さて、この日の練習だが。
皆浮ついていた。STAR-MINEは去年合宿を行ったが、それでも行きたいものはいきたいのだ。
例え、アイリーンがどんな練習メニューを組んできても。いや、さすがに地獄メニューにしたりしないが。
輝莉「合宿、楽しみだね」
星名「うん。静岡だって。温泉だって!!」
2人は踊りの練習をしながら話をしていた。ちなみに曲はPVの時の曲で練習中だ。STAR-MINEも隣で練習。
その後ろでもくもくと練習している乃愛。ピアノ一筋でここまで来た彼女は2人に比べて体力がまだない。話に加わる体力がまだ備わっていない。喋っている余裕がないのだ。なので休憩といわれても練習を続ける。早く追いつけるように。
ののか「ねぇ流奈。あの子オーバーワークしすぎじゃない?」
翼「あれではもたないよ。休ませてあげないと」
流奈「・・・・・・・・」
輝莉と星名は休むように言うが「もうすこしだけ・・・・」といって休まない。これでは合宿の前に倒れてしまいそうだ。体力がないからといってやりすぎだ。
そのまま乃愛は部活が終わるまで休む事無く続けた。しかも皆帰ったのに居残りまでして。
ひとしきり踊って・・・・止めてうつむく-----------
乃愛「これではまだ・・・・もっとやらなければ・・・・せめて新曲を考えながら練習するくらいの体力はほしい・・・・」
「でもさすがにやりすぎだよ。休む時は休まないと」
乃愛「あ・・・・速水先輩・・・・」
1人居残りまでして練習している乃愛にミネラルウオーターを差し入れる。受け取って一口だけ飲んだ乃愛はまた練習しようとして・・・・流奈に腕を捕まれる。
流奈「まった。やりすぎだって言ったでしょ?」
乃愛「ですが・・・・!!」
流奈「2人に遅れてるのは私も分かってる。早く2人と並ぶ身体能力をつけてほしいとは思うよ?」
乃愛「なら-----------」
流奈「でもね、やりすぎはよくないよ。どのみち見てると疲れで身体のキレもないし鈍くなってきてるし。ただ自分をダメだと追い込んでるだけになってない?それじゃ練習してても苦痛なだけだし」
乃愛「それは・・・・」
流奈「そんなに自分を追い込んで苦しんでるくらいなら、笑顔を作る練習でもしたほうがいいよ。苦しい顔をお客さんに見せられないから」
それはそうかもしれない。やってもやっても成果が出ない練習をしているよりはいいのだろうか・・・・と考えるくらいまで落ち込んでいる。とはいえ流奈のいう事も一理ある。アイドルは夢を売る商売。苦しい顔をみせられない。笑顔でいなければ。それも練習・・・・であろうか。
流奈「それに、あなたの身体能力強化の為でもあるんだよ?今度の合宿は。いま自分をイジメなくても合宿でアイリーンちゃんにいじめられるから」
乃愛「いじめられる・・・・のですか・・・・?」
流奈は「そうだよ・・・・」と空を見上げた。流奈には去年の合宿風景が見えているのだろうか。一体どんな合宿メニューだったのだろうか・・・・ちょっと怖い。
流奈「だから今は程々にしときなよ。PVの曲で3人の課題がみえたって燿君もいってたし。それに旅行も楽しまなきゃ。ね?」
乃愛「・・・・はい・・・・」
乃愛は流奈に説得され、居残り練習を辞めて帰り支度をしにロッカーへと向かった。それを見送る’2人’。
もう1人というのは・・・・奏鳴。奏鳴は流奈のところまでやってきてぽつりと「大丈夫かな」
奏鳴「なんだか加入したての自分をみているようです・・・・」
流奈「そうかもね。でもあそこまで思い詰めてやってなかったよ。きっと自分の所為で予選落ちになったらと思うと焦っちゃうんじゃないかな。揃わないのは乃愛ちゃんだけの所為じゃないのに」
奏鳴「というと?」
流奈「分からない?振り付け担当としては分かりやすいんだけどね。曲に合ってるのは星名ちゃんだけで、乃愛ちゃんは遅れてて、輝莉ちゃんは逆に振りが早いの」
奏鳴「じゃあ・・・・今度の合宿はそこを直すためも?」
流奈は頷いた。振りが早い輝莉にも修正する余地があるのでトレーニングついでにやってしまおうと。もうそのあたりは燿やアイリーンにも報告してあるらしい。
STAR-MINEはゴールデンウイークも仕事が入っているのでずっとみてやれない。メンバー同士か燿がみてやらなければ・・・・揃わない。
合宿は練習と共に、曲創りも予定に入っている。このままではきっと間に合わない。その為の合宿だ。準備を終えて予選に挑む為に。
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