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2025年07月26日07:41

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【特別編】前田日明のYouTubeにおける問題提起について(104)

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08年12月17日付の日刊スポーツ紙に日本テレビの「プロレスリング・ノア中継」が翌09年3月一杯で放送が打ち切りとなる記事が掲載され、多くのプロレスファンに衝撃を与えました。

日本テレビとプロレス中継との関わりは54年2月19日蔵前国技館での日本初のプロレス国際試合、力道山&木村政彦組vsベン&マイクのシャープ兄弟の試合を生中継した時からであり、テレビの普及と共にプロレスは繁栄して来ました。

63年、力道山が亡くなった時は「これでプロレスの灯は消えた」とまで言われましたが、豊登、吉村道明らの新路線を日本テレビ、メインスポンサーである三菱電気、広告代理店大手だった博報堂が支え、新しいスターであるジャイアント馬場の活躍で日本プロレスはかつての栄光を取り戻しました。

69年、NET(テレビ朝日)が日本プロレスの中継に名乗りを上げ、猪木を看板エースに同一団体2局放送時代に突入。71年暮れ、猪木は会社乗っ取りを企てたとして日本プロレスを除名、追放処分となりました。

自局のエースを失ったNETは日本プロレスに対し、馬場の試合放送を要求。放送開始時、「馬場、坂口の試合とワールド・リーグ戦はNETに放送させない」という日本テレビとの約束を日本プロレスは反故にし、馬場は翌72年4月3日新潟市体育館からNETに登場。

これに怒った日本テレビは5月12日、東京体育館での馬場vsゴリラ・モンスーンの第14回ワールド・リーグ戦決勝を最後に日本プロレスの放送打ち切りを発表。

同年7月、馬場が日本プロレスに辞表を提出し全日本プロレスを旗揚げすると10月から毎週土曜午後8時より「全日本プロレス中継」の放送を開始。

金曜午後8時というとNET「ワールドプロレスリング」のイメージが強いですが、日本プロレス時代は日本テレビの「日本プロレスリング中継」が力道山の時代から金曜午後8時から放送されており、NETは放送開始当時は水曜午後9時からの録画中継であり、70年4月6日より月曜午後8時からに昇格。この時点で既に坂口の試合とワールド・リーグ公式戦はなし崩し的にNETで放送されていました。

72年の日本テレビの放送打ち切りでNETは7月28日放送分から従来の月曜に加え、金曜午後8時からの週2回、日本プロレス中継を放送、しかし馬場の日本プロレス離脱による視聴率不振から、同年10月の改編期から金曜午後8時のみの放送となりました。

日本テレビは金曜午後8時にプロレス中継の後番組として石原裕次郎主演の刑事ドラマ「太陽にほえろ!」を放送開始。かつての日活映画の大スターだった石原のテレビドラマ主演は当時としてはサプライズでグループサウンズ「ザ・テンプターズ」の元ヴォーカルで女性人気の高かったショーケンこと萩原健一の「マカロニ刑事」で人気爆発。今までになかった青春刑事ドラマとして好視聴率を誇る看板番組となっていました。

72年10月に放送を開始した日本テレビの「全日本プロレス中継」は土曜午後8時という時間帯で視聴率的には苦戦。

10月7、14日は旗揚げ前に渡米した馬場のアメリカでの試合を収録したものと、過去の馬場の名勝負を放送。

21日、町田市体育館での旗揚げ前夜祭を生中継(メインイベントは馬場&サンダー杉山組vsブルーノ・サンマルチノ&テリー・ファンク組のタッグマッチ)しました。

裏番組に当時子供達に絶大な人気のあったTBSの「8時だヨ!全員集合」があり、日本プロレス時代のような視聴率を獲得するのは難しくなって来ました。

一方、馬場、猪木の抜けたNETテレビの方も視聴率の低下に歯止めがかからず、73年、坂口征二が新日本プロレスに移籍したのを契機に4月6日放送分から新日本プロレスの中継に切り替えました。宇都宮市スポーツセンターからの生中継でした。(坂口征二vsプロフェッサー・バーン・ジール、猪木&柴田勝久組vsジャン・ウィルキンス&サイクロン・ソト組のダブルメインイベント)

テレビ放送を失った日本プロレスは4月20日群馬県吉井町体育館大会を最後に19年に亘る活動を休止。

力道山家(百田家)の仲介により、大木金太郎以下所属選手は馬場の全日本プロレスへ。これを機に、馬場の全日本=日本テレビ、猪木の新日本=NETテレビという対立の図式が出来上がりました。

日本人選手が手薄だった全日本プロレスはミュンヘン五輪アマレス日本代表の鶴田友美(ジャンボ鶴田)をスカウト、ザ・デストロイヤーの日本陣営加入、さらには日本テレビとキョードー東京が中心となってオランダの柔道王アントン・ヘーシンクをプロレスに転向させました。

