控室へ向かった輝莉。ライブではないので衣装があるわけでもない。着ている日本で着ていた制服のまま歌うことになる。
何の気なしに「せめて衣装でもあったらな」と呟く。ただの試験に衣装はない。分かっているが、何となく気分が乗らない。
制服で歌ったのはいつだろうか。
最後に人前で歌ったのは・・・・ああ・・・・入部試験の時だった。部長の前で歌う以外はPROJECT-STAR-LIGHTの練習の時ぐらい。とはいえあれは体育着でしたのであって制服ではない。
あの時は部長の風祭燿しか聴いていなかった試験。今回はフリステスの生徒相手に歌うのだ。
緊張は・・・している。かなり。輝莉は自分の制服を触ってみた。
なんとなく・・・・今まで共にしていた乃愛と星名の事を思う。3人で芸能界デビューする筈だった。それを辞めてまで来たのだ。合格したい。
「コンコン」とノック音がする。ドアを開けて入ってきたのは律音。先生方に歌う曲と順番を聞いてきてほしいと頼まれたそうだ。曲順を伝えると「はいはい〜」と紙にメモっていく。
輝莉「そういえば・・・・曲ってどうなるんです?アカペラですか?」
律音「いや?燿さんからEcritureの曲のデータ全部送ってもらったんだ♪」
なるほど。準備がいい。歌うのは全部で6曲。Ecritureとして活動したほとんどの曲ではないだろうか。予選や決勝の曲だけではなく、プロモーションから大会後に部のホームページにアップロードした曲もあわせてもそんなに多くはない。
律音「え、そぉ?じゃあSTAR-MINEの曲だっていいんだお?」
そこは辞めておいた。歌ってないし。いや歌ってはいたがカラオケでだし。出来れば自分達での曲で勝負したい。
律音「人前で歌った事は大会であるからそこは大丈夫だよね?」
輝莉「決勝並に緊張してますよ・・・・」
律音「人数的にはココの生徒だけだから3万人の前で歌った経験あるんだしダイジョブ。テレビカメラも入ってたし」
とはいっても緊張するものは緊張する。VRANO=METRIAで並べるか1人だけ落ちこぼれるかの問題なのだし。
律音「前も言ったけど、エトワールチームはエトワールとしか組めない訳じゃないんだし、ダメだったとしても問題ないよ☆気楽に歌ってね♪」
1人だけエトワールじゃなくても問題ないのだろうか・・・・。まぁ無いのだろう。律音はこう言ってるし、ミーナはノリと勢いで同じ事言ってそうだし、リルムは物腰柔らかに受け入れてくれそうだし。
そう思うと・・・・ちょっとだけ肩の荷が軽くなった気がする。気がするだけでまだオモイけど。
そう思った時だ。
ピンポンパンポーンという音が聞こえてくる
『試験者、ノザキ・キラリ。試験10分前です。袖にて待機しなさい。くりかえします----------』
律音「時間だね。私はこのセットリストを持って準備してもらいに行くから。じゃ、頑張ってね〜♪」
そう言って出ていった。さて・・・・自分もステージ袖に向かわないと。
袖には・・・・誰かいるかと思ったのに誰もいない。完全1人。ここからはもう・・・・本番しかない。
頑張ろう。思いっきり歌おう。
もしダメでも悔いが残らないように。全力で。
『時間です。ノザキ・キラリ。ステージへ』
さぁ・・・・ライブスタートだ------------------
輝莉「乃愛ちゃん。星名ちゃん。・・・・行ってくる・・・・!!」
輝莉は袖からステージへ。輝くその場所へ-------------------
-----------------------------------エピローグへ---------------------------------
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