ケイオス「どうした。攻めてこないのか?」
戦が始まっておよそ10分。千百合はずっと剣を避け続けていた。とはいえ、ビュンと風鳴り音とともに振られる剣は全く身体的鍛錬をしていない千百合によって紙一重で避わす話だった。一瞬でも反応が遅れたら真っ二つ。そんな状況だった。
精神的にも身体的にも厳しいとしかいえない。とてもこのままでは博人達が来るまでもたないと悟った千百合は時間稼ぎに話をしてみることにした。
千百合「あ、あなたね・・・・!!丸腰の女の子に本気で斬りかかってきて恥ずかしくないの!?」
ケイオス「丸腰で立ちはだかった、貴様ら自身が悪いのだろう?何とも思わん」
それを言われると何も言い返せない。犠牲はでてしまったであろうが、準備をしてきたほうがよかっただろうか。・・・・いや、4人共、そんな事ができる性分ではない。目の前で殺されそうになっている人々をそのままにして準備するなんて出来ない。
かといって・・・・このままでは。千百合は目だけ動かして周囲状況・・・・他の3人の戦況をみた。
ヘルモードと戦っている青葉は身体のあちこちに切り傷が確認できる。制服も刻まれて、白い肌が露わになっている。ジワジワ攻めたてようという事だろうし、制服を刻まれる事により、恥辱を与えられる・・・・豊満な胸も半分露わになっている。ヘルモードのやりそうな事だ。鞄に忍ばせていたらしい刃渡り30センチくらいの短剣に霊力を付与して応戦しているが・・・遠慮なしのヘルモードの攻撃に対応できていないようだ。
ソールと戦闘中の凛花。常に腰に帯刀している凛花はいつも通りに戦ってはいるが、実力差もあるようで、腕に出血がみえる。救いなのは利き腕からではないところ。動きに劣っているわけでもなさそうだが、剣と槍ではリーチ差もある。実力差とリーチ差でジワジワと追い詰められているようだ。
大男エーギルと戦うは向日葵。小学生でもさらに小柄の身体の向日葵は、4トントラック並の巨大な白い狼にまたがっていた。冬野家の式神の1体、ハティだ。巨大な身体でエーギルの斧をかわしながらのハティの爪や噛みつき攻撃。こちらはなかなかいい勝負をしているが、いくら大狼とて、あの斧があたったらひとたまりもないだろう。ハティの体力次第の勝負となろう。
全体的にみて、不利と言わざるを得ない。善戦しているのが向日葵とハティだけ。
ケイオス「人間の女だてらによくやったと誉めてやろう。褒美に苦しまずにひと思いに殺してやろう」
ケイオスが剣を上段に構える。まだ体力は残っているが、ケイオスの本気の斬撃が果たして避けられるか-------------
おそらく無理だ-------------
(でも・・・・負ける訳にはいかない・・・・!!)
その思いに応えたのだろうか。ネックレスが光り輝いた。今までのような暗がりでしか視認できないものではなく、日中でも光っているとわかるくらいに。
千百合「あ・・・・!!」
ケイオス「なんだそれは」
視界の隅で、ほかにも発光している様子がみてとれた。
光っている。4人の創生器が。
『テンプルム-------』
不意に頭の中に1つの単語が響く----------
『テンプルム--------』
(もしかして・・・・これがキーワード・・・・?なら・・・・!!)
千百合は首から十字架のネックレスを外し、その言葉を口にする。
千百合「テンプルム・・・・!!」
-----------------------------SCENE(6-2)へ-------------------------------
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