しかし、NETをバックにつけた新日本プロレスは猪木vsタイガー・ジェット・シンの因縁の抗争を初め、ストロング小林、全日本プロレスを離脱して韓国へ帰っていた大木と猪木の死闘、さらに一連の格闘技世界一決定戦シリーズで日本テレビを上回る視聴率を取っていました。

また、絶対的なコンテンツとして日本テレビはプロ野球の巨人戦の中継があり、野球シーズンの4〜9月は放送時間帯が度々午後11時45分からになってしまうこともマイナス要因でした。

一般的に月曜と金曜はナイターの試合が少なく、新日本プロレスのナイター中継での番組時間帯の変更は年間で2〜3回程度でした。

79年4月7日より「全日本プロレス中継」はゴールデンタイムを外れ、関東地区は毎週土曜午後5時30分からに変更されました。

83年2月26日午後7時30分から90分枠の「土曜トップスペシャル」で前日に行われた愛知県体育館大会を録画中継。(鶴田vsトミー・リッチのUNヘビー級選手権、大仁田厚vsドスカラスのNWAインターナショナル・ジュニア・ヘビー級選手権、ザ・グレート・カブキvsタイガー・ジェット・シンの3大決戦を中心に放送)これが好評で、同年8月31日、蔵前国技館でのテリー・ファンク引退試合、12月10日、最強タッグ愛知県体育館大会、翌84年2月23日、蔵前国技館でのニック・ボックウィンクルvs鶴田のAWA世界、インターナショナルの両ヘビー級ダブルタイトル戦等々が放送されて日本テレビ側も手応えをつかみ、85年3月にはロード・ウォリアーズ初来日となった両国国技館大会を生中継。

ついに85年10月19日放送分から実に6年半という歳月を経て「全日本プロレス中継」は毎週土曜午後7時からというゴールデンタイム復帰を果たしました。

しかし、88年4月3日放送分(3月27日日本武道館での鶴田vsブルーザー・ブロディのインターナショナル・ヘビー級選手権試合、天龍vsスタン・ハンセンのPWF、UN両ヘビー級選手権試合を録画中継)から毎週日曜午後10時30分からに変更され、再びゴールデンタイムから外れました。

三沢達超世代軍が躍進して来たのはこの時間帯に放送されていた時期でした。

人情味あふれる浪花節的なメイン実況の若林健治アナに加え、新しい感覚の福澤"ジャストミート"朗アナの人気コーナー「プロレスニュース」も賛否両論ありましたが若いファンを獲得するのに成功しています。

その後、「全日本プロレス中継」は日曜深夜0時30分と深夜枠になり、94年4月からは放送時間も30分に短縮され、土曜深夜2時35分という時間帯になりました。

その後再び日曜深夜に戻りましたが最後は水曜日深夜になり、00年6月の三沢達がノアを旗揚げすることによる分裂騒動で6月21日放送分を持って28年間続いた「全日本プロレス中継」はあえなく打ち切りとなりました。(6月9日日本武道館大会の世界タッグ王座決定戦ワンナイトトーナメントが最後の放送)

ノアはスカパーのCS放送「ファイティングTVサムライ」で旗揚げ戦から放送され、日本テレビは後番組として掛布雅之がMCを務めたプロレス&格闘技バラエティ「コロッセオ」がスタート。

しかし、いずれ日本テレビがノアを中継することは規定の路線と言われていました。そして、01年4月1日福岡国際センター大会を当日放送。毎週日曜深夜0時55分から30分枠での放送が開始されました。

その後主要会場は日本テレビが放送、その他の会場の試合はサムライTVが120分枠で放送するという状況が1年半ぐらい続きました。

02年、日本テレビ系列のCS放送日テレジータスでの主要大会ノーカット放送が開始されてからサムライTVは撤退。

地上波でもGHCのタイトル戦が行われた武道館大会等ビッグマッチは放送時間を60分に拡大して放送されました。

04年7月10日の東京ドーム大会はノア初のスカパーによるPPVにより生中継されましたが、日テレG+による中継がなかったことで加入者から不満の声が上がり、翌05年7月18日の2度目の東京ドーム大会は日テレジータスで当日18時からディレイによる完全録画中継。

地上波でも当時としては異例の当日深夜1時59分〜4時25分迄録画中継され、会場には日テレの久保伸太郎社長も観戦に訪れています。この時が興行的にもテレビ的にもピークだったと思われます。

日テレジータスでの放送は4月以降も継続されるということでしたが、途中、2度の放送打ち切りはあったものの55年間に及ぶ日本テレビのプロレス中継の地上波からの撤退は、プロレスというコンテンツがテレビで一つの役割を終えたということでしょう。翌09年2月に、日本テレビ側から正式に放送終了の会見がなされています。

いずれにしても推定年間1億1,500万円という日本テレビからの放映権料が入ってこなくなるということはノアの経営に大きく影響を与えました。

写真はノア放送打ち切りを報じる当時の日刊スポーツです。

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