2日後。軽音部の練習日に合わせて律音達は軽音部部室へ向かった。近くまで行くともう練習しているのか、楽器の音や歌声が聞こえる。
・・・・聞こえるが・・・・おや?どこかで聞いた声だ。しかもつい最近聞いた声--------------
ドアの窓から中をのぞき込むと・・・・十数人の部員が練習していた。楽器を演奏していたり、歌っていたり。顧問の先生はそれぞれに指導してまわり、練習は熱を帯びていく。
その練習風景で目に入ってきたのは・・・・2日前、部活後に趣味で曲作りをしていた音羽美久がボーカルとして歌っていた。以前話した時のようなちょっと温和な声色ではなく、低い声でロック調の歌声をだしている。しかも・・・・うまい。
これには3人共驚くしかない。ボーカルだというのにも少々驚きだが、その歌唱力に。高い声も低い声も自在に操り、性格な音程で歌うその姿はプログラミングされたボーカルソフトのような正確さだ。
しばらくその歌声を聴いていると、いつのまにかだいぶ時間が経ってしまい、練習は終わりに。片づけをして帰る部員達。やはりまだ音羽美玖は居残りで椅子に座り、ベースを手に曲創りを始めた。いや、2日前の続きだろうか。1人になった今、声をかけるなら今だ。
律音「こんにちわ〜」
美久「あ・・・・あなたたちは・・・・」
アイリーン「すばらしい歌声でしたわね。時間も忘れて聴いてしまいましたわ」
美久「き、聴いてたんですか!?は、恥ずかしい・・・・」
アイリーン「いまさら何を。あれだけ大声で熱唱しておいて」
流奈「そうそう。いまさら恥ずかしがってもしょうがないじゃん。大会とかじゃ、お客さんの前で歌うんでしょ?」
美久「い、いえ・・・・私はその・・・・アンダーなので・・・・」
アイリーン「アンダーって・・・・メインでやっている人の調子が悪かった場合に代わりに出る人・・・・だったかしら」
流奈「え?あれだけの歌唱力で代打?ウソでしょ?」
美久「嘘じゃありません・・・・。私、人前ではちょっと・・・・すごく緊張してしまって・・・・・」
アイリーン「人前では声が出なくなってしまうと・・・・もったいないですわね。ねぇ律音」
流奈「そうそう。伝説を継ぐ者としてはどう?やっぱりもったいないって思うよね?」
律音「そうだね。せっかくの歌声なのに」
美久は伝説を継ぐ者って何だろうと思ったが、言い出せず、そのまま話が進んでいく---------
アイリーン「まぁそれはそれとして。律音。話を始めましょう」
律音「うん。そだね。えっとね美久ちゃん。今日はお話があってきたんだ」
美久「・・・・私に・・・・?」
律音が事情を説明すると、高速で首を横に首がもげそうな勢いで振った。
美久「ム、ムリムリムリムリムリ!!絶対ムリです!!緊張しすぎて大会で歌えないのに、テレビやネット放送や大勢の観客の前で歌う全国大会だなんて!!」
流奈「でも、作曲もできてあれだけの歌唱力もあるのにもったいないよぉ」
アイリーン「しかしこれは性格の問題ですので無理強いもできないですわねぇ」
美久「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ごめんなさい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
律音「あ、いいのいいの。あ、一応夕方、いつも1時間くらい練習してるから、興味があったら見に来てねっ」
律音はいつも連取でつかっている空き教室の場所を伝え、軽音部部室を出た。3人が出ていくのを見送る美久・・・・。
美久「STAR LIGHT PROJECT・・・・かぁ・・・・」
ちょっとは実は興味はあった。アイドル全国大会。しかし性格的に人前で歌うのが困難な美久には到底でられないと思っていた。律音達がうらやましい。自分もそれだけの部隊度胸があれば・・・・
美久「いつも練習してるって言ってたよね・・・・明日の放課後・・・・見に行ってみようかな?」
性格的に無理とはいえ、それでも興味が拭えない。どんな練習をしているのだろう。翌日行ってみる事にした。
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