翌日。告白の練習の為に月乃宮邸へ赴いた蛍は早速中庭にて---------
蛍「す、好きです!!ぼ、ボクとつきあってください・・・・!!」
セリカを相手にして練習を始めたわけだが・・・・言える事は言えた。ただ、相手の顔を見て言うのが激しく恥ずかしい。それは誰しもが通る道であるが、彼には苦行にも思えた。
蛍「・・・・だめだ・・・・セリカさんでも真正面で言えない・・・・」
セリカ「告白ってやっぱり勇気が要る事ですからね・・・・」
蛍「うん。でもちゃんと正面向いて言えないといけないよね」
セリカ「ですね。わ、わたしなら大丈夫ですから練習を続けましょう。でもなんでしょう?私が告白された訳でもないのに・・・・顔が熱くて胸がドキドキします・・・・」
それは分かる。自分が告白相手でなくても言われているのだから。そして言った本人の蛍も同じ状況である。
セリカ「で、でも頑張りましょうね」
蛍「う、うん」
中庭で蛍の練習を2階の自室で紅茶を飲みつつ見下ろしているアンジュは溜息。
アンジュ「あらあら。本人を前にしている訳でもないですのに難航してますわね」
博人「そういうもんだぜ」
そこに博人もいた。アンジュに練習があると聞かされて一応来てみている。自分の妹がとられるみたいでちょっと複雑だが、蛍を応援している。そして男らしくちゃんと言えるかの様子見。
アンジュ「博人様は愛瑠様に告白された時はどうでしたの?」
博人「今世でか?」
アンジュ「いえ。転生される前ですわ」
博人「あいつがまだ鈴鳴希望だった頃か・・・・いまじゃ普通の真面目な女の子だけどよ、あいつもちょっとツンデレっぽかったからな。恋美程じゃなかったけど、ちょっとは難航したんだぜ」
アンジュ「あら。あの愛瑠様がツンデレでしたの?デレしかないようにみえましたけど」
「今ではな」と付けくわえて蛍の練習を眺める。練習する側も練習台の方も、顔を赤くして初々しい。
博人「あの時は陽子もいたしな・・・・大変っちゃ大変だったな」
アンジュ「・・・・ああそういえば触媒者の方もいらしたのですわね。結局重婚されたとか」
博人「どっちつかずだって笑ってくれていいんだぜ。でも俺にはどっちかを犠牲にしてまで結婚はしたくなかった。希望と陽子も同じだった。それでの決断だった」
アンジュは頭を振った。ただこれだけを聞けばそうなのかもしれないが・・・・選ばれなかった方は死ぬという状況だった。鈴鳴の契約は絶対だったし、また触媒者の契約も絶対なのだ。
アンジュ「懐が大きかっただけですわ」
博人「そういうもんか?」
アンジュ「3人共仲が良くて互いを思いやった結果、ですよ。さて、蛍さんの方は・・・・と・・・・」
話を区切って窓の外を見下ろすと・・・・まだ練習は続けていた。相変わらず2人共顔が赤かったが、話を擦る前とは違って蛍の告白のセリフがなんとなくスラスラでてきているように感じる。
それはそれとして、だ。2階にいる2人に聞こえる声で告白の練習をしなくても。まぁボソボソと言うよりは良いかもしれないが。
蛍の告白の練習は陽が落ちるまで続き、セリカと別れた。
蛍「練習は積んだ。あとは・・・・本人を前にして言えるかどうか・・・・」
帰ろうと月乃宮邸を出ようとしたところ、博人に声をかけられた。門に寄りかかって軽く手を挙げている。
蛍「博人さんも来てたんですか?」
博人「ああ。アンジュがお前が告る練習するって聞いてな。どうだ?見てた限りじゃ言えるようにはなってたようだけどよ、恋美本人に言えそうか?」
蛍「皆が協力してくれたんです。頑張ってみます」
博人「それでこそ男だ。パーティには俺は出られないから結果は後で教えてくれよ」
パーティに来られない?招待されていない・・・・訳がない。ケイオス戦で1番のMVPといってもいい人が呼ばれない訳がないし、月乃宮とも深い親交もあるのに。
と聞いてみると、理由を話してくれた。クリスマス、愛瑠がわざわざ三重から東京まで出てきてくれるという。折角なので2人きりでクリスマスデートをするらしい。
蛍「お姉ちゃんクリスマスに帰ってくるんですね」
博人「そ。だから結果はメールでもいいから教えろよ。愛瑠も気にしてたからな」
出来ればいい結果になってほしいが----------
クリスマスまでもうすぐだ-----------
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