教室を出て校門へ。野球部やサッカー部、テニス部やバスケット部などの帰宅に紛れて下校する。小さくなって。小さくとは言っても物理的に小さくなったりはできないが、腰を曲げて肩を丸めてちょっと疲れたサラリーマンのような態勢で下校する。なぜ部活帰りの生徒に紛れて帰るのかというと、こうでもしないと’彼女達’に見付かってしまうからだ。
彼女達というのは理夢をイジメている犯行グループである。グループに見付かるだけならまだ何とかなるが、首謀者である望月莉亜に見付かったら何をされるかわからない。最後にやられたのは・・・・髪を思い切り引っ張られた事だろうか?・・・・ぶっちゃけて・・・・思い出したくないので覚えていない。記憶の彼方だ。
「りっちゃん。今帰り?」
そう声をかけてきたのはサッカー部の桐原悠也。イケメンで人当たりも良い彼はよくモテる。そんな彼は理夢の幼馴染の男の子だ。一瞬胸が高鳴る。どうしてここに?と思ったがそれはそうだ。今はサッカー部の部活帰りに紛れて下校しているのだ。いてもかしくない。
理夢「う、うん・・・・ゆうちゃんは・・・・部活お疲れ様」
悠也「・・・・うん・・・・」
短い会話だった。彼はそれだけ言うと部活仲間との会話に戻っていった。
幼馴染。小学生の頃は仲が良かった。・・・・いや別に今は仲が悪い訳ではないし、大好きな男の子でもある。緊張してうまく話せない、という事もあるが--------
(仲良くするとあのグループに見付かったらまた・・・・)
あのグループとはもちろん望月莉亜達のイジメグループ。彼女達はイジメグループ兼、悠也の追っかけもしている。見つかったら大変だ。理夢がイジメられているのは悠也と仲がいい幼馴染だからやっかみで・・・・という事もあるのかもしれないが。
あとの問題として、彼女は人の死が観えてしまう異能力を抱えていた。もし悠也の死期が観えてしまったら嫌だから。
やがて下校中、サッカー部の面々はそれぞれの帰路に向かって別れていく。そして・・・・悠也と2人きりになった。
悠也「りっちゃん。今日は大丈夫だった?望月さんに何かされた?」
理夢「ううん。されそうになったけど・・・・瑞樹ちゃんと好愛ちゃんがかばってくれたから・・・・」
この2人は数少ない理夢の友人。いつも莉亜達の攻撃をかばってくれる大事な友達。
悠也「良い友達だよな。大事にするんだぜ?」
本当だ。大事にしていかなければ。そしていつまでもかばってもらう訳にはいかない。
変わりたい。少しでも明るい女の子に。でも・・・・
人の死期が観えてしまう能力が彼女を踏みとどまらせていた・・・・。
変わりたい・・・・でもどうしたら・・・・
悠也「っ!!??りっちゃん!!!!危ない!!!!」
その声で考えるのをやめた。何が危ないのだろうかと自分の状態を確認した。気づいたら横断歩道の真ん中にいた。そして・・・・横断歩道の信号は・・・・赤---------------
場所は交差点の横断歩道の真ん中。そしてそんなところにいれば-----------------
車が理夢に向かって突進してくる。運転手は理夢に気づいて急ブレーキをかけたがどうにも間に合いそうにない・・・・!!
悠也「りっちゃーーーーん!!!!」
轢かれる。恐怖に立ち止まっている理夢に悠也が駆けていく----------------------
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