85年全日本プロレス「決戦!ダイナマイト・ウォーズ」第8戦、シリーズ天王山、8月31日両国国技館(テレビ生中継、観衆10,500人満員発表)大会。私はこの興行は観に行きました。
この日は午後7時30分より特番「土曜トップスペシャル」での全国生中継。10月のゴールデンタイム復帰が決まり、内容でも全国の視聴者に大きくアピールしておきたいところです。
マイティ井上はグレート小鹿とのタッグで初来日のマーティ・ジャネッティ&ティム・ホーナー組と対戦、9分55秒、井上がホーナーをサマーソルト・ドロップからの片エビ固めに決めて井上&小鹿組のベテランタッグに軍配があがりました。
メインイベントはスタン・ハンセン&テッド・デビアス組の持つPWF世界タッグ王座にインターナショナル・タッグ王者チームである鶴田&天龍源一郎組が挑戦(インターナショナル・タッグのベルトは賭けられず)。挑戦者チームは鶴田が右肘の負傷、手術から復帰したばかりだけに体調面での不安がありました。
王者組は定石通り、鶴田の負傷箇所である右肘を2人がかりで交互に痛めつけていきました。天龍がカットに入りましたが、すぐに試合巧者のデビアスが妨害。
ハンセンは鶴田の右肘にショートレンジのウエスタン・ラリアットを見舞ってから右腕をアームロックに捕らえました。鶴田はギブアップしませんでしたが、コーナーの天龍もデビアスに動きを封じられてカットに入れず。鶴田は自力での脱出は困難、レフェリーはこれ以上の試合続行は危険とばかり、試合終了のゴングを要請。15分30秒、レフェリーストップでハンセンが鶴田を破り、第2代王者チームのハンセン&デビアス組が初防衛に成功しています。
セミファイナルは注目の4人だけでは初対決、ドリー・ファンク・ジュニア&テリー・ファンク組のザ・ファンクスとジャパンプロレス最強チーム、長州力&谷津嘉章組の対戦。ファンクスと長州&谷津組は8月26日の京都・醍醐グランドーム、8月30日、静岡県浜松市体育館で6人タッグマッチで対戦、手の内の探り合いを見せています。
長州がテリーをリング中央でサソリ固めに捕らえましたが、ドリーが入ってきてこれをカット、そのまま両チーム場外戦ヘ。テリーと長州が殴り合いになり、長州が一足早くリングに生還しようとしましたが、ドリーが長州の足を引っ張って妨害、11分42秒、両チームリングアウトのドローとなり、不完全燃焼に終わりました。
セミ前には前日の浜松大会を無断欠場したザ・グレート・カブキが登場、前々日の宇都宮大会でジャパン軍団のテロ攻撃を受けてダウンしたカブキを介抱しようとリングに上がったハル薗田とのシングルマッチが組まれました。カブキと薗田は薗田がマジック・ドラゴンとして、テキサス州ダラスのフリッツ・フォン・エリックの元でタッグを組んでいた間柄。
試合は4分31秒、カブキが足4の字固めで薗田からギブアップ勝ち。カブキは何のアピールもせず、リングを降りています。果たして正規軍でやり直すか、外国人側、国際血盟軍との共闘か?その去就が大いに注目されることになりました。
膝の怪我から復帰したタイガーマスクが復帰戦でいきなり小林邦昭の持つNWAインターナショナル・ジュニア・ヘビー級王座に挑戦、6月21日、日本武道館での同王座への挑戦は負傷をおして出場し、小林のフィッシャーマンズ・スープレックスホールド(網打ち式原爆固め)の前に一敗地にまみれているタイガーマスクでしたが、身体も一回り大きくなり、小林をスタートから圧倒。
ジャーマン・スープレックスホールドの2連発から小林の首と右腕をハーフスリーパーのように巻き込むと、そのまま後方に投げて固める新兵器「タイガー・スープレックス85」を見せて15分36秒、タイガーマスクが鮮やかなフォール勝ちでタイトルを獲得しています。
異色対決「闘うモンゴリアン」キラー・カーンと「孤高のヒットマン」阿修羅・原のシングルマッチは4分27秒、タッチロープを持ち出してKカーンの首を絞め続けた原の反則負け。呆気ない幕切れでした。
アニマル浜口&寺西勇&栗栖正伸組とのジャパンプロレスとラッシャー木村&鶴見五郎&高杉正彦組国際血盟軍の6人タッグマッチは6人中5人が国際プロレス出身という組み合わせになりましたが12分54秒、浜口が国際プロレスの伝統と言っていいブロックバスター(サモアン・スープレックス)から高杉を体固めに降しジャパン軍団の勝利。
大熊元司とキラー・トーア・カマタのシングルマッチは4分51秒、カマタがダイビング・ボディプレスからの体固めで勝利。78年5月26日後楽園ホール。カマタが国際プロレスから全日本プロレスに移籍して来た時の第1戦が大熊とのシングルマッチでした。
