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2018年04月29日10:25

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飛龍革命〜あれから30年〜(8)

散々な試合内容に終わった88年4月22日、沖縄・那覇市奥武山体育館のメインイベント。

控室で藤波は猪木の今シリーズ、大阪、有明でのビッグバン・ベイダーとのシングル2連戦は無理、自分にやらせて欲しいと直訴。

飛龍革命というとどうしてもあの映像での藤波と猪木のやり取りの中で、藤波の滑舌の悪さを茶化すようなギャグとして捉えられがちですが、私は違う視点から見ています。

藤波と猪木の師弟関係は藤波が中学校の時、下関市体育館に日本プロレスが巡業に来た時、地元大分県出身の先輩にあたる北沢幹之(魁勝司)に入門を直訴、70年に16歳で日本プロレスに入門、猪木の付人を勤めた時から始まります。

71年5月9日、岐阜市民センターでの北沢(当時のリングネームは新海弘勝)を相手にしてのデビュー戦から半年ちょっとで猪木は会社乗っ取りを企てたクーデター犯として日本プロレスを追放・除名処分となりました。

シリーズ最終戦の翌日12月13日には、代官山の日本プロレス事務所で「猪木追放万歳」という写真を選手皆で撮影、マスコミに載りました。

その時「一番隅っ子で寂しそうにしていた」ので山本小鉄が藤波に声をかけて藤波は日本プロレス退団を決意。新日本プロレスへ移籍しました。

その後、74年12月にはカール・ゴッチ杯に優勝、75年6月に西ドイツに修行に出たのを皮切りに、アメリカのノースカロライナ、メキシコで活躍。

78年1月23日、ニューヨークMSGでカルロス・ホセ・エストラーダを破りWWWFジュニア・ヘビー級王座を獲得。3月に凱旋帰国しドラゴンブームを巻き起こしたのは何度も書いている通りです。

それからちょうど10年、その間、藤波はWWWF(WWF)ジュニア・ヘビー級王座通算52回防衛。ジュニアでは敵がいなくなりヘビー級に転向。

長州との名勝負数え歌を経て、UWF、ジャパンプロレスへの選手大量離脱の時も新日本プロレスから離れずに猪木を支えて来ました。

86年1月にUWF勢がUターン、猪木が矢面に立たない代わりに前田日明とシングルで対戦し(5月1日、両国国技館、正規軍vsUWF5対5勝ち抜き戦大将戦、藤波のレフェリーストップ負け、86年6月12日、大阪城ホールIWGP王座決定リーグ戦、両者KO)名勝負を展開してきました。

せっかく、長州以下ジャパンプロレス勢が戻って来ても猪木がナウリーダーvsニューリーダーの抗争を仕掛けた為、藤波は敵対勢力だった長州、前田と共闘していくことに。5対5イリミネーションマッチを乱発、オーバーザ・トップロープルールの適用でゲーム性が強くなり、勝負論は新日本プロレスのリングからは消えてしまった感は大きかったです。

猪木はそのアングルをも壊してマサ齋藤との巌流島対決に走りました。藤波はマッチメークの主軸から外れることを余儀なくされました。

これではあまりにもったいない。翌89年に腰の椎間板ヘルニアをやるまでは抜群に安定感のある試合をしていたと思います。

しかし、藤波の安定ぶりとは裏腹に新日本プロレスのリングは猪木の迷走と稚拙なマッチメークで盛り上がらぬまま…。

藤波が中卒で社会に出て初めて接した「大人」、その中でもトップ中のトップが猪木であり、全日本プロレスに「就職した」鶴田、大相撲幕内力士経験者の天龍と馬場、新日本プロレス旗揚げ後初の「キャリア採用」となった長州と猪木の師弟関係は全く違います。

力道山と猪木に近い関係ではなかったでしょうか?(猪木は力道山のように見境なく暴力を振るったりはしなかったですが)

日本プロレス界で最初に「革命」という言葉を使ったのは81年10月に全日本プロレスに来日したブルーザー・ブロディ。

ブロディは減量に成功し動きがシャープになり、10月9日、蔵前国技館でドリー・ファンク・ジュニアに反則勝ちしインターナショナル・ヘビー級王座を獲得。

12月13日、蔵前ではスタン・ハンセンの介入というサプライズはあったものの、ジミー・スヌーカとのコンビでドリーとテリーのザ・ファンクスを破り世界最強タッグ決定リーグ戦に優勝、革命を力で実現させました。

日本人選手では長州の革命戦士、天龍の天龍革命の方が先駆者で、ファンへのアピール力も強いメッセージ性がありましたが、藤波の飛龍革命はこれらの革命とは質が違うものでした。

恐い父親に大人しく言うことをよく聞く長男が家業のピンチに初めて父親に逆らった。そんな感覚だと思います。
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