mixiユーザー(id:5316474)

2017年11月26日12:36

230 view

新曲特訓と夏休み(4)/SS

8月上旬。律音達の発声練習を始めて1週間は経過した。


その成果、輝莉達はどうなったかというと・・・・


喉をおかしくしていた。3人共、声が掠れている。あきらかにやりすぎである。律音、ミーナ、リルムでこの練習をどうするかを話し合ったが、とりあえず3人の意思を聞いてからにしようという事に。

このまま・・・・フリステスの発声練習を続けるか否か。輝莉達はもう少し続けたいとはいうが、やりすぎて本番で声がでなくなりましたでは話にならないし、場合によっては棄権もありうる。


リルム「ん・・・・キーを下げれば負担は減ると思うのですが・・・・」

ミーナ「カギ、高かったデースカー?」

律音「どする?」


律音は輝莉達に問う。確かに下げてもらえれば喉の負担も減るし、練習で高い声を長時間出さなくて済む。しかしフリステスのエトワール様が創ってくれた曲。できればいじらずにモノにしたいと思っている。


練習を切り上げ、帰宅途中-----------


乃愛「やはりフリステスに通えるだけの資質を持った方達でないと厳しいのではないでしょうか・・・・」


星名「私達、一般人だもんね〜」


輝莉「・・・・・・・・・」



もっと練習しないとモノにならなそう。しかし律音達によって過剰な発声練習は止められている。喉をダメにしてしまう危険性もあるとの事で。それは身をもって分かっている。


帰宅し輝莉は考える。止められてはいるが・・・・やらないと・・・・と。公園に出かけてみると・・・・


律音がいた。律音は噴水の淵に座ってノートを見つめていた。輝莉に気づくとニッコリ笑顔。何をしているのかと尋ねながらノートを覗き込むと・・・・


スコアノートだった。しかも輝莉達に提供した曲の。シャープペンでいろいろと書きこまれている。


輝莉「これって----------」


律音「輝莉ちゃん達はこのまま発声練習を続けるって言ったけど一応、ね」


音符が全体的に低く書きこまれていた。要するに、キー下げ作業をしているのだ。そしてキーを下げても違和感のないように曲の編集も並行して行われているようで、MP4プレイヤー持参。


輝莉「やっぱり・・・・駄目ですか・・・・?」


律音「フリステスの発声練習は結構きついからね〜。通える実力があった子でも喉をつぶす人もいたし」


フリステスに通えるだけのカをもっていてもきつい発声練習。どうりで自分達は1週間もたたずに喉を傷めている訳だと納得する。入学1ヶ月は発声練習に費やされる。それでやっと授業が始まる。


輝莉「フリステス学校に通えるだけの人が1ヶ月も発声練習を・・・・。じゃあ・・・・」


発声練習で1ヶ月も使っていたら歌の練習も振り付け練習も出来はしない。


律音「発声練習だけに時間使えないでしょ?それにさっきも言ったけど、喉をいためてて声がでないのに本番をむかえる訳にもいかないし」


それも尤もだ。


律音「ごめんね。私達の感覚で曲創っちゃって。いきなりこんな曲、無理すぎたんだよ。数日だけ待っててね。編曲し直すから」


といいつつノートにさらにいろいろと書きこみ続ける律音。なんだか申し訳ないが、ここはお言葉に甘えるしかない。

輝莉は律音の隣に座った。そしてその横顔をみつめる。


折角創ってくれたのに申し訳ないという気持ちが沸き上がるしかし自分達には無理という気持ちもあった。



律音「今度さ、東日本選抜が終わった頃なんだけど、月乃宮アリーナでフリステスのコンサートやるんだよ。ぜひきてね」


それは知っている。ニュースでもやっていたし、あちこちにポスターも貼られている。そして学校でも広報部が新聞で宣伝していた。しかしチケットは売り出し即完売という結果で全く学校の誰も手に入れる事が出来なかったという。


輝莉「行きたいのはやまやまなんですけどね。だれもチケットがとれなかったんですよ。友達もぜ〜んめつ」


律音「あ、だいじょーぶ。これあげるから」


とスコアノートに挟まれた細長い紙を輝莉に渡した。それはその件のチケットだった。しかも・・・・


『エトワール特別優待券』と書かれていた。席は・・・・最前列・・・・。それはエトワールだけが渡すのを許可されている券で、これを提示すると楽屋まで入っていけるらしい。


輝莉「いいんですか!?こんなのもらって」


律音「うん。燿君を含めた部員分用意してあるから皆に渡しといてね。これ編曲がおわったらリハとかで忙しくなっちゃうからあんまり顔をだせなくなるから」



輝莉「わかりました」


輝莉は全員分のチケットを受け取って公園を後にした。


全体的にキーが下げられる編曲。そんな作業をさせて申し訳ないという気持ちと自分は一般人だし仕方ないという諦めと。そしてちょっとの・・・・まだ諦めきれていない気持ちも。


輝莉は公園に戻り、律音に伝えた。「もう少しして駄目だったらキーを下げたものにするからもう少しだけ頑張らせてほしい」と。律音はもちろんニッコリ顔で了承した。ただし、喉が潰れそうな時はもうそこで諦める事を約束して--------------


--------------------------------------SCENE5へ----------------------------------



0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2017年11月>
日 月 火 水 木 金 土
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930