87年「創立15周年記念エキサイト・シリーズ」最終戦、3月12日、日本武道館(テレビ収録、観衆12,900人満員発表)大会。長州力が出場しない日本武道館大会でしたが、何とか満員発表の観客を動員。平日の木曜日開催興行でしたが私は何とか早く仕事を終わらせて、途中から会場観戦しました。
メインイベントはインターナショナル・タッグ選手権試合、1年ぶりに王座に返り咲いた鶴田&天龍組にアニマル&ホークのザ・ロード・ウォリアーズが挑戦。
両チームによる同タッグ王座戦はウォリアーズが初来日した85年3月9日、両国国技館以来2年ぶり。この時は60分3本勝負で1−1からウォリアーズのマネージャー、ポール・エラリングが乱入しての反則勝ちで鶴龍コンビの王座防衛。
その後、85年6月5日、愛知県体育館、同10月21日、両国国技館でのノンタイトル戦は鶴龍コンビの反則勝ち。前86年6月7日、高松市民文化センターではホークがダイビング・ラリアットからの体固めで天龍からフォール勝ちを収めており、ウォリアーズの勝ち越し。
ウォリアーズは86年6月12日、日本武道館で当時の王者チームである長州&谷津嘉章組に挑戦、ホークが谷津にジャーマン・スープレックスホールドを決められ、自力で返せず、エラリング乱入により、6分34秒、反則負けとなっていますが、前へ出る力は凄いものの「後ろに回られると脆い」(特にホーク)弱点を露呈しており、鶴龍コンビには攻略のポイントは掴めていたと思います。
アニマルが天龍を肩車したところへホークがコーナーポスト最上段からのダイビング・ラリアット。これがウォリアーズの殺人フルコース「ダブル・インパクト」が日本初公開された記念すべき瞬間でした。
カットに入ってきた鶴田をホークが場外に落とし、追いかけてラリアットを打って鶴田は場外でダウン。アニマルもダブル・インパクトのダメージで場外にエスケープした天龍を追いかけ、ホークとツープラトンのパイルドライバー、倒れる天龍を残しリングに戻りました。11分17秒、試合権利のあるアニマルが天龍にリングアウト勝ち。
1年ぶりに王座奪還を果たした鶴龍コンビは「不透明決着であっても初防衛位はするだろう」と言った大方の予想を裏切ってまさかの初防衛失敗、ウォリアーズがタイトルを獲得に成功しています。
セミファイナルはNWA世界ヘビー級選手権試合、王者リック・フレアーに欠場中の長州に代わって輪島大士が初挑戦。輪島はプロレス転向表明から僅か11か月で掴んだ世界最高峰への挑戦という大チャンス。
輪島は2弾式ネックブリーカードロップ(ラリアットを放ってから相手を離さず、頭部を抱えて揺さぶりをかけて叩きつける)、ラリアット、相撲タックルと持てる力を全力でフレアーにぶつけていきました。
フレアーの足を取ると、スピニング・トーホールドを決め、さらに猪木ばりのアリキック、ロープに飛んでもう一度相撲タックル。しかし、単調な輪島の動きを見ていたフレアーは、輪島が2度目のスピニング・トーホールドを決めようと前かがみになった瞬間、首を取って回転し18分29秒、首固めでフォール勝ち。フレアーがタイトル防衛に成功しています。
輪島を強く見せること位、フレアーには朝飯前。全て引き出した上での丸め込み勝利でした。試合後フレアーは報道陣へのインタビューで「彼に不足しているのは経験。経験さえ積めばスモウで頂点を極めたようにレスリングでもチャンピオンになれるかも知れない。力強さとタフさは十分に備わっている。それよりもガッツが凄いよ。今日はスピニング・トーホールドを読めたから助かった」と輪島を持ち上げることも忘れない余裕のコメントでした。
ジャパンプロレスの砦、谷津嘉章&アニマル浜口組はテリー・ゴディ&アート・クルーズ組と対戦、8分52秒、スライディング式のエルボードロップ2連発で浜口がクルーズを体固め。ジャパン軍は長州の欠場で戦力ダウンしましたが、どうにかシリーズを最後まで乗り切りました。
世界ジュニア・ヘビー級選手権試合、王者渕正信に初代同王者、カルガリー・ハリケーンズのヒロ斉藤が挑戦した一戦。H斉藤が回転エビにきたところを渕が絶妙のタイミングで切り返し、14分49秒,ジャックナイフ式エビ固めでカウント3が入り渕が逆転勝ち。2度目の王座防衛に成功しました。
全日本対国際血盟軍6人タッグマッチ、馬場&タイガーマスク&石川敬士組vsラッシャー木村&阿修羅・原&鶴見五郎組は14分3秒、タイガーマスクがウルトラ・タイガードロップ(コーナーポスト最上段からリング内の相手めがけ、空中で一回転して背中か尻を叩き付ける大技、リング内でのトペ・アトミコ)からの片エビ固めで鶴見を撃破。
ザ・グレート・カブキ&大熊元司組とマイク・ジョージ&エル・オリンピコ組は10分47秒、大熊がジャンピング・ヘッドバットからの体固めでオリンピコを降しました。ジョージは結局、H斉藤とはタッグを組みましたが、R木村以下国際血盟軍とのタッグ、6人タッグでも組むことはありませんでした。
第2〜4試合はいずれも全日本対ジャパン、マイティ井上&ハル薗田組vs寺西勇&保永昇男組は9分25秒両チームリングアウトの引き分け。川田利明と栗栖正伸のシングルマッチは11分30秒逆さ押さえ込みで川田が年齢で17歳、キャリアで10年先輩に当たり、メキシコでのヒール経験も豊富な栗栖から初勝利を挙げています。
百田光雄と仲野信市のシングルマッチは8分57秒,回転エビ固めで仲野の勝利。第1試合のジャパン若手対決、笹崎伸司と佐々木健介の一戦は15分時間切れ引き分けに終わりました。
なお、怪我でシリーズを全休していたサムソン冬木は3月11日に2度めの海外修行に出発しています。
新日本プロレスとの興行戦争ですが、新日本プロレスは全日本プロレスに遅れること3日後の2月23日、群馬県伊勢崎市民体育館から「スプリング・フレアーアップ87」を開幕させています。IWGPタッグ王座を保持していた藤波辰巳と木村健吾組の仲間割れ、チーム解散による王座決定リーグ戦と若手の登龍門、第3回ヤングライオン杯がシリーズの売りでした。
が、このシリーズ開幕前にフロリダで武藤敬司を襲撃したとされる「海賊男」が来日(?)し度々乱入しますがファンの反応は今ひとつ。このシリーズは終了後に3月26日、大阪城ホールでのビッグマッチ「INOKI闘魂LIVEパート2」が予定されいる為か東京の大会場での興行はなし。
後楽園ホール大会は全日本プロレス2月20日が3,200人、新日本プロレスは2回後楽園ホール大会を開催、2月28日のUWF主催興行が2,170人と超満員発表。流石に1,000人以上の開きがあるのはどう考えても無理があり、立見の数で全日本プロレスが僅かに上回ったか?唯一興行戦争と言えそうなのはここだけでした。
新日本の今シリーズ2度目の後楽園ホールは最終戦、3月20日であり、こちらは3月28日に同所で開幕予定の「創立15周年記念チャンピオン・カーニバル」開幕戦と比較する方が妥当かと思います。
ログインしてコメントを確認・投稿する