出発の前日の日。
荷物の配送を頼んでやる事の無くなった輝莉に律音が訪ねてきた。
いる訳がない人が・・・・。
もう帰ったと思っていたが、どうやら一緒にフリステスに行くつもりでずっと実家にいたらしい。
日中を律音と遊んで過ごし、夜。
一緒のベッドで向かい合って横になる。律音は問うた。「覚悟は出来たのか」と。何の覚悟、とは問わない。フリステスでしのぎを削って頂点を目指し、その座を奪い合う覚悟に他ならない。もちろん練習などで心折れるかどうかという事も含まれているだろう。
正直・・・・「大丈夫」とは言えなかった。出発直前になって不安になってきているのかもしれない。
返事が出来ない輝莉を律音はそっと抱きしめる--------------
そしてニッコリ笑顔でこう言った。「大丈夫。1人じゃないよ」と。確かに1人ではない。しかもそばにいてくれるのが編入する歌唱科のエトワール3人組。心強い味方である。
輝莉「そうですね。律音先輩がついてくれてますもんね」
律音「ね?そろそろその律音先輩ってのやめない?」
やめない?と言われても。1年先輩であり、フリステスでも先輩になる訳で。というのは律音はお構いなしだった。
律音「律音ちゃんでもいいんだよ?あ、つばちゃん(翼の事)みたいにりっちゃんでも☆」
先輩でエトワール様に恐れ多い。しかしとりあえずせめて------------
輝莉「では律音’さん’で」
律音「きゃっか〜♪」
「きゃっか〜♪」と笑顔で言われても。
律音「まぁ呼び方についてはおいおいでいっか。最終的にはりっちゃんで〜☆」
りっちゃんをご所望のようだ。そのうち呼べるように・・・・なるだろうか・・・・。
律音「いま、そのうち、とか思った?じゃあ矯正しよっか」
輝莉「矯正?」
律音「そ。私のルームメイトになってどんどん矯正してくの。ど?いいアイデアでしょ〜?」
ルームメイトシステムなんてあっただろうか。確か全員個室だった気がするが・・・・
だが断るのはどうだろうか。英語を教えてくれそうだし、個人練習とかアドバイスももらえそうだ。そしてなにより。日本語の通じる相手が一緒にいてくれるのは本当に心強い。
呼び名矯正はとりあえず置いておいて、了承する事にした。それを伝えると頬を膨らます律音。まぁ1歳しか違わないし、そのうち’りっちゃん’と呼べるようになれたないいなとは思う。
そんな会話で楽しんで、2人で手をつないで眠った。
明日はとうとう出発の日だ。一緒に眠っているこんな事をいっては何だが、可愛い先輩と一緒にフリステスで競っていくのだ。
頑張ろう。いろいろと。
頑張ろう・・・・まずは・・・・明日のお別れを------------------
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