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2016年07月02日09:28

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夏の思い出に(5)/SS

園内に入った2人。恋美に引っ張られる形で連れてこられたのはジェットコースターだった。アトラクション説明の看板を見ると時速180キロはでる園内最速コースターとある。

時速180キロ・・・・。一体どんなスピードなのだろうか。『注意書きに心臓が弱い人は乗らないでください』と書いてある。

いやそれより。いきなりジェットコースターとは如何なものか。人気なんかどうかは不明だが、既に長蛇の列を成している。他から回らないかと打診してみたものの、乗ると言って恋美は並び始めた。


蛍「あのさ・・・・空いた頃に来た方が・・・・」

恋美「そう思うでしょ?皆そう思うからこそ最初に来たのよ。裏をかいて先に来たの。たぶん後回しにしたらもっと並ぶハメになるとおもうわ」


そう言われるとそうかもしれない。蛍と恋美はその’園内最速’を謳うジェットコースターの列に並んだ。


それにしても・・・・怖い。怖いが口には出来ない。デート中だし、情けない印象は与えたくない。


恋美「・・・・なに?コワイの?不安そうにしてるけど」


顔に出ていたらしい。大丈夫だと言うが、やはり怖い。ジェットコースターは蛍は苦手の部類なのだ。じゃあなにならいいのかと聞かれてしまうと答えに窮するが。
とりあえず怖いのを隠し、不安なだけというアピールをしておこう。


蛍「怖いというか・・・・時速180キロってどんな世界なのかなって・・・・」

恋美「ああ・・・・うん。大丈夫よ。新幹線より断然遅いから」


と笑顔で言う。楽しみで仕方ないというのがみてとれる。このアトラクションは最近完成したらしく、恋美も乗ったことはないらしいので愉しみだという。

会話の話題ストックはあまりないなりに会話をして30分。ようやくあと10分待ちというところまできた。もう先に乗った人の悲鳴がリアルに恐怖感を煽る・・・・。


恋美「ねぇ蛍。失神したりしないでね?恥ずかしいから」

蛍「ダ、ダイジョウブだよ。いつも女装してるけどこれでも男なんだよ」

恋美「ホントかなぁ・・・・」


順番になりコースターに乗り込む。恋美は横に座る蛍をみると、大丈夫とガッツポーズでアピール。逆に嘘っぽいが---------


1周して戻って園内のベンチで座る時には・・・・蛍は死んだ魚のような目をしてグッタリしていた・・・・。


恋美「なによ。大丈夫っていってたくせに。恋美なんて平気よ?」


平気というか、もう1回乗ろうとまで言う恋美をなんとか説得。今やさらに長蛇の列になってしまったあの園内最速コースターは並んでいる間に昼を過ぎてしまうだろう。


恋美「まぁそうね。待ってる時間があったら別のに乗れるもんね。次はどこにいく?」


そう聞かれて遊園地の案内図をみて・・・・ちょっと涼もうと超巨大プールをスワンボートに乗って漕ぐ乗り物を打診すると、恋美も涼みたかったのか同意の意を得られた。


今度は死ぬ思いをしなくて済みそうだ。2人は手をつないで歩きだした。無意識か意識してかは分からないが、自然に手をつないでいた。



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