殿と家臣のようだ。
しかしこれで許可が下りた。これで原曲が歌える。
3人はとりあえずリルムとミーナに任せ、律音は燿と話す事に。燿は律音に逆転票を入れてくれたことに感謝したが、律音は別にひいき目とかなどはしていないで客観的に判断しただけという。
燿「じゃあ、あの3人には原曲を歌えるだけのカがあるというのかい?」
律音「うん。良く頑張ったと思うよ。まだもうちょっと喉は休める必要はあるけど、さっきの声量なら十分回復した後は十分な声量になる筈だよ」
との事だ。ちなみにこの曲で東日本代表選抜に勝てるかどうかと聞くと、そこは微妙という。どんな候補生が出てくるかわからないし、輝莉達が声が必要音階に達しなければ微妙な曲になってしまう。完全に歌いきれれば勝機はあるとコメントした。つまりただ原曲を歌う乃を許可しただけではまだまだ分からないという事に他ならない。
燿「まだわからないか。了解。肝に銘じておくよ」
律音「最終予選の日はテレビの仕事が入っちゃってるから、みに行けるかどうかわからないんだ。だから私達の分まで応援してあげてね」
燿「わかった。せっかくの夏休みなのに仕事で潰れるのもなんか可哀想だよね」
律音「しょーがないですよー。STAR-MINEの皆だって土日関係なく仕事してるんでしょ?」
まったくその通りである。しかし彼女の場合、世界最高峰の音楽学校で鎬を削る戦いをしてエトワールにまで上り詰めたのだ。気が休まらないのではないだろうか。
律音「だいじょーぶ♪これでもデートの予定とかはいってるんだから☆」
初耳だ。律音に彼氏がいるなどと。と言うと、まだ付き合っているわけではなく、ただ一緒に遊びに行くだけの間柄という。しかし誘われて律音がOKしたということは、律音もすこしは気があるのでは。
律音「ん〜・・・・嫌いか好きかときかれたらちょっとは・・・・かな?あ、でもでも、2人きりじゃないんだよ?皆でいくんだよ?流奈ちゃんに聞いてみて。一緒にいったりするから」
流奈も一緒らしい。なら安心だ。
・・・・何が安心なのだ。どこの誰かはわからないが、自分が見守ってきたアイドルがとられる。プロデューサー的な意味と1つ年上のお兄さん的な意味でもちょっと心配である。
律音「じゃあ私もレッスンの指導に行ってくるね〜☆」
そう言い残して皆がいるはずの屋上へと向かっていった。
燿はデスクに座り・・・・首をひねる。
燿「ウチの律音ちゃんに手をつけようなんて、どこのどいつだ?」
気分はすっかりプロデューサー兼お兄ちゃんの心境だった・・・・。
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