「そっか。とうとう始まったんだ」
輝莉は練習後、友人達とファーストフード店でおしゃべりをしていた。時は春休み最終日。明日から学校だ。・・・・という時に遊んでいていいのかといわれたらどうせ授業もないし始業式だけなのでまだまだあそんでいたりして。
一緒にいるのは・・・・一緒にアイドル活動(仮)をするのを拒否した友人達だ。だが別に恨んだりしたりはしない。皆人前で歌うのが苦手だから。得手不得手はだれしもあるもの。そこで目くじら立てても仕方がない。
「参加は断っちゃったけど、あたし達にできる事があったら手伝うよ」
友人達は全員頷いた。いい友人を持ったと思う。やはりもつべきものは友、だ。とはいえ、kろえといってやってもらう事は今のところはない。
そういえば、と思う。今日の練習後、風祭プリオデューサーから言われた事を思いだす。
輝莉「そういえばー、私達EcritureのMV撮るっていってたなぁ」
「MV?」
要するに動画である。自己紹介している時に字幕でプロフィールをつけたり日常生活の様子を撮影したり。最後に1曲、歌を収録するとの事。
輝莉「まだどういう動画を撮るっていうのを決めてないけど、皆と遊んでる様子を撮ろうかと」
「「「「「えええええっ!!??」」」」」」
店内に響く。そんなに驚く事だろうか。驚くか。普通の芸能人でもやっている事だしと思ったが、驚くか。
「そ、それって、動画に私達もでる・・・・という事だよね」
輝莉は頷いた。
「遊ぶのはいいけど、それが撮られるんだよね。カメラの前で遊べって事だよね」
輝莉は頷いた。
「それがネットで公開されるんだよね」
輝莉は頷いた。
「「「「「うーん・・・・・・・・」」」」」
全員考え込んでしまった。カメラの前で何かするというのはやはり抵抗があるようだ。歌う事も不得意だし。
「ちなみに誰が撮るの?風祭先輩?」
輝莉「へ?ううん。広報部の六土さん」
「「「「「えーーー・・・・・・・・」」」」」
心底嫌そうな顔をした。
「あの人、女子ばっかり撮ってるって話だよ・・・・」
輝莉「そりゃそうなんじゃない?アイドル部でも仕事してるし」
「・・・・女子の着替えとか恥ずかしい写真ばっかり撮ってるって」
「どこから撮られてるのか分かんないけどパンチラ被害が多いって・・・・」
輝莉「でも風祭さんが副部長の黄先輩が制裁加えてくれるっていうから大丈夫なんじゃない?」
「じ、じゃあ・・・・大丈夫・・・・なの・・・・かな・・・・」
輝莉「で、でもさ、アイドル部に提供してる写真とか画像とか、動画とか、撮影能力はプロ並みだって言ってたよ?」
「ま、まぁ・・・・仕事する時はするんだろうけど・・・・」
輝莉「そうだよ!!やればできる子なんだよっ!!」
先輩に向かってそれはないだろうに・・・・。
ともあれ、六土に対する疑念を払拭するにはちゃんと仕事をしてもらわねば。ちゃんとやるんだぞ六土・・・・。
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