曲作りは難航していた。それは前と変わらない。以前と一緒で乃愛はピアノに突っ伏している。
それは昼休みの事。Ecritureのイメージに沿った曲にするか否かを聞くために上級生教室まで赴いた。教室にいた燿を呼び出してもらい、廊下でその事を聞くと---------
燿「いや、無理にそれに縛ると曲創りしづらいだろうから、そればかりに固執する事はないよ。好きに作曲してくれていい」
という返答だった。しかしそれがまた悩みどころで。水着で歌う以上、やはり夏の海っぽい曲にするのはいいとして・・・・曲イメージだけでも示してくれたらよかったのにと思ったり。
という事を様子を見に来てくれた美久に言うと、どうしたものかと美久も小首をかしげる。
いまから全てを創りなおすには時間は惜しい。どんな曲にするかは今日辺りに決めておきたい。美久と話し合い、日が暮れるころにはすこし曲創りが進んだ位進める事が出来た。つまりはイメージを固める事が出来たのだ。
イメージはユニットイメージのピュアなる恋の歌。ただし、ワンパターンな恋の歌ではなく、歌詞もいままで考えたものと真逆のものに変えている。
何と真逆にしたのか。それは出来てからのお楽しみ、とは乃愛の談。
1週間して完成した曲を聞いた燿、アイリーン、輝莉、星名の反応は1発OK。このまま振り付け考案に進む事になる。
衣装の方はもう出来上がっている。布地が少ないうえに可愛いデザインの水着と元々決まっていたので、曲より先に出来ていた。
早速試着。着替えている間は燿はもちろん部室の外にいたが、着替え終わって中に入る事を許可されて入ってみると・・・・
輝莉達のビキニ姿がそこにあったが・・・・
なんとも・・・・なにか不足している気がする。
分かっている。胸の大きさ。外国人とのクォーターのアイリーンは本人にサイズを聞いたわけではないが、80は軽くあると思っている。
特に何の変哲もない普通の家庭に育ったEcritureの3人、しかも中学1年生にそれを求めるのも・・・・それは分かっている。
分かっているのだが・・・・
アイリーンと交互に見る燿の考えている事が分かったのが、輝莉達はプンスカと機嫌が悪くなる。
輝莉「あ、いま胸をアイリーン先輩と比べましたね!!」
乃愛「え・・・・えっちです!!」
燿「あ・・・・いや・・・・その・・・・ゴメン」
星名「でもビキニだとしょうがないよねぇ〜。そこに目がいっちゃうのは」
そう言ってビキニの上から自分の胸を触る星名。なんとなく3人の中では一番あるように見える。
アイリーン「いやらしい」
燿「グサっ・・・・!!」
星名「まぁまぁ。風祭先輩も男の子だし。ある意味正常?」
燿「いちおう断っておくけど、そこばかりみてるわけじゃないからね?響介じゃないんだから」
響介「呼んだ?」
輝莉「わっ!!出てきた!!」
アイリーン「帰りなさい。呼んでないですから」
響介「まぁまぁ。全く用事がない訳じゃないんだから。ホレ兄弟」
響介が投げて寄越したのはUSBだった。何が入っているのかとパソコンに差してみると・・・・
○○高校、○○女子高、○○学院、○○中学というタイトルが入った動画が十数ファイル入っていた。ただの盗撮画像だろう。個人的には見てみたいが、女の子もいるので後にしておこう。と思ったが響介が今見ろというのでファイルを開く。
すると・・・・再生された動画は・・・・女の子が歌って踊っている姿だった。あとマラソンやら筋トレしている様子なども映されている。
燿「これは?」
響介「パッと見、盗撮ファイルにみえるけど、関東予選に勝ち進んだユニットの動画だよ」
「「「「「えっ!!」」」」」
全員して再生される動画をみた。県予選を勝ち進んだだけの事はあり、皆レベルが高そうな歌と踊りをしている。
アイリーン「貴方は何を撮りに行ってらしたの?余所の学校の盗撮動画ではないですか!!」
響介「盗撮じゃなくて偵察だよ」
当日前にスパイ行為をしていいのだろうかとも思ったが、結局全部のファイルを見てしまう。一筋縄ではいかなそうである。
そしてその先には東日本予選、そして決勝戦。
勝てるかどうか不安になる・・・・。
輝莉「月乃宮先輩達はこんな大会で優勝したんですよね。すごいなぁ」
乃愛「私達で勝てるでしょうか・・・・」
燿「まぁ3位以内に入れば勝ち抜けるし、水着で歌うという奇を狙ったものだから他の学校とは違う事をやってるし、審査員のポイントはそこそこ行くと思うけどな」
星名「奇を、狙いすぎてる気がするけどなぁ」
皆して苦笑。響介の撮ってきた盗撮・・・・いや偵察動画を見る限り、水着で歌うところはない。そりゃそうだ。
あとは曲次第なところだが、曲の出来はいい。ただ夏の恋の歌は動画を見る限り被っていると見受けられるが・・・・そこについてはもう時間もないのでそのまま行くことにする。
輝莉「じゃあ振り付け頑張るね!!」
乃愛「がんばりましょう」
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