76年新日本プロレス「闘魂シリーズ」前半戦のストロング小林の激闘の模様をお伝えします。
第9戦、9月6日、東京・小金井市公会堂前広場特設リング(観衆2,000人発表)大会ではS小林はセミ前でブラックジャック・モースとシングルマッチで対戦、8分30秒、片エビ固めでフォール勝ち。
この日のセミファイナルでは坂口征二とイワン・コロフがシングルマッチ45分1本勝負で対戦、7分48秒、体固めでコロフがフォール勝ちをしています。今シリーズ、S小林と互角のスコアだったコロフに坂口があっさりと負けているのは意外でした。
第10戦、9月7日、新潟県上越市厚生会館(観衆2,500人発表)大会では、S小林が星野勘太郎&山本小鉄組のヤマハ・ブラザーズと組んでスーパースター・ビリー・グラハム&クルト&カールのフォン・スタイガー兄弟組と対戦。
1本目は1分17秒、S小林がクルトをラクダ固め(キャメルクラッチ)でギブアップさせて先制、NET「ワールドプロレスリング」実況の舟橋慶一アナにスロースターターと言われていたS小林にしては珍しい速攻勝利。
2本目は17分45秒、グラハムが星野をカナディアン・バックブリーカーでギブアップさせて1−1。決勝の3本目は1分34秒、星野がカールを回転エビ固めでフォールし2−1でS小林&星野&小鉄組に凱歌が上がっています。
セミファイナルで猪木がコロフとシングルマッチ45分1本勝負で対戦、11分30秒、両者リングアウトの引き分け。
第11戦、9月9日、福島市体育館(観衆2,500人満員発表)大会ではS小林はクルトとシングルマッチで対戦し10分5秒、逆エビ固めでギブアップ勝ち。
セミファイナルでは坂口とグラハムが今シリーズ3度目のシングルマッチで対戦し11分16秒、両者リングアウトに終わりました。
第12戦、9月10日、品川スポーツランド(後の品川プリンスホテル・アイスアリーナ、テレビ生中継、観衆2,500人発表)大会。
メインイベントでは猪木とグラハムがシングルマッチ60分1本勝負。試合前にセミ前の坂口戦を終えたコロフが入ってきて、いきなりマイクを掴むとニューヨークのプロモーターであるビンス・マクマホン・シニアからの「親書」を読み上げました。
内容は「今回、私がブッキングしたイワン・コロフが猪木の持つNWFヘビー級王座に挑戦の機会を与えなかったことは非常に不本意である。猪木は早期にコロフの挑戦を受けるべきである」というもの。今シリーズ、前半戦特別参加のコロフは日程の関係からNWFヘビー級王座への挑戦の機会はありませんでした。
今シリーズの猪木は最終戦の10月7日、蔵前国技館でのアンドレ・ザ・ジャイアントとの「格闘技世界一決定戦」一本に集中する為、NWFヘビー級王座防衛戦は入れておらず、次期シリーズにコロフが再来日し猪木に挑戦することが濃厚になりました。
この日の猪木vsグラハムのシングルマッチは04年にビデオパック・ニッポン&東北新社から発売されたDVD−BOX「アントニオ猪木全集」を始め複数のソフトに収録されて発売されている他、テレ朝チャンネルの「ワールドプロレスリングクラシックス」でも繰り返し再放送されており、現在でも視聴可能です。
試合は8分52秒に猪木が卍固めでグラハムをギブアップさせて快勝。テレビマッチ3週連続卍勝利を飾りました。今試合を見返すとグラハムの先制攻撃のパンチの「リズム感のなさ」が目立ち、下手さが目についてしまいますが、フィニッシュの卍固めは掛けている猪木の表情、首の筋の出方と左足のフックの具合、下になっているグラハムの筋肉の見事さと小豆色の絞りのロングタイツが絶妙にマッチして、猪木の卍固めの中でもベストショットに挙げられる芸術的なフォルムになっています。
グラハムは動画より静止画の方が幻想が膨らむプロレスラーと言えそうです。
S小林はセミファイナルに登場、星野と組んでクルト&カールのフォン・スタイガー兄弟と対戦。1本目は16分6秒、星野がクルトを体固め、2本目は4分55秒、クルトが星野を体固め、決勝の3本目は1分10秒、S小林がカールを体固めで降して2−1でS小林&星野組が快勝しています。
セミ前は坂口とコロフのシングルマッチで、7分9秒、坂口の反則勝ちとなりました。テレビ生中継はこちらの3試合が放送されています。
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