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2025年04月09日07:10

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【特別編】マイティ井上さん追悼(76)

86年全日本プロレス「ニューイヤー・ウォーズ SUPER BATTLE86」も終盤にさしかかりました。第22戦、1月25日群馬県高崎市中央体育館(テレビ生中継、観衆3,200人発表)大会。午後7時からの生中継とあって試合開始は午後6時。

今回はテレビ生中継の流れに沿って試合を追っていきたいと思います。

テレビ生中継は第6試合の天龍源一郎&タイガーマスク組とザ・グレート・カブキ&阿修羅・原組からスタート。サムソン冬木の負傷欠場で1月28日、東京体育館でのタイガーマスクの対戦相手に決定したカブキ。若造何するものぞという気迫溢れた攻めを見せていきました。

タイガーマスクも東京体育館のビッグマッチでの対戦相手がダイナマイト・キッド、冬木、カブキと変わってしまったところから気持ちの切り換えが難しいところでしたが、15分42秒、コーナーポスト最上段からダイビング・ボディアタックをカブキに決めようとしたところ、カブキが下からタイガーマスクの顔面めがけて毒霧噴射。黄金のマスクが緑色に染まりました。前哨戦はカブキが心理的に優位に立っています。

第7試合はマイティ井上とミル・マスカラスのシングルマッチ。井上は特番「土曜トップスペシャル」以外で毎週土曜日午後7時に放送時間が移行してからは初の生中継登場です。

マスカラスの空中殺法を上手くスカした井上でしたが、7分37秒、コーナーポスト2段目からのダイビング・ボディアタックからの片エビ固めでマスカラスが鮮やかなフォール勝ち。1月28日、東京体育館での小林邦昭戦に向けて死角なし。

続いて第8試合、事実上のメインイベント、鶴田&石川敬士組と長州力&アニマル浜口組が激突。テレビ放送では、1月14日、鹿児島県立体育館の次の放送がこの日の生中継ですから、ジャパン軍団は長州がパートナーを寺西勇から元祖維新軍、浜口に変えてのリベンジマッチとなりました。

長州が石川にサソリ固め、すると鶴田が場外にあったイスを持ち出して長州の痛めている脇腹を痛打。助けに入った浜口にもイス攻撃を加え、長州にハイジャック式パイルドライバーを見舞っていきます。試合権利のない鶴田の攻撃は反則となり止めに入ったレフェリーにも鶴田はキックを浴びせ、6分42秒、鶴田の反則負け。しかしダメージは長州の方が深く、1月28日、東京体育館でのインターナショナル・タッグ王座挑戦に暗雲が立ち込めました。

セミファイナルは谷津嘉章&寺西組がバリー・ウィンダム&マイク・ロトンド組のUSエキスプレスと対戦、5分24秒、ウィンダムが寺西を回転エビ固めで降しています。

テレビ生中継はここまで。最終試合として馬場&大熊元司組vsラッシャー木村&鶴見五郎組が行われ、7分26秒、好調な大熊が鶴見をジャンピング・ヘッドバットからの体固めでフォールしています。

テレビ中継に入らなかった試合では、ジャパンプロレスの小林邦&栗栖正伸組と国際血盟軍の剛竜馬&アポロ菅原組の一戦、11分14秒、小林邦が菅原を得意のフィッシャーマンズ・スープレックスホールド(網打ち式原爆固め)で倒し、マスカラス戦に向けてこちらも好調な仕上がり。

第23戦、1月26日日曜日、埼玉・深谷市民体育館(観衆3,400人超満員発表)大会。

井上は佐藤昭雄組と組んで国際血盟軍の鶴見&剛組と対戦、10分14秒、鶴見がチェーンを持ち出して佐藤の首を絞めて鶴見の反則負けとなりました。

メインイベントでは全日本対ジャパン軍団抗争頂上対決、鶴田&天龍&石川組と長州&谷津&浜口組の激突。1月17日、広島県三原リージョンプラザと同一カードによる再戦となりました。

前日の高崎大会で鶴田のイス攻撃を浴びて痛めている脇腹をさらに悪化させた長州は谷津&浜口と共に試合開始のゴング前からイスを持ち出して全日本軍団に奇襲攻撃。

ゴングが鳴ってもイスを離さないジャパン軍団が鶴田を狙ってイス攻撃。止めに入ったレフェリーのタイガー服部をもイスで殴りつけ、4分51秒、ジャパン軍団の反則負け。手負いの長州が鶴田に一矢報いました。

しかしこの深谷大会もノーテレビ。テレビ中継の中では鹿児島、高崎2週続けて鶴田が長州を痛めつけているところだけが放送され、三原、深谷の長州の報復は会場にいた観客とマスコミしか見ておらず。長州の報復については東京スポーツや週刊プロレス、週刊ゴング、週刊ファイト等情報を熱心にトレースしている一部のファンしか知らず、本番の1月28日、東京体育館における鶴田&天龍組と長州&谷津組のインターナショナル・タッグ選手権試合まで、深谷大会が終了してから中一日しかなく、週刊媒体は間に合わないことになります。

大多数のファンは長州が鶴田相手にやられているシーンしか知らない為に鶴田&天龍組優位に感じたことでしょう。ここに全日本プロレス、日本テレビの抗争を発展させていく手法の不慣れさを感じますし、また、鶴田&天龍組よりも新日本プロレスから来た長州&谷津組の方が弱いということを植え付ける印象操作を感じます。

このあたりは「全日本プロレスの方が新日本プロレスよりも格上」という馬場と日本テレビの意図があるのではないでしょうか?

