数日後。カラオケ帰りの少女たちの中に、奏鳴はいた。今日のカラオケもいつも通り80点前後だが、当人は歌いまくってスッキリした顔をしている。
ただ1つ、不満な事があるのだとか。
奏鳴「なんでSTAR-MINEの曲ってないのかなぁ。歌いたいのに」
そんな不満を口にした。STAR-LIGHT-PROJECTに出場してはいるが、結局はただのいち中学校のグループで、メジャーユニットではない。故にある訳がない。友人はいつも東京予選の映像をみているのだから、映像みながら歌ったらいいのではないかと言うのだが、奏鳴はカラオケで歌いたいらしい。
奏鳴「あ〜あ。STAR-LIGHT-PROJECT特集とかいって期間限定でもいいから配信しないかなぁ〜〜」
どうやら余程カラオケでやりたいらしい。
どうせなら、と友人は進言する。
「そんなに歌いたいなら、アイドル同好会、入っちゃいなよ」
奏鳴「・・・・へ?」
「あ、そうだね。だったらいくらでもSTAR-MINEの曲が歌えるよ」
その進言に、飛び上がるように・・・・というか飛び上がって驚いた。そんな発想は微塵もなかったらしい。
奏鳴「えええええっ!?で、ででももも、わ、わたしカラオケの点数低いし・・・・!!」
「カラオケなんてただの機械じゃん。人をどれだけ感動させられるか、心に響く歌が歌えるかが重要じゃない?」
「そうそう。テレビでたまにカラオケバラエティやってるけど、歌手でも本人が歌ったって100点でないんだから。カラオケの点数なんか気にしなくてもいいんじゃない?」
奏鳴「そ、そうかもしれないけど・・・・私の歌なんか・・・・人に届くのかな」
「届くと思うよ?私、奏鳴の歌、好きよ?それに」
奏鳴「それに?」
「あの自分の世界に入っちゃって陶酔した顔で歌うトコ、チョーウケるし!!」
「たしかに!!」
「「「「あはははははは!!!」」」」
友人一同、大爆笑。そんなに笑う事無いのに・・・・とは思うが、自覚はあるので反論できない。
歌う事は好きだ。友人の言うように、歌にのめり込んでしまうくらいに。しかしそれが一体なんだというのだろうか?全く分からない。
「え?わかんない?人を楽しませるのには、やっぱり歌ってる人が楽しそうにしてなきゃ。その点では、人に届く歌、歌えてると思うな私」
「そだね。カラオケの点数なんか気にしちゃダメ!!シンデレラだって最初は灰かぶりだったのに、最期はハッピーエンドにしちゃったじゃん」
「そうそう。名づけて、’奏鳴をアイドルにしちゃおう、シンデレラプロジェクト’!!」
・・・・・・・・なんか、どこかに許可を取らなければならなそうなネーミングだが、どうやら友人達は応援してくれるようだ。
奏鳴「・・・・ダメモトで挑戦してみようかな・・・・・・・・?」
「おっし!!そうこなくちゃ!!そうと決まったら、とりあえずはこれに行かない?」
そう言って友人の1人は・・・・スマホであるページをみせてくれた。’八咫神社 夏祭り’で検索されたそのページは、神社の夏祭りの案内らしい。その案内に・・・・餓死寸前のチーターが目の前にシカを見つけたかのような貌で画面に食いついた。
・・・・かじりつかないけど。
その八咫神社は東京の隅田川付近にある神社で、隅田川花火大会が直でみられるスポットでも有名だった。その夏祭りの催しに・・・・奏鳴は見入っていた。
なんとその夏祭りの席で、STAR-LIGHT-PROJECT東京予選1位通過の月宵月華と2位通過のSTAR-MINEのステージが予定されているのだとか。
夏祭りの会場でSTAR-MINEのナマ歌が聴ける。しかも入場無料で。
奏鳴に、「いかない」の選択肢はなかった。行くの一択しかなかった。
「じゃあ決まりね。当日待ち合わせよ」
「オッケー!!奏鳴、遅刻しないでよ?って・・・・するわけないか」
奏鳴「うん!!ステージ2時間前に現地入りして、場所とっとくよ!!」
ガチだった・・・・・・・・
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