パーティが始まるとたちまち歓談会場と化す。草薙家の代表(兄がいない為)として挨拶するところがたくさんあるらしく、蛍とは別行動。
1人で手持無沙汰な蛍はとりあえず料理をパクつく。その間・・・・告白をどうするかなどと考えてはいない。
あの煌びやかなドレスの恋美を見た途端、釣り合わなさすぎたと感じた蛍はすっかり勇気を失ってしまっていた。
「なにそれ。恋美とつりあう男がいーい」
とか言われて断られたら暫く立ち直れないかもしれない。
などと考えていると、どこかの交響楽団が入場し、生演奏の中、ダンスを始める参加者。
蛍は・・・・もちろん誰とも踊らない。だって、社交ダンスなど踊れないから。
遠目で・・・・恋美をみる。どこぞの男性と踊っていた。誰だろう?ここに来ているという事は、有名人だろうか?
恋美を眺めて3曲。交響楽団のみなさんが休憩にはいり、一時ダンスは休憩時間に。恋美は「あー、つかれたー」とかいいつつジュースを口にしている。
蛍「お、お疲れ様。さすがだね。社交ダンスまで踊れちゃうなんて」
恋美「これでも練習したの、1週間前だけどね」
それで踊れるものなのだろうか。それとも単に恋美がすごいのか。
それはそれとして。3曲踊っていた男性について聞いてみた。恋美は2曲目3曲目と別の男性と踊っていた。2曲目は若い好青年、といった風だが。
恋美「1曲目は誰だったかしら。たしか、映画監督、とかじゃなかったっけ?」
映画監督らしい。特に接点は無いようである。
恋美「次がー・・・・・・・・確か月乃宮グループのごひいきにしてる取引先の御曹司って聞いた事あるけど」
それはそれは。恋美をダンスの相手に選ぶとはお目が高い。・・・・いや、感心してる場合じゃない。
3人目はテレビで見たことがある。芸能人、ではない。たしかニュース番組で討論していた政治家、ではなかったろうか。もちろんおじさん。いいのか?小学生と踊ってて鼻の下が伸びてるのがみえみえだ。ロリコン政治家として世に広めてやろうか。
恋美「ね、みててどうだった?」
蛍「え?いやさっき言ったでしょ?社交ダンス踊れてすごいな、って」
恋美「・・・・・・・・それだけ?」」
蛍「・・・・それだけ・・・・だけど・・・・?」
それを聞いた恋美は溜息・・・・??
まぁ言った事は嘘だ。本当は胸が痛いほどやきもちをやいていた。だが自分は踊れない。交響楽団の休憩が終わって再び演奏の準備を始めたが、自分は恋美を誘えない。だって・・・・踊れないから。恋美に恥をかかせるから。
くやしい。くやしいが・・・・ここは恋美の為に---------
恋美「再開したようね。じゃあ行くわよ」
と蛍の手を取った恋美。行くってどこへ?と思っているとどんどん社交ダンスの場に向かっていく・・・・
蛍「あ、あの、ボク、踊れないんだけど・・・・」
恋美「でしょうね。でもいいんじゃない?楽しんだもの勝ちよ」
楽しいのだろうか。踊れない自分と踊って。もちろん蛍自信は嬉しいが・・・・
蛍「でも、恋美さんに恥をかかせるだけだし・・・・せっかくパーティに来た人に好印象なのに・・・・イタっ!!」
蛍は恋美にチョップを頭に受けた。もちろん痛くはないが、なんか反射的に口から出た。なんなのコレ。いやそうではなく、なんでチョップを受けてるの。
恋美「ウダウダいってないでサッサとやる!!」
蛍「え?うわわわ」
曲がはじまってしまった。蛍はとりあえずそれっぽく踊ってみる。恋美はそれに合わせてくれる。傍から見たら「こいつら社交ダンスわかってるのか?」と思われたかもしれない。だがそれでもよかった。憧れの恋美と踊れているのだから----------------
踊った後はまた歓談の時間となる。恋美はこんどはどこにもいかず、蛍と一緒にいてくれた。
だが・・・・告白は出来ず、結局変えるまで想いを口には出来なかった------------
恋美「さ、帰るわよ。最後までエスコートしなさい」
蛍「う、うん・・・・。はぁ・・・・どうしてボクはこう・・・・」
恋美の後を追うように月乃宮邸を出た。結局プレゼントすら渡せず終い。このまま-----------
終わってはいけない。最後のワンチャンス、帰り道。これでダメならもう勇気はでないだろう。
恋美はパーティの感想を色々言っているが、蛍はそれを聞かず、また、話を打ち切るように恋美を呼んだ
ちょっと声が大きめだったのか、ちょっと驚いたような顔で見上げてくる。今だ-----------
蛍「こ、恋美さん。もっと早く渡したかったんだけど・・・・クリスマスプレゼント」
と言って小箱を渡す、渡された小箱を受け取ろうとして手を伸ばすが、蛍は手を離さない」
恋美「な、なに?プレゼントとかいっといてくれないつもり?」
蛍「いや。話はこれだけじゃないんだ。恋美さん。ボクはあなたが・・・・・すきです!!」
恋美「っ!!??」
言った。とうとう言ってしまった。さて、恋美の返事は-------------
恋美「く、クリスマスに何言ってんのかしらもう」
そう言って小箱を受け取って箱を開けた、そして中身の髪留めを確認すると・・・・その場で髪留めを付け替えた。
恋美「コレとあんたの気持ち、う、うけとってあげるわ」
蛍「そ、それじゃあ----------」
恋美「で、でもね!!あんた言うのが遅すぎんのよ!!いつからあんたが言うの待ってたか分かってる!?」
蛍「何で怒られてるのボク!?え?いつからって・・・・ええ・・・・?」
恋美「夏からよ夏から!!」
蛍「えええっ!?」
恋美「まったく・・・・遅いのよ・・・・」
そう言って抱き付いてきた。蛍はそっと抱き返す。
蛍「ゴメン。ボクが臆病で。フラれるのが怖くて今日になっちゃった」
恋美「でも、あんたにしちゃ上出来よ。さて、まだ帰るには早いしにいにいも遅いだろうから、もうちょっと遊んでこ♪」
そう言って蛍の手をとって夜の街中を駆けていく。小さな恋はここに実ったのである-------------------
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