中に入ると薄暗い空間が広がっている。
衝立で仕切られた通路を進む。数分すすんだところだろうか。牢屋のようなところに入っている某国民的ロールプレイングゲームのくさった死体のようなものが檻を揺らしてこっちを見ている。また別の檻には・・・・倒れている死体がビクビクと痙攣し、背中から薄い何かが出ている。’出来たて死体から幽霊が出ている’状態でも表現しているのだろうか。
次にでてきたのは・・・・墓地のような所。特に先ほどのようなゾンビなどは・・・・・・・・いた。いくつかの墓地や棺桶からでてくるのがいる。あとは人魂のような墓石を周回している灯りのようなものもある。人魂やゾンビはこっちをおそってくるような事はないようだが、遊園地のお化け屋敷としてはなかなかの作りだ。そういえば入口の案内看板に本物の霊能者監修だから心臓の弱い人、こういうものが本当に苦手な人は入らないようにという注意書きがあった気がする。
(本物・・・・かぁ。もしかして御三家監修だったりしてね)
なんて思っている余裕は蛍にはある。なにせこの夏、姉について悪霊退治をしてきたし、つい最近1人で幽霊退治もした。完全に本物の悪霊を相手にした蛍にとってこの作り物のゾンビや人魂は大して驚くものでもない。ただ、館内BGMのおどろどろしい曲はちょっとだけこわさを助長している程度でしかない。
さて。傍らにいる恋美はとふとみると・・・・
蛍「っ!!??」
気づかないうちに完全密着していた。腕組して辺りを見回す恋美。腕組みというかは蛍の腕に抱き付いているような状態。それに気づいた蛍は幽霊屋敷よりそっちに驚いた。
恋美「あ・・・・う・・・・はぅぅ・・・・」
身体を振るわせてちょっと半べその恋美。これは・・・・本気で怖がっているようだ。博人に言われて男をアピールできると思って入ってみたものの、ここまで怖がるとちょっと申し訳ない気持ちになる。
恋美「はぅ・・・・ぐすっ・・・・えぅ・・・・」
半べそというか・・・・泣いてしまった。マズい。ここまで怖がるとは。泣かせる気など全くなかった。とりあえずここは早く出口まで向かってしまおう。蛍は恋美の肩を抱き寄せる。
恋美「・・・・・・・蛍・・・・?」
蛍「ごめん。はやく出口にいこう」
蛍は恋美の手をカ強くつなぐと、出口に向かって歩き出す。途中2人を驚かそうとでてきたゾンビや幽霊のような何かだが、脇目もくれずにただひたすら出口へ。
どのくらい歩いたのか。やがてみえた出口を出るとホッとひと息。だが・・・・・・・・・
傍らでマジ泣きしている恋美をみると・・・・胸が痛い。心が痛む。
ちょっと怖がるくらいと思っていたのに・・・・泣く程ダメだったとは・・・・。申し訳ない気持ちもあるが、いつも勝気な恋美がこうして泣いているのをみると・・・・素直に可愛いなとも思ってしまう。そしてやはり草薙家の子でも女の子なんだなとも。
蛍はそっと恋美を抱きしめた。
蛍「ごめん。そこまで怖がりだと思わなくて」
恋美「いいわよ。でも・・・・」
蛍「でも・・・・?」
恋美「手を引いて出口まで連れてきてくれた蛍がカ強くてちょっと頼りになった・・・・かな?ちょっとだけ見直したよ☆」
と笑顔で言ってくれた。この笑顔をみると胸が高鳴る。やはり蛍は恋美が好きなのだ。相手がどう思っているかは分からないが。
すくなくとも・・・・怖がらせたマイナスポイントはあったかもしれないが、最後はいい印象になった・・・・と思いたい。
それからは怖がらせたお詫びとして恋美に乗りたいところを巡った。夕方までタップリと遊び、遊園地を出る。そのまま2人一緒に帰り、本日のデートは終わったが・・・・
・・・・全体を通してわりと良いデートだとは思う。ただ幽霊屋敷の点がどうなったかにもよるのだが。
今日のデートで恋美の気持ちはどうなっただろうか・・・・?
-----------------------------------FINALへ---------------------------------
ログインしてコメントを確認・投稿する