セミファイナルでは全日本対国際血盟軍、馬場&大熊組vsR木村&原組。7分52秒、原が大熊をヒットマン・ラリアットからの体固めに決めて国際血盟軍の勝利。

セミ前に組まれたのはマスカラスと渕正信のシングルマッチで、11分5秒、マスカラスが鮮やかな回転エビ固めでフォール勝ち。

ウィンダム&ロトンド組のUSエキスプレスはジャパンの寺西&栗栖組との対戦。10分3秒、ウィンダムが栗栖を豪快なブルドッキング・ヘッドロックから片エビ固め。USエキスプレスは中堅選手との対戦が多く、「お客様」的な傷をつけないマッチメイクが目立ちます。

カブキはロッキー羽田とシングルマッチで対戦、8分10秒、首固めで丸め込んでのフォール勝ち。

タイガーマスク&ハル薗田組vs小林邦&保永昇男組は8分55秒、両チームリングアウトの引き分け。

新倉史裕と菅原のシングルマッチは9分51秒、菅原が首固めで勝利。両者は約5年後にSWSのリングで再会をすることになります。

第25戦、終盤の大きなヤマ場、1月28日東京体育館(テレビ収録、観衆8,700人満員発表)大会。私はこの興行は生観戦しています。

力道山時代から蔵前国技館、日大講堂と並ぶ都心のプロレス大会場として親しまれて来た東京体育館も老朽化の為に解体、建替えが決まり4年後の90年にリニューアルオープンすると言うことで、全日本プロレスは旧東京体育館での興行はこれが最後となりました。(プロレスとしての最終興行は2か月後の3月26日、新日本プロレスの正規軍vsUWF5対5イリミネーションマッチ)

全日本プロレスの初開催は73年7月26日馬場vsアブドーラ・ザ・ブッチャーのPWF世界ヘビー級選手権試合、82年2月4日、馬場vsスタン・ハンセンの初の一騎討ちでは超満員11,500人の大観衆を動員して熱狂させており、思い出深い会場でした。

井上は御大・馬場&大熊とのトリオでR木村&原&鶴見組と6人タッグマッチで対戦。12分8秒、R木村が大熊にリングアウト勝ち。

メインイベントは鶴田&天龍組と長州&谷津組の全日本対ジャパンタッグ頂上決戦によるインターナショナル・タッグ選手権試合。

試合前に1月14日鹿児島大会で鶴田に痛めつけられた長州の右脇腹には大きな湿布薬が貼り付いており痛々しい印象。しかし、長州は自らを鼓舞すべくマイクで「今日、お前達、俺を叩き潰さないと後悔するぞ!」とアジテーションを展開。

試合は手負いの長州を庇うべく谷津が奮闘、天龍にフライング・ボディシザースドロップを決めにいきましたが、天龍が受ける位置をロープ際にずらした為に谷津は着地の際、首をトップロープに打ち付けてダウン。すかさず天龍が延髄斬りからのパワーボム。22分21秒、エビ固めで天龍が谷津をフォール。

予想外のピンフォール決着で鶴田&天龍組が6度目の王座防衛を果たしました。

日本テレビの解説をしていた馬場は「4人共に素晴らしかった。谷津が一枚落ちるかと思ったがとんでもない。いい試合だった」と絶賛。試合テンポの違う全日本とジャパンでしたが1年に亘る構想でお互いに攻防が練れて来てスイングする部分が出てきたのでしょう。

セミファイナルはタイガーマスクとカブキのシングルマッチ。タイガーマスクは対戦相手がダイナマイト・キッド、サムソン冬木、カブキと変更になり集中力が今一つか?カブキは大会場でのシングルマッチでのセミファイナルは久しぶりとなります。

ロープワークの攻防でタイガーマスクがレフェリーと衝突、レフェリーが場外に転落している間にカブキはダウンしたタイガーマスクにセカンドロープからの正拳突きを命中させてフォールにいきましたがレフェリー不在に付きカウントは入らず。

ようやくレフェリーが上がって来ましたが、フォールを無効にさせられた怒りでカブキはレフェリーに食ってかかりました。背中を見せてしまったカブキにタイガーマスクはバックドロップからのジャーマン・スープレックスホールド。決まったかに見えましたがここで冬木が乱入。タイガーマスク、カブキ双方とやり合い収拾つかず18分10秒、ノーコンテストが宣告されています。

セミ前に組まれたのはマスカラスのIWA世界ヘビー級王座にジャパンプロレス「虎ハンター」小林邦が挑戦。小林がヘビー級のベルトに挑戦するのは国内では初。新日本プロレス時代、82年7月にロサンゼルス・オリンピック・オーデトリアムでティモシー・フラワーズ3世を破りアメリカス・ヘビー級王座を獲得して以来3年半ぶりのこととなります。

また、マスカラスの日本での同王座防衛戦も82年2月4日同じ東京体育館での天龍戦以来3年ぶりのことでした。

試合はグラウンド中心の攻防となりましたがマスカラスが小林を場外に投げてそのまま場外乱闘となり、8分42秒、両者リングアウトの引き分けでマスカラスが王座防衛を果たしています。呆気ない試合で、空中戦を期待したファンは1月2日、後楽園ホールでのタイガーマスク戦同様、方透かしを食らった感じです。

ウィンダム&ロトンド組のUSエキスプレスが東京初見参、石川&渕組と対戦、7分27秒、ウィンダムが渕をダイビング・ラリアットからの片エビ固めで降してUSエキスプレスの完勝となりました。。

マニア向けとも言える全日本対ジャパン、佐藤&羽田組vs浜口&寺西組は10分20秒、浜口が羽田をブロックバスター(サモアン・スープレックス)からの片エビ固めに決めて浜口&寺西組の勝利。やはり国際プロレス時代から長年組んでいる浜口&寺西組がチーム力で優りました。

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