欠場していたタイガーマスクの付き人兼スパーリング・パートナーを務めていた川田利明がタイガーマスクと同じ日に復帰、ターザン後藤と組んでジャパンの新倉史裕&仲野信市組と20分時間切れ引き分けとなりました。
前日の両国大会で天龍と組んでPWF世界タッグ王者チームのハンセン&デビアス組に手術をしたばかりの右肘を攻撃され、レフェリーストップ負けを喫し、欠場が危ぶまれた鶴田でしたが、翌9月1日の第9戦、千葉県旭市サンモール屋上駐車場特設リング(観衆2,800人発表)には出場、ファン、関係者を安堵させています。
鶴田はセミ前に出場、石川敬士と組んでジャネッティ&ホーナー組とタッグマッチ45分1本勝負で対戦、6分13秒、バックドロップからの体固めでホーナーからフォール勝ちを収めています。
井上は初来日のミグエル・ペレス・ジュニアのシングルマッチは5分27秒、井上がサマーソルト・ドロップからの体固めで若いペレスを寄せ付けず。ペレスは90年代にはW★INGにレギュラー参戦します
旭大会メインイベントは長州&谷津&浜口組のジャパン軍団とタイガー・ジェット・シン&R木村&キラー・ブルックス組の対戦。国際プロレス時代の宿敵であるR木村とブルックスが2〜3月の「激闘!エキサイティング・ウォーズ」以来半年ぶりにタッグを組みました。試合は10分13秒、谷津とブルックスが両者リングアウトとなっています。
セミファイナルではその去就が注目されていたカブキがカマタとタッグを結成し、天龍&大熊組と対戦。全日本本隊に反旗を翻したカブキはヒールターンし、外国人側と共闘していくことになりました。試合は6分47秒、カブキが大熊をトラースキックからの体固めでフォールし、カブキ&カマタ組が勝利を飾りました。
全日本対ジャパン、馬場&小鹿&薗田組vsKカーン&寺西&栗栖組は10分34秒に両チームリングアウトの引き分け。全日本は御大・馬場が入っている以上、勝てる試合でしたが…。
同じく全日本対ジャパン、新NWAインターナショナル・ジュニア・ヘビー級王者となったタイガーマスクが欠場中に付添兼スパーリング・パートナーを務めていた川田と組んで前王者の小林邦&保永昇男組と対戦、9分54秒、小林が川田をフィッシャーマン・スープレックスホールド(網打ち式原爆固め)で降し、ジャパン軍団に凱歌が上がりました。
ヒットマン、原はジャパンの仲野とシングルマッチで対戦、3分51秒、ヒットマン・ラリアットから体固めで勝利し、この日は秒殺(5分、300秒以内)に成功しました。
新日本プロレスに比べると陣容は豊富でしたが、ハンセン&デビアス組、ドリー&テリーのザ・ファンクスが一度に帰国してしまうとやはり一抹の寂しさを感じずにはいられませんでした。
第11戦、9月3日、岩手・宮古市サンプラザ駐車場特設リング(観衆4,700人超満員発表)大会。
井上&川田と組んでジャパンプロレスの新倉&仲野組と対戦分56秒、井上が仲野をサマーソルト・ドロップからの片エビ固めで降しキャリアの違いを見せつけました。
全日本プロレスでは82年10月4日、千葉・夷隅郡大原消防署グラウンド特設リングでの川田以来実に3年ぶりとなる生え抜きの新人、小川良成(当時18歳)がデビュー戦を行いました
新日本プロレスは選手大量離脱もありましたが84〜85年にかけては佐野直喜、山田恵一、畑浩和、パット・タナカ(留学生)、仲野(再デビュー)、笹崎伸司、橋本真也、武藤敬司、蝶野正洋、野上彰、アノアロ・アティサノエ(留学生)、船木優治など有望な新人が続々デビューしていますが、全日本プロレスは入門者が少ないか、入っても続かないかで3年間、新人デビューなし。小川はジャパンの笹崎とデビュー戦を行い、6分40秒、逆片エビ固めでギブアップ負けしました。
第12戦は9月5日盛岡・岩手県営体育館(テレビ収録、観衆4,100人超満員発表)大会。
井上はT後藤&川田とのトリオでジャパンプロレスの浜口&小林邦&寺西組と6人タッグマッチで対戦、ベテラン揃いのジャパン軍団に対して若手を2人入れた井上組は荷が重かったか、12分59秒、寺西が川田をジャーマン・スープレックスホールドで撃破しジャパンプロレスの勝利。
メインイベントは長州&谷津組がシン&ブルックス組と対戦。長州とシンが場外乱闘を展開している間に5分37秒、このシリーズで初対戦したザ・ファンクスから盗んだスピニング・トーホールドでブルックスをギブアップさせました。プロレス熱戦譜での公式決まり手は「回転足折り固め」となっています。
セミファイナルでは国際プロレスファンなら涙なくして見られないR木村とカマタが2人だけでタッグを結成し、インターナショナル・タッグ王者チームである鶴田&天龍組と対戦するというカードが実現。
74〜81年の東京12チャンネル放送時代のレギュラー参加外国人選手の中で、ベルトに挑戦するエース格で全日本プロレスに主戦場を移したのはカマタ、ジプシー・ジョー、アレックス・スミルノフ、ブルックス、モンゴリアン・ストンパー、キラー・カール・クラップ等がいますがストンパーとクラップは1回きりに終わっています。
新日本プロレスへ行ったのはビッグ・ジョン・クイン、ザ・サモアンズ1&2号、デビット・シュルツ、スーパー・アサシンのロジャー・スミス、トップではないですがケリー・ツインズ、マイク・ミラーと言ったメンバーでした。
R木村が84年11月から全日本プロレスに参戦し、12月にヒールターン。かつてのライバル達とどのように共闘していくか注目されましたが、ジョーとは2度同じシリーズになりましたが6人タッグ含めて組むことはなく、ブルックスとはこのシリーズ含めて6人タッグで組んでいます。スミルノフは84年7月の「グランド・チャンピオン・カーニバルPART�掘廚鮑埜紊冒監�本から声がかからなくなりました。
カマタも来日間隔は空いて来ており、次にいつ実現するかわからない非常に貴重なチームと言えます。
本来ならインターナショナル・タッグ王座を賭けてのタイトルマッチでもおかしくないですが、9月14日、松本市総合体育館でジャパンプロレスのナンバー2チームであるキラー・カーン&谷津組の挑戦が決まっており、ノンタイトル45分1本勝負での対戦となりました。
試合は13分51秒、鶴田がカマタをジャンピング・ニーパットから140kgの巨体をバックドロップで投げ切って見せて体固めでフォール。鶴田&天龍組が勝っています。
82年7月9日、熊本市体育館でのUNヘビー級選手権試合では鶴田がやはりバックドロップからの体固めでカマタを降し防衛していますが「テーズ式」ではなく、この時は完全なるテーズ式ヘソ投げバックドロップでカマタを投げて見せました。鶴田の強靭な背筋力を物語る試合でした。
セミ前に組まれたのはタイガーマスクとジャネッティのシングルマッチで7分6秒、鮮やかなジャーマン・スープレックスホールドでフォール勝ちしました。
第14戦、9月7日千葉県流山市総合体育館(観衆2,700人満員発表)大会。
井上は川田と組んでジャパンの浜口&小林邦組との対戦。は10分3秒、浜口が川田をブロックバスター(サモアン・スープレックス)からの片エビ固めで降しジャパン軍団に軍配が上がっています。川田はジャパン軍との抗争に普通に駆り出されるようになり、勝ち星には恵まれませんがポジションが上がりました。
メインイベントは天龍の保持するUNヘビー級王座に「インドの狂虎」タイガー・ジェット・シンが挑戦。シンは2月5日、東京体育館で馬場のPWFヘビー級王座に挑戦しコブラツイストにギブアップ負けを喫して以来のベルト挑戦。
シンは前半からチョーク攻撃で試合を優位に進めましたが、天龍が放った延髄斬りで場外に転落。天龍もこれを追って場外ヘ。先に場外に落ちたシンはイスを持ち出して天龍の喉元を何回か痛打、天龍もイスを持って反撃している間にカウントが進み、9分53秒、両者リングアウトの引き分けで天龍が10度目の防衛に成功していますが、内容は不完全燃焼に終わっています。
セミファイナルは長州&Kカーン&谷津組のジャパンプロレス最強トリオとレイス&カマタ&ジャネッティ組が対戦。長州とレイスは先の「熱風!サマー・アクション・ウォーズ」後半戦以来2シリーズぶりの対戦。9分58秒、長州がジャネッティをリキラリアットから体固めに決めて長州&Kカーン&谷津組に凱歌が上がりました。
セミ前に組まれたのは鶴田&石川組vsカブキ&ブルックス組の一戦。石川がリング中央で長州の得意技であるサソリ固めをガッチリと決め、あわやギブアップ寸前というところでしたが、カブキがカットに入り、制止に入ったレフェリーにも暴行を加え、11分31秒、カブキ&ブルックス組の反則負けとなりました。
馬場&タイガーマスク&薗田組vs国際血盟軍、R木村&鶴見&海外遠征から帰ってきた剛竜馬組の6人タッグマッチは9分4秒、タイガーマスクが剛をダイビング・ヘッドバットから体固めに決めて全日本軍の完勝。
「ヒットマン」原はこの日はT後藤とのシングルマッチ、3分11秒、ヒットマン・ラリアットからの体固めで快勝し秒殺勝利を果たしました。
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