猪木の鮮やかな切り返し。館内からは「イノキ、チャ、チャ、チャ」の手拍子入りの連呼が沸き上がっています。これがイノキコールの原点かも知れません。
桜井さん「いい動きですねぇ!」
三浦アナ「ええ、いい動きですね」
桜井さん「マツダがねぇ、身体をピッタリと貼り付けてバックから攻めて来ますからねぇ、今みたいな逃げ方っていうのはねぇ、なかなか出来ないんですがねぇ、さすがに猪木ですね」
猪木はマツダをうつ伏せにしたまま左腕をハンマーロックでギリギリと絞め上げていきます。リング中央で苦悶の表情のマツダ。身体をにじり寄せてようやくロープに逃げました。
三浦アナ「ヒロ・マツダは力道山の元に入門しまして、負傷から奇跡のカムバック、日本を捨てて単身ペルーからメキシコに渡り、そしてアメリカへ。現在はフロリダの激戦地、タンパの大邸宅に住んでおります。アメリカで一番成功した男。日本最古参のボス的な存在になっています」
この時点でアメリカで成功したと言えば、東部地区でヒールとしてブレイク。ニューヨークMSGでメインイベントを張り、東洋の大巨人と言われた馬場がいましたが、馬場は日本に帰国しており、アメリカに生活の拠点を移して成功した日本人プロレスラーの出世頭はマツダで間違いなかったと思います。
猪木、マツダをアームロックに極めたまま立ち上がる。投げを打つ猪木、綺麗に決まりましたが、マツダはヘッドシザースで切り返す。
桜井さん「早いですねぇ!」
三浦アナ「ヘッドシザースで切り返しましたヒロ・マツダ、ベテランらしいテクニックを駆使しています」
桜井さん「今のマツダの切り返しもね、もう猪木が投げた時に左足がねぇ、もう、あのぉ〜、返しの動作を起こしてますからね。この辺はやはり反射神経が素晴らしいんでしょうね」
三浦アナ「はぁ」ここで5分経過。
三浦アナ「さあ、このヘッドシザースをどう外しますか?」
猪木、ヘッドシザースをかけられた状態で身体を回しながら両腕立ての要領でマツダの正面に回り込んでロープに足をかけてエスケープしました。
桜井さん「ここから、まぁねぇ、猪木がベストコンディションの状態でしたら倒立してね。一回転出来るんですがねぇ、やはり肩を痛めていますからねぇ、なかなか難しいですね。今、ロープに助けられたというか…」
猪木はプレ日本選手権のシリーズ前半戦を欠場して遠征した欧州世界選手権シリーズで、ローラン・ボックらと連日、スプリングの効いていない硬いマットを使ったリングで激闘を展開。肩を痛めていましたが、ミル・マスカラスのように倒立して一回転するようなヘッドシザースの外し方はベストコンディションであっても多分しなかったと思います。
両者再びリング中央で睨み合いから手四つとなり、マツダは立ったままで猪木の左腕をネジ上げてスタンディングのアームロック。この試合、マツダは徹底して猪木の左腕を殺しにかかります。
桜井さん「これですねぇ、マツダは猪木のリストを極めながら本当は肘を極めにいっているんですね、左腕の」
三浦アナ「ははぁ、ガッチリ決まっていますね」
桜井さん「それでねぇ、体重を乗っけてねぇ、それで肩も決まってますねぇ」
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