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2016年02月07日09:39

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人知れずの(5)/SS

ロキがバーベキュー会場(という名の宴会会場)へ戻ると、タルダロスが手を引っ張って鍋の前まで連れられて座らされる。5人は安堵した様子でロキもみている。アリアは戻ってくると信じていたが、他の4人は戻ってくるかは疑問だったらしい。

あんまり信用されてないんだとわかり、ちょっと悲しいような・・・・。しかしまぁまだ更生中という事もあり、仕方ないとしておく。悲しむのは心の中だけにする。


タルダロス「いやぁ戻ってくるとはなぁ。まぁ1杯やれや」


そう言って缶ビールをロキに手渡す。


タナトス「いや。向こうに行くと言いに戻ってきただけかもしれんぞ?」


タナトスはそんな事を言う。それに「まさか」と思うネメシスと「もどってきてくれたんですよね?」とちょっと不安そうなエキドナ。やっぱりまだ信用されていないようである。アリアは祈るように手を組んで見つめてきている。次の言葉を待っているようである。


あんまり信用されていないようだし、ここはちょっとイジワルをしてしまおうと、おどけて肩をすくめて「さぁて、それはどうかなぁ?タナトスの言うように、一言いいに戻ってきたかモネ?」なんて意地悪を言ってみると、アリア以外が信じてしまい、空気が取り押さえようと張り詰める。


(このくらいの冗談が信じられちゃうなんて、ホント信用ないんだなぁボク・・・・・・・・げっ!?)


肩をすくめてふとアリアをみると-----------------



泣いていた。手を組んで見上げたまま。ロキを見つめて涙を流すアリアをみて大きくのげぞった。


ああこの人はこの程度の冗談でも信じ、泣いてしまうのか。なんて純粋無垢で・・・・清らかな心をもっているのか。自分とは真逆の存在。そんな気がする。いや、実際真逆だ。よくそれで人間文化の監督人をやっているものだ。場合によっては手を下さなければならないと言うのに。


この人には無理ではないだろうか・・・・・・・・。


まぁとりあえずこのまま泣かせておく訳にはいかない。すぐに今のは嘘だと訂正する。すると今度はニッコリ笑顔で「よかったぁ〜・・・・」なんて言う。泣いたまま。その笑顔がまた春のうららかなあたたかいひざしのようで、つい頬も緩む。


(しかし・・・・この人は嬉しくても悲しくても泣くんだネ・・・・。これでホントに一児の親かね?)


封印前、最後の晩餐といいつつ開かれた宴会の席で、アリアは観月輝弥だった頃、転生前の草薙宏樹という博人と観月陽子の息子と結婚して子供を出産。その後すぐに人間文化の監督人になってしまい、夫の宏樹とまだ乳幼児だった子供と別れた経緯を聞いている。


この人を見ているとどうも・・・・子供を出産した人とは思えない。まだ中高生くらいの女の子のような人だ。実際その晩餐宴会時に聞いた歳は当時まだ10代だったという。ならいまでもそのくらいだろうか。とはいえ、何百年と生きる神の年齢など、たいしてアテにもならないが。



タルダロス「ホントに冗談なんだろうな?」


ロキ「冗談も冗談。皆信じてないようだったから、ちょっとイジワル言ってみただけサ」


ネメシス「驚かせないで下さいよ。いえ、信じていないわけではなかったのですが・・・・」


エキドナ「うん。でも・・・・それじゃああの人達とはこれからは・・・・」


ロキ「ま、敵同士、って事になるカナ。ケイオスに教わったこのロプトウス、どこまであいつらに通用するかわからないケド」


タナトス「まぁこれから頑張ろうか。まぁ飲め」


アリア「よかったです。ロキさん。これからもよろしくお願いしますね」



春の陽だまりのような微笑みでそう言われ、そっぽ向きつつ「ああ、うん。ヨロシク・・・・」と呟く。なんかこの人の笑顔は照れる。別に好きになったとかではないが・・・・これはこれで卑怯な笑顔だ。



何はともあれ、ケイオス達と決別の戦いになるロキ。皆でサポートしてやろうと話しつつ、鍋アンドバーベキューパーティは深夜まで続いていくこととなる